この画像を大きなサイズで見る2026年6月にベネズエラを襲った大地震で、瓦礫の下に取り残された人々を探し続けた救助犬「ツナミ」を覚えているだろうか。
あれから約3か月。災害現場の第一線から引退したツナミは、今もベネズエラ各地を訪れ、今度は多くの人の心を救っている。
2026年9月16日、ベネズエラ北西部の都市マラカイボにあるベレダ・デル・ラゴ公園で、ツナミを称える記念像のお披露目が行われた。
式典にはツナミ本人ならぬ本犬も登場。大勢の人々が見守る中、自分そっくりの像と並んで記念撮影するという、なんとも微笑ましい光景が繰り広げられた。
地震で活躍した災害救助犬ツナミの銅像が完成
2026年6月のベネズエラ地震で、瓦礫の下に取り残された人々の捜索に活躍した救助犬「ツナミ」の記念像が完成した。
2026年9月16日、ベネズエラ北西部マラカイボのベレダ・デル・ラゴ公園で行われた除幕式には、もちろん主役のツナミも出席した。
像はツナミが前脚をまっすぐ伸ばして座る姿をかたどったもので、救助犬として着用するハーネスまで再現されている。
作品を手がけたフィゲロアさんはまだ17歳。若き彫刻家が制作したツナミ像には「希望の守護者」という名前が付けられた。
除幕式にはツナミとハンドラーのホルヘ・ビーンズ氏のほか、マラカイボ市長のジャンカルロ・ディ・マルティーノ氏、消防・救助関係者らが出席した。
自分をモデルにした像の隣で、ツナミは集まった人々の注目を一身に浴び、ちょっぴり誇らしそうな顔をしていたそうだ。
ディ・マルティーノ市長は除幕式後、自身のInstagramにこうつづった。
マラカイボは、真の4本足の英雄を永遠にたたえます
さらに市長は、ツナミが6月24日の地震だけでなく、トルコやシリアでの国際救助活動でも人命救助に貢献したことにも触れた。
そして、この像を通して多くの家族に「困難な状況にあっても、希望と助け合いは必ず力になる」ことを思い出してほしいとの思いを記している。
虐待を受けていた子犬が救助犬になるまで
ツナミについては以前カラパイアでも紹介しているのが、その後にわかったことを含めて簡単におさらいしておこう。
最初は捨て犬と報道されていたが、ビーンズ氏によると、ツナミはもともと首都カラカスの家庭で飼われていたが、「噛みつくから」と庭につながれたまま、十分な世話を受けていなかった。
そのため健康状態が急速に悪化し、その家で働いていた女性が、見るに見かねて動物保護協会に匿名で通報した。
それをきっかけに、ツナミは保護されることになったという。
その後、APROA(動物保護協会)から連絡を受け、ツナミを引き取ったのが、「災害救助犬チーム訓練センター(K-SAR ECID)」の創設者、ビーンズ氏だった。
K-SAR ECIDは、災害救助犬とそのハンドラーを育成する団体で、ビーンズ氏自身も消防士としての経歴を持っているんだそうだ。
保護当時のツナミは、生後約9か月。皮膚には多くの傷があり、ビーンズ氏も最初は犬種を見分けられないほどだったそうだ。
そこで体を洗い、薬や軟膏を使って傷を手当てしていくうちに、ツナミも次第に警戒心を解いていった。
ツナミは、世話を受け入れれば早く良くなると理解したんです。それで、それほど警戒しなくなりました
ちなみに、保護された際は「ロメオ」と呼ばれており、現在の「ツナミ」という名前になったのは、ビーンズ氏と暮らすようになってからなんだとか。
国内外の災害現場で生存者を捜索
すっかり元気になったツナミは、ビーンズ氏のもとで、災害現場で生存者を捜す救助犬としての訓練を受けるようになった。
そして2022年には、ベネズエラ北部のアラグア州で相次いだ豪雨災害に出動。大規模な土石流と洪水に襲われた被災地での捜索活動にあたった。
さらに2023年2月、トルコとシリアを大地震が襲った際には、ベネズエラの「シモン・ボリバル人道支援部隊」の一員としてビーンズ氏とともに現地へ派遣された。
2023年2月、トルコで地面が揺れました。寒さは厳しく、休むことはほとんどできませんでした。何千人もの人々が大量のコンクリートの下に閉じ込められ、時間との闘いでした
この時の活躍から、2026年9月、ビーンズ氏とツナミはベネズエラにあるトルコ大使館に招待されている。
そして2026年6月24日、今度は自国ベネズエラで地震が発生する。
前回の記事で、ツナミが少なくとも13人の生存者を発見したと紹介したが、その後ビーンズ氏が最終的な人数を明らかにしている。
200人300人を見つけるなんて不可能です。ツナミが発見したのは26人です
SNSではツナミが200人、300人を発見したという情報まで拡散していたため、ビーンズ氏が自ら訂正したのである。
また、長時間にわたってツナミを働かせることを心配する声に対しても、ビーンズ氏はこう説明した。
ツナミにとって瓦礫に入ることは遊びなんです。そのために訓練されていますし、本人も楽しんでいます
なお、現場には獣医師が24時間同行し、ツナミが瓦礫から出るたびに健康状態を確認していたという。
下は被災地での捜索活動を行うビーンズ氏やツナミたちの様子。
そして、このベネズエラ地震の被災地での捜索が、ツナミにとって、最後の災害救助任務となった。
引退してもツナミの仕事はまだ終わらない
実はツナミの引退は、6月の地震が起きる前から決まっていた。ビーンズ氏は2026年を救助犬として最後の年にするつもりだったという。
これがツナミにとって最後の任務です。でも今回の捜索では、最後まで瓦礫の中を捜し続けます。私たちは最後まで捜索をやめません。
引退することは決まっていました。今年が最後の年だったんです。ある意味、最高の形で引退することになります
とはいえ、現場の瓦礫に入る仕事からは引退するものの、ツナミはすべての活動をやめるわけではない。
今後はビーンズ氏とともに国内各地を巡り、訓練や啓発活動に参加して、育成途中にある若い救助犬たちの模範となる役割を担っていくそうだ。
これまで通り、体力が許す限り訓練は続けます。これからは国内各地で新しい救助チームを育成するときに私と一緒に活動します。
救助犬を育てようとする人たちにとって、手本となるモニター犬になってほしいと思っています
「5分姿が見えないだけで泣いてしまう」タフガイ
数々の災害現場を一緒に経験してきたビーンズ氏とツナミの関係は、今や単なる救助犬とハンドラーという言葉では収まりきらないようだ。
ツナミは僕の名刺みたいなものですよ。どこへ行っても、みんな「ホルヘが来た」とは言わないんです。「ツナミのパパが来た」って言うんです
ビーンズ氏本人がそう笑うほど、今やツナミの名前はベネズエラで広く知られるようになったらしい。
自分はタフで自立していて、独立心が強い男だと言われますが、本当は、ツナミの姿が5分見えないだけで泣いてしまうんです
自身のSNSで、ビーンズ氏はこう綴る。そして救助犬とハンドラーにとって何より大切なのは、お互いの間の信頼だと続けた。
救助活動では、きずなや信頼、お互いの信用がすべてです。救助犬は命令や食べ物だけに反応するのではありません。毎日ハンドラーとの間で築かれる、揺るぎないきずなに反応するのです
虐待され、人間に対する問題行動すら抱えていた保護犬は、いつしかビーンズ氏にとってかけがえのない相棒になったのだ。
希望は4本の足でやって来ることもある
ツナミは第一線の現場からは退いたものの、その姿はこれからもベレダ・デル・ラゴ公園に残り続ける。
ベネズエラ地震の捜索活動が行われていた時、チーム・ツナミは次のようなメッセージを発信した。
今は瓦礫となっているものも、明日には再び新たな土台となるでしょう。
悲劇がもたらす痛みは計り知れません。しかし、それに耐え、灰の中から再び立ち上がる力は、それ以上に大きなものです。
破壊のただ中で、人間の力が尽きそうになる時、希望は4本足でやって来ることもあります。
それは決して諦めることを知らない高貴な眼差しと、探し続け、闘い続け、生き続ける理由が必ずあることを私たちに思い出させてくれ純粋な本能です。
明日を再建するために、私たちは決してひとりではありません
ツナミの活躍は、「チーム・ツナミ」の公式SNSで随時共有されているので、ぜひ遊びに行ってみてほしい。
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References: Tsunami the Heroic Dog Is Honored With a Statue After Helping in the Venezuelan Earthquake Rescue Efforts















「ツナミのパパが来た」って言うんです
あるある
「希望は4本足でやって来る」のフレーズで何故だかブワッと涙が出てきた…
津波を呼び寄せそう
災害救助犬の名前がツナミとかナンセンス。
大変なお仕事最後までお疲れ様でした
第二(第三かな)の犬生たっぷりゆっくり楽しんで健やかにパパさんと活動してね
チーム・ツナミのサイトを見ると、
災害救助犬として一生懸命働いていて、ニュース番組でも司会者に大人しく接しているし、
とても噛みつく犬とは思えないけどなあ。
>「噛みつくから」と庭につながれたまま、十分な世話を受けていなかった。
ビーンズさんとの出会いで、誰かの役に立つ仕事ができ、
自分の生活する環境と人に対する信頼心を取り戻したのかな。
いい話ですね。
ネコの銅像って聞かないよねえ、、?
「銅像 猫」で検索してみればいいのでは
渋谷にナナコ像があるぞい
石像だが
あの~……歩道の段差に肘をかけた姿で銅像になった猫がいなかったっけ?
どこの国だっけ……カラパイアにも記事があったような気がするけど記憶があやふやで申し訳ない。
前回の記事でも名前に対する苦言コメントがちらほらあって、オーナーさんが謝罪コメなさってたなあ。
申し訳ないなって思ったわ。
犬のオッドアイってあまり見たことが無いんだけど個性的で良いね
お疲れ様
この子ボーダーコリーだよね
こんな賢い犬種を「噛みつくから」という理由で、病気になるまで放置してたのか
大方、ろくに躾もしてなかったんだろう
最初の飼い主は、賢い犬に見合うだけの知性を備えてなかった、と
ツナミさん、長い間お疲れさまでした
どうかこの先は、嬉しい楽しいばかりの余生を送ってほしい
実は犬はみんなお利口なのだ
人間が犬の事を理解してないから
「この犬は馬鹿だ。凶暴だ」となるのだ
もっと犬の本能と考え方を知るべきなのだ