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3本指でこん棒のような尾を持つアンキロサウルス類の新種が北米で初めて発見される

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(著) (編集)

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新たに発見されたアンキロサウルス科のRuopodosaurus clavaの復元予想図
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 カナダで、かつて北アメリカ大陸に生息していた、先端が丸いこん棒のような尾を持つ恐竜、アンキロサウルス類(鎧竜類)の新種の足跡の化石が発見された。

 特徴的なのはこの足跡が「3本指」だったことだ。これまで「4本指」の足跡しか見つかっていなかった北米での初めての化石記録となる。

 「Ruopodosaurus clava(ルオポドサウルス・クラヴァ)」と名付けられた新種の発見は、これまで空白期間とされた1億~9400万年前の白亜紀中期において、アンキロサウルス科が北米大陸で健在だったことを伝えている。

北米初!3本指のアンキロサウルス類の足跡の化石

 ジュラ紀中期から白亜紀末期まで生息していた「アンキロサウルス類(鎧竜類)」は、がっしりとした4本脚と、戦車のように頑丈な装甲を特徴とする恐竜の仲間だ。

 このグループには、大きく分けて2つの系統が存在する。1つは「ノドサウルス科」で、しなやかな尾と4本指の足を特徴とする。

 もう1つがこん棒のような尻尾を特徴とする「アンキロサウルス科」で、こちらはノドサウルス科とは違い3本指である。

 今回、カナダのブリティッシュコロンビア州タンブラーリッジと、隣接するアルバータ州北西部の山岳地帯2か所で発見された足跡は、アンキロサウルス科の特徴である3本指だった。

 これまで北米で見つかっていたアンキロサウルス類の足跡は、指が4本のノドサウルス科のものばかりだった。

 王立ブリティッシュ・コロンビア博物館をはじめとするチームは、アンキロサウルス科のものとしては、北米初となる足跡の化石であると発表した。

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2024年8月、ルオポドサウルスの足跡の型を作るため、補強処理を行う研究者/CREDIT: RBCM

全長5~6mの新種、こん棒を持ったごつごつしたトカゲ

 発見された新種は「Ruopodosaurus clava(ルオポドサウルス・クラヴァ)」と命名された。「ルオポドサウルス」は「ごつごつした山のトカゲ」を意味し、発見場所である山岳地帯の地形にちなんでいる。「クラヴァ」はこん棒やメイスの意味で、この恐竜が尾に武器を持っていたことを示している。

 足跡だけは残してくれたルオポドサウルスだが、くわしい姿はよくわかっていない。だが全長5~6mほどの体は、スパイクと装甲で武装され、尻尾は硬直しているか、尾の先端に大きなこん棒状の骨塊ががあったと考えられるという。

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タンブラーリッジで発見されたルオポドサウルスの足跡/CREDIT: V. Arbour/C. Helm

“化石空白期”を埋める足跡の化石

 北米では約1億〜8,400万年前のアンキロサウルス科の骨格がほとんど見つかっておらず、「絶滅期説」すらあった。

 今回の足跡はその空白期に鎧竜が生存していた動かぬ証拠であり、同じアンキロサウルス類(鎧竜類)のノドサウルス科とアンキロサウルス科が共存していた事実も示す。

 山岳地帯に露出した白亜紀地層には未調査の足跡面が多数残っており、さらなる発見が期待されている。今後の調査で北米大陸に生息していた恐竜たちのことをより深く知ることができそうだ。

 この研究は『Journal of Vertebrate Paleontology』(2025年4月14日付)に掲載された。

References: Full article: A new thyreophoran ichnotaxon from British Columbia, Canada confirms the presence of ankylosaurid dinosaurs in the mid Cretaceous of North America / World’s first club-tailed dinosaur footprints found in Canada / Footprints of tail-clubbed armored dinosaurs

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この記事へのコメント 9件

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  1. 鎧竜、アルマジロ、サイ、カメなど
    装甲に極振りする系の動物は多くの系統・時代で存在するけど
    どれも個体数的には控え目なイメージがあるな
    カモノハシ竜とかウシ科みたいな大繁栄がし難い構造なんだろうか

    • +5
    1. 捕食されるリスクが低いのと装甲の形成に栄養分を消費するので繁殖に費やすエネルギーを抑えているのかも

      • +1
    2. サイやアルマジロが現代で控えめに見えるのは密漁・乱獲・生息地減少という、いつもの人間が原因によるものが大きい。サイ(白黒合わせて)なんかは1900年代初頭アフリカで50から70万頭いたとされているし。
      逆にカメは種類によるけど環境変化に強くて天敵がいない外来種なんか日本で大繁殖してる。結局は環境に左右されているのかも。

      なんて言ってても恐竜に関しては化石が少ないから何とも言えないんだよね。カラパイアでも以前に「恐竜は小惑星衝突前に本当に衰退していた?」というものがあったけど、記事中で化石の採掘ができる場所が限られていると言及していたし。

      • +9
  2. 尾で攻撃する特徴もった動物ってアンキロサウルスだけなのかなぁ?現代まで受け継がれてない?見た目からして生き残りそうな攻撃性な尾っぽなのに。

    • 評価
    1. 絶滅しちゃったけど、巨大アルマジロの
      ドエディクルスなんかはかなり近いと思う
      かなりレベルの高い収斂進化

      • +1
  3. 合衆国から恐竜化石が多産しているのは事実ですが実は空白期間も多く、しかも量・質共大きなバラつきがあります。まだまだ新属新種の恐竜が発見される筈。只、現状でさえ合衆国(最近では中国も)に発見と研究が偏重し過ぎているので、世界的に均質化した上で無いと恐竜研究に却ってマイナスになる面もあるかも知れません。

    • 評価
  4. 足跡化石ではありますが、同層準からはアンモナイトや魚の化石も産出している様です。海成砂岩と三角州堆積物らしく、どうやら海岸か河口部を歩行した跡と思われます。ボレアロペルタを始め多くの鎧竜やスケリドサウルスの化石は海成層と縁が深く、個人的には半水生ではないかと考えています。

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