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イギリスの森をさまよっていた謎の3匹の犬の正体がDNA検査で判明

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(著)

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Facebook / Preston Police
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 イギリスのランカシャー州にある森で、3匹のオオカミのようなイヌ科動物が発見された。

 2025年のハロウィン前夜という時期も重なり、「オオカミがいる!」と通報を受けた警察は「昨夜は満月ではなかったから、彼らがオオカミであるはずがない」と冗談を交えて発表し、当初は単なる迷い犬として扱われていた。

 しかし、保護団体が念のために実施したDNA検査によってその正体が明らかとなった。

 その検査結果は、彼らが野生のハイイロオオカミの血を50%以上も引き継ぐ「ウルフドッグ」であることを示していた。

 正確にはハイイロオオカミと、チェコスロバキアン・ウルフドッグの混血種だという。

イギリスの森にオオカミが出現?警察に通報が入る

 2025年10月30日の午後4時15分頃。イングランド北西部のランカシャー州プレストンの森の中で、オオカミにそっくりな3匹の動物がさまよっているとの通報が警察に入った。

 現場に駆けつけたプレストン警察の犬の訓練士たちは、ステーション・レーン付近でこれらの動物を保護し、安全な場所へと移送した。

 翌日のハロウィン当日、プレストン警察は、Facebookに保護した動物の写真を添えて、「昨夜は満月ではなかったからオオカミではない」というジョークと共に投稿した。

 警察はこれらの動物がジャーマン・シェパードの混血種であると判断し、自治体の動物管理サービス組織「ドッグ・ウォーデン・サービス(Dog Warden Service)」に引き継いだ。

 この時点では、誰もがこの一件を単なる迷い犬が保護された出来事だと思っていた。

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安楽死になる前に保護団体に救い出される

 自治体が管理・運営するドッグ・ウォーデン・サービスは、あくまで一時的な迷い犬の収容を目的としている。

 イギリスの規定では、保護から8日以内に飼い主が現れず、引き取り先も見つからない迷い犬は、安楽死の対象となってしまう。

 この危機を察知し、救いの手を差し伸べたのが、エキゾチック・アニマルの保護を専門とする「ウルブズ・オブ・ウィルトシャー(Wolves of Wiltshire)」だった。

 施設スタッフは他の救済団体と協力し、行政上の期限が切れる直前に3匹の子犬たちを救い出した。

 スタッフが3匹の行動を観察したところ、一般的な犬とは明らかに異なる野生特有の反応を見せたため、正確な血統を把握するべくDNA検査を実施することにした。。

 しかし、エキゾチック・アニマルの保護団体であるウルブズ・オブ・ウィルトシャー(Wolves of Wiltshire)が、これらの動物を引き取ったことで事態は一変する。

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Facebook / Wolves of Wiltshire

オオカミの血を色濃く残すウルフドッグであることが判明

 検査の結果、3匹のDNAは約50%近くが野生のハイイロオオカミであり、残りの半分強がチェコスロバキアン・ウルフドッグ(Czechoslovakian Vlcak)という犬種であることが判明した。

 チェコスロバキアン・ウルフドッグは、1950年代に当時のチェコスロバキア軍が、国境警備に適した軍用犬を作り出すために、ジャーマン・シェパードとカルパティアオオカミを交配させた軍事実験を起源とする犬種だ。

 今回の個体は、このウルフドッグにさらに野生のオオカミが直接交配して生まれた子であることを示している。

 もともとオオカミに近い犬種を親に持ち、さらにもう片方の親が野生のオオカミであったため、個体全体としてのオオカミの成分は、実質的に50%を大きく上回るものだった。

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チェコスロバキアン・ウルフドッグ Image by Istock Couperfield

イギリスでは絶滅したはずのオオカミと混血の理由

 イギリスでは1700年代に野生のオオカミが絶滅しており、野生下で自然にオオカミの血を引く子が生まれることは物理的にあり得ない。

 ではなぜ、オオカミとウルフドッグの混血種が森をさまよっていたのか?

 イギリスには危険野生動物法(Dangerous Wild Animals Act 1976)という法律があり、野生のオオカミやオオカミの血を引き継ぐハイブリッド個体を飼育するには厳格なライセンスが必要となる。

 専門家は、ライセンスを持たない人物が秘密裏に交配させたか、あるいは海外から密輸入された可能性が高いと指摘している。

 手に負えなくなった飼い主によって山中に捨てられたか、あるいは飼育場所から脱走したことが考えられるという。

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現在は施設でリハビリ中

 保護された子犬たちは、人間に対して極度の恐怖心を抱いているという。

 保護団体の報告によれば、子犬たちの本能は安らぎを求めることではなく、常に逃げ道を探すことに向けられているという。

 野生の血が濃いこれらのウルフドッグを一般家庭に譲渡することは、脱走や事故のリスクを考えると非常に危険だ。

 そのため現在は、他の落ち着いたウルフドッグたちと一緒に過ごさせながら、人間への信頼を取り戻すための長期的なリハビリを続けている。

 野生と飼い犬の狭間で生きる子犬たちが、いつか人間への不信感を拭い、穏やかに暮らせる日が来ることを願わずにはいられない。

References: Lep.co.uk

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この記事へのコメント 28件

コメントを書く

  1. 幸せになってくれ。おじさんの分もってっていいよ

    • +197
  2. イギリスのどこかに、まだ絶滅しきっていないオオカミがいた可能性

    • +64
    1. 見た目は殆どオオカミだけど目がイヌっぽい気がする
      オオカミの目ってもっと鋭くギラついてるイメージ

      • +41
  3. 欲望やら刹那の短慮でペット飼って台無しにする馬鹿どもが多すぎる。
    免許制にして厳しく規制したらいいのに。
    今でも国によっては健康的に飼育できる環境があるかどうかとか見るとこもあるんだろうけど拾ってきてとかこっそり密輸してとかだと野放しじゃんね。

    • +49
  4. 保護して8日で殺処分されるなんて、飼い主が探す暇もあまりない。例えば休暇中に誰かに預けて脱走とかあった場合、飼い主が戻って来たらもう殺処分されてたなんてこともある?急病で入院し帰って来たら。。とか。怖すぎる。

    • +68
    1. 日本は保護されてから7日間だそうです・・・

      • +20
  5. 体型や逞しい脚からなるシルエットはまさにオオカミだけど、顎やマズルはイエイヌに近いのね

    • +30
  6. 写真で見る限り、首から背中、そして腰にかけての毛が斜めに立ち上がっているのはオオカミの特徴。
    目が丸みを帯びたアーモンド型なのは犬の特徴的と分かる。

    そのミドルコンテントのウルフドッグ達が英国に表れた経緯は分からないけれど、いい環境を見つけて幸せになってくれたら。

    後、イタズラに無責任に飼育の難しい半野生生物を飼育、密輸入する人たちも減って欲しい。

    まだ子犬だと記事にはある。安全な場所を求めて彷徨い、人を恐れている。かわいそうだ。怯えすぎてヒトを噛んだりしたら、処分になってしまう。
    犬とオオカミの中間の大事な生き物達を粗末にしてはダメだ。

    • +55
  7. 保護されてからふさふさもっちりして三匹とも幸せそうなのがいい

    • +22
  8. もふもふもふもふもふもふ
    頑張って人慣れして大きく育ってくれ

    • +11
  9. 野生の狼の群れに所属している子供なら
    家族と一緒にいて人目に付く所に居ない筈
    子犬3匹だけが迷子になっていたという事は
    親犬・親狼と不自然に引き離された印象を受けるので
    非合法のブリーダーが捨てたんだろうな

    • +21
  10. イギリスは森にいるだけで野生動物をさっ処分する国なのか?
    今まで健康に生きて害がないのなら人間が捕まえる必要もない

    人間への不信感とかペット扱いにするなよ
    そもそも野生動物から人間への不信感を奪っちゃダメだろ
    自然との共存を全くわかってない

    • -25
    1. 野犬は十分すぎるくらい有害なんで殺処分がただしいです、そもそもヒトが捨てた犬は野生動物じゃないんでそこの履き違えで自然との共存とか言わないで欲しい

      • +18
  11. ユーリ・ノルシュテイン「話の話」に出てくるオオカミみたいで可愛い顔してる

    • +5
  12. こ、これは…まさかあのバスカビルハウンド、いやブラックドッグ!??

    かわいいなぁ〜

    • 評価
  13. イギリスでは1600年代にヒグマも根絶してるので
    日本でも出来そうですね

    • -11

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