メインコンテンツにスキップ

かつての捨て犬が、災害救助犬として多くの人々を救う(ベネズエラ大地震)

記事の本文にスキップ

11件のコメントを見る

(著)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
Instagram@drpetvenezuela
Advertisement

 子犬のころ、飼い主に捨てられ、栄養失調状態で路上をさまよっていた1匹のボーダー・コリーがいた。

 ツナミと名付けられたこの犬は今、災害救助犬としてベネズエラの人々の命を救っている。

 2026年6月24日、立て続けに大地震が起き、ベネズエラでは多くの建物が倒れた人々が下敷きになった。

 ツナミは倒壊した建物の瓦礫の下から、少なくとも13人を見つけ出し、命をつないだのだ。

 この話はかつて人に捨てられ、人に救われた犬が、全力で人を救うドキュメンタリーである。

立て続けに2度起きた大地震でベネズエラの街が倒壊

 2026年6月24日の午後(現地時間)、南米のベネズエラ北部で、マグニチュード7.2の地震が起きた。

 その39秒後、ほぼ同じ場所でマグニチュード7.5の地震が立て続けに発生した。

 この地震は、首都カラカスと、その北側の海沿いにあるラ・グアイラ州に特に大きな被害をもたらした。

 多くの建物が倒れ、7月1日の時点で少なくとも1,943人が亡くなり、10,571人が負傷した。

 行方不明者は数万人にのぼり、瓦礫の下には今も助けを待つ人がいるとみられている。

 そんな中、災害救助犬として活動し、少なくとも13人の命を救ったツナミという名の犬が人々に一縷の希望をもたらしている。

この画像を大きなサイズで見る
Instagram@drpetvenezuel

災害救助犬として大活躍するツナミは元捨て犬だった

 ツナミはオスのボーダー・コリーで左右の目の色が違うオッドアイが魅力的な、現在は9歳の犬だ。今でこそ脚光を集めているが、彼にはつらい過去がある。

 2017年の終わり頃、まだ子犬だったツナミはカラカスの街で飼い主に捨てられ、置き去りにされたのだ。

 ひどい栄養失調状態で路上をさまよっていたところを、動物保護団体のAproaに保護されて一命をとりとめた。

 ボーダー・コリーはもともと羊の群れを追う牧羊犬で、知能が高く運動能力にすぐれている。

 Aproaはツナミが災害救助の仕事に向いていると考え、災害救助犬を育てる団体K-SAR ECIDの創始者である、ベーンス氏に連絡を取った。

 ベーンス氏は元消防士で、現在はみずからハンドラーとして犬とともに災害現場で活動している。

 施設でツナミを見た瞬間、その高い運動能力と賢さ、鋭い感覚に目をとめ、すぐに引き取った。

 その後数年間の訓練を経て、ツナミはベネズエラの内外で災害救助活動に加わるようになった。

 2023年にトルコとシリアを襲った大地震の被災地にも、ツナミはベーンス氏とともに派遣された。

 そして今回のベネズエラ大地震でも、ツナミは地震の直後から現場に入った。

 ツナミは瓦礫の下に埋もれた人の匂いを嗅ぎ分け、生命の反応をとらえると、その正確な位置を鳴き声や決まった姿勢で救助隊に伝え、多くの人々を救い続けている。

カラカスのビル倒壊現場で、60代の男性を救い出す

 ツナミの働きの中でも、特に知られているのが首都カラカスのサン・ベルナルディーノ地区での救助だ。

 8階建てのビルが倒れた現場で、ツナミは瓦礫の下に生命の反応をとらえ、同じ場所を繰り返し示した。

 救助隊はすぐに周囲を静かにさせ、慎重に瓦礫を掘り進めた。

 その結果、およそ6時間にわたって閉じ込められていた60代の男性が、無事に助け出された。

 この救助の様子はテレビやSNSで広く伝えられ、犬と救助隊が力を合わせて命をつなぐ姿が、多くの人に希望を与えた。

今回の活動を最後に引退するツナミ

 連日の救助活動で、ツナミは激しい疲労状態におちいった。

 獣医のアニバル・ウルタド氏によると、点滴と休養、健康管理を受けたツナミは、全体としては健康な状態を保っているという。

 当局は、今回の地震での活動を最後に、9歳のツナミが引退することを明らかにした。

 かつて人に見捨てられ、人に救われたツナミは、人を救う側にまわり、勇気と希望の象徴として次の世代へと受け継がれていくことだろう。

References: El sueño de Jorge Beens y Tsunami: consolidar un equipo canino de salvamento para Venezuela – Aproa / Tsunami, el perro rescatista que busca vidas entre los escombros en Venezuela

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 11件

コメントを書く

  1. ありがとう…わんこさんありがとう…

    • +16
  2. 素晴らしいワンコだなあ。
    名前については…まあ、犬の功績には関係ないことだし?

    • +10
  3. ツナミさん、長い間ありがとうございました
    まずはゆっくり身体を休めて下さい
    そしてこれからは、ウハウハの生活を満喫して下さいね

    • +11
  4. サザンのあの曲はそろそろ解禁にしてもいいんじゃない?

    • +4
  5. ワンちゃん、みんなを助けてくれてありがとうね

    • +10
  6. 大波って世界的に言えばカッコイイ素敵なイメージだから、その名前が日本的にどんだけ悲惨なイメージかはたぶん他の国には今後も理解してはもらえないんだろうな
    犬さん本犬は偉くてかっこいいよ

    • +6
  7. 凄くいい話だと思います!!!

    名前が不穏ですが・・・

    • +3
  8. ツナミの正装したプロフィール写真 可愛くてりりしくて健気で泣ける

    • 評価
  9. 「津波」は海底の地殻変動などによって引き起こされ海面そのものが隆起し、それが海岸に押し寄せて被害をもたらす災害。
    普通の「風浪」は風によって引き起こされるもので、「津波」とは本質的に別のものである。

    • 評価
  10. コンクリの瓦礫に本当に鉄筋が入ってなくて吃驚した。 ボーダーコリーの寿命って12~15歳か・・野良時代あるから引退してゆっくり余生送って欲しいな

    • 評価

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

知る

知るについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

動物・鳥類

動物・鳥類についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。