
image by:Bob Nicholls / Paleocreations.com 2020
ブラジル北東部にある白亜紀の地層「クラト層」から発掘された「Ubirajara jubatus」は、ニワトリくらいの大きさのコンプソグナトゥス科の小型恐竜だ。その名の意味は「神の槍」――こんな大層な名が授けられたのは、肩から長い突起物が突き出ているからだ。
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目立つ肩の装飾はメスを魅了する為
長く針のような突起物は骨ではない。鱗でも毛でもない。鳥の羽毛やクチバシ、あるいは人間の毛髪と同じ「ケラチン」でできている。捕食者の目につきそうな派手な飾りをあえて発達せたのは、異性を魅了するためではないかと考えられている。こうのような異性をめぐる競争によって起きる進化を「性淘汰」という。
その格好の例は、現代のクジャクだ。クジャクのオスは外敵に目立ってしまうにもかかわらず、艶やかな扇のような飾りを発達させた。それはなぜだかメスに大いに好まれ、結果より多くの子孫を残せることになった。

発見されたUbirajara jubatusの化石標本 image by:sciencedirect.
Ubirajara jubatus(神の槍が生きていたのは1億1000万年以上も前のことだが、その肩の突起物もクジャクの羽飾りと似ていると考えられると、英ポーツマス大学のロバート・スミス氏は説明する。「進化の成功とは、ただ生き延びるだけではなく、遺伝子を次の世代に残すために美しくなるということでもあります。現生の鳥は凝った羽飾りをディスプレイしてパートナーを探すことで知られています。よくある事例は、クジャクの尻尾やオスの極楽鳥ですね。」
派手に飾って異性を魅了する鳥の傾向は、どうやらその祖先である恐竜から受け継いだということであるらしい。

image by:Bob Nicholls / Paleocreations.com 2020
背中にたてがみも
化石の性別を確実に判定することはできないが、発見されたUbirajara jubatusはその大きさから若いオスだと推測されている。また、背中にたてがみが生えているのも大きな特徴の1つだ。

image by:sciencedirect.
これは筋肉によって操ることができたと考えられており、普段は茂みの中を通っても引っかからないよう寝そべっているが、いざ危険が迫ると、ちょうどイヌやヤマアラシのように逆立てることができたかもしれない。同様に、肩の突起物も、外敵を威嚇するために使われた可能性があるとのことだ。
ラテンアメリカでは非鳥類型恐竜は非常にまれだ。Ubirajara jubatusはそうした意味でも貴重な化石であるそうだ。
この研究は『Cretaceous Research』(12月13日付)に掲載された。
References:New dinosaur showed descendants how to dress to impress | News | University of Portsmouth/ written by hiroching / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
こんな感じのポケモンが剣盾にいたなぁ
2. 匿名処理班
えーと、、。
かっ、かっけー!
3. 匿名処理班
部位破壊の対象
4. 匿名処理班
恐竜「何かんちがいしとる。槍が刺さっとるだけやで。」
5. 匿名処理班
性淘汰説を踏まえると「進化においては、究極的には個体の存続よりも遺伝子の継承の方が優先される」ということなのかもしれませんね。
6. 匿名処理班
捕食者に見付かる危険<伴侶ゲットか
子孫繁栄は命懸けだって事だ
7. 匿名処理班
トゲとトゲの間に膜とかが貼られてりしたら面白いのに
8. 匿名処理班
髪の槍だと?
彡 ⌒ ミ
(´・ω・`)
9. 匿名処理班
カーリー星人か?
10. 匿名処理班
>ラテンアメリカでは非鳥類型恐竜は非常にまれだ
これ、原文の、non-avian feathered dinosaursのfeatheredを無視して非鳥類型恐竜って訳してるみたいだけど、
non-avian feathered(鳥類以外の羽毛)
dinosaurs(恐竜)
なんだから、普通に羽毛恐竜で良いと思うけど
11. 匿名処理班
>>3
棘駒竜の秘棘
12. 匿名処理班
ヒャッハータイプかな
13. 匿名処理班
小雨にうたれながらジャンプ決めてる感じの
妙に気障なイメージ画像が気になる
14. 匿名処理班
和名は歌舞伎竜。
15. 匿名処理班
※8
やめろ。
16. 匿名処理班
想像図はあえてのジラースでお願いしたい
17. 匿名処理班
これはブレードライガー
18. 匿名処理班
刺さっとりますがな
19. 匿名処理班
フウチョウみたいに奇天烈な恐竜がもっといたのかもね
20. 匿名処理班
想像図はこれでいいのか。
ケラチンだから角的なものなんだよね?棒が刺さってるだけじゃなくて稼動したり比翼っぽく膜やひらひらしたもんがついてたりしないかなぁ。
21. 匿名処理班
バスターコレダーだな
22. 匿名処理班
コンピーってジュラシックパークのあの群れで襲う小さな恐竜の仲間なのか
ただケラチン質の棘が肩から生えている、にしても中途半端だな
まあ化石って生前の姿を完全再現するのは難しいけどさ
23. 匿名処理班
これさ棘の間に膜的なものがあったら西洋風のドラゴンに似るよね。
原始人の頃に少数生き残っててドラゴン伝承の元になったとか無いかな?
24. 匿名処理班
雨の中でスポットライトを浴びて、謎の躍動感w
どういうシチュエーションのイラスト?
このビジュアル系コンサートばりなのが
異性へのアピールなのか?w
25. 匿名処理班
バイオハンターシルバの肘トゲ思い出した
26. 匿名処理班
「槍」が無かったら一匹様ほどウチに欲すいわ かわええやん
(なおイラスト通りとは保証してはもらえん模様w)
27. 匿名処理班
きっと特大の羽だったんだろう・・・か?
28. 匿名処理班
13kmや
29. 匿名処理班
イメージ画像かっこよすぎワロタ
なんだその雨ww
30. 匿名処理班
※6
捕食者に見付かりやすくなる、見付かった時に逃げにくくなる等、
生存には不利な形質を発達させることで、
「そんな不利な条件を負っていても今まで生き延びてきている」
ということで優秀さをアピールする戦略を動物は取るものがいる、
という「ハンディキャップ理論」というものがある。
生地にも出ている孔雀がそうだし、他には例えばオランウータン
(オスの成獣には顔の周りに大きな襞状構造が発達する個体がいるが、
これが発達していると視界が狭くなる)
等がいる。
31. 匿名処理班
死せ 神殺槍
32. 匿名処理班
割り箸が刺さってるよ
33. 匿名処理班
モンハンだったらバキッて感じで真ん中あたりから折れそう。