この画像を大きなサイズで見る福島県で保管されていた化石の正体が20年以上の時を経て、ついに判明した。
筑波大学と福島県立博物館の研究チームの調査によると、化石はイグアノドン類の胸骨であり、個体の全長はおよそ約3mと推定された。
その大きさは、これまで日本の後期白亜紀(約1億50万~6600万年前)の海の地層から見つかったイグアノドン類に比べて小柄だ。
今回の発見は、当時の東アジア沿岸で、体の大きさが異なるイグアノドン類が生息していたことを示す新たな証拠となった。
この研究成果は『Paleontological Research』誌(2026年7月6日付)に掲載された。
参考文献:
- 福島県の化石から、小型の植物食恐竜(イグアノドン類)の存在が明らかに | 生物・環境 - TSUKUBA JOURNAL
- A fossil of a small dinosaur from Fukushima prefecture reveals greater diversity in Japan's ancient coastal ecosystem | EurekAlert!
20年以上眠っていた骨の化石
1999年、福島県にある化石展示施設「いわき市アンモナイトセンター」の敷地内で骨の化石が1つ発見された。
同センターは、双葉層群足沢層大久川(おおびさがわ)部層という、約9000万から8800万年前ごろ、浅い海の底で積もった地層の上に建てられている。その層から、露出した状態の恐竜の骨の化石が1点見つかったのだ。
発見当時、その化石はハドロサウルス類の胸骨と暫定的に判断されるにとどまり、施設で保管され続けたが、発見からおよそ23年経った2022年、研究チームが本格的な分析に乗り出した。
「手斧型」の胸の骨からわかった正体
詳しい分析は、筑波大学生命環境系の田中康平准教授、同大学大学院地球科学学位プログラムの近藤征海氏、福島県立博物館の吉田純輝氏らの研究チームにより進められた。
この画像を大きなサイズで見るその過程で、骨の化石は、棒状の「柄」の部分と平らな「刃」の部分から成る「手斧型」と呼ばれる形に分類された。手斧型は恐竜類の中で、イグアノドン類かパキケファロサウルス類を示すものだという。
さらに複数の近縁種と骨の特徴を比較したところ、イグアノドンやハドロサウルス類を含む、進化型のイグアノドン類のグループである「棘胸骨類(きょくきょうこつるい)」に属することがわかった。
ただ今回見つかったのは右の胸骨1つだけと、手がかりが少なく、そのうちのどの種かまでは特定できなかったため、本研究では「属種不明の棘胸骨類」として扱われている。
むかわ竜よりずっと小さな全長3m
骨の大きさと、モンゴルで見つかった全身骨格がある近縁種との比較から、今回の個体の全長はおよそ3mと推定された。
日本の後期白亜紀の海の地層からは、これまで全長3mを超えるイグアノドン類の化石が報告されているが、今回の個体はかなり小型だ。
この画像を大きなサイズで見る今回の発見は、後期白亜紀の東アジア沿岸において、全長3m程度というこれまでより小柄なイグアノドン類が存在したことを示すものとなった。
ちなみに日本産の化石から見つかった恐竜といえば、国内最大級ともいわれるハドロサウルス科の「むかわ竜」(学名:カムイサウルス・ジャポニクス)」も話題になった。
この画像を大きなサイズで見る北海道むかわ町の後期白亜紀の地層から、全身骨格が発掘され、のちに新属新種に認定されたこの恐竜は、全長約8mもあり、今回の個体の2倍以上もある。
海の地層から見つかった恐竜の痕跡
恐竜の主な生息域は陸上だが、今回のイグアノドン類の化石の発見場所が、かつて海の底だった点にも注目だ。
これまで双葉層群からは、サメの仲間や、プレシオサウルス類という首が長い大型の海生爬虫類など、海洋生物の化石が多数見つかってきた。
実は後期白亜紀の前半(約9000万~8600万年前)の地層や化石は、世界的にも少なく、当時の東アジアの生態系や生物の進化を知るうえで貴重なものとなっている。
研究チームは今後、同じ双葉層群から見つかった魚類などの化石も入念に調べ、約9000万年前の福島の海周辺をもっと詳しく復元する予定だ。
イグアノドンのツノはなぜきえた? すがたをかえる恐竜たち
このPRリンクから注文に進んだ場合、販売サイトからカラパイアに紹介料が支払われることがあります。紹介料が発生した場合は、サイト運営の継続と記事制作の資金として活用いたします。
















