おしっこにかかる時間はどれっくらい？「排尿21秒ルール」を知って健康状態を確認しよう

　あなたはいつも何秒くらいかけておしっこをしている？

　2015年にイグ・ノーベル賞を受賞した「排尿の法則」によれば、体重3キロ以上のほぼすべての哺乳類の平均排尿時間は21秒前後であることがわかった。

　ちなみに、日本人を対象にした研究でも、排尿時間は男性（20〜40代）、女性（20〜60代）ともに平均21秒前後であることがわかっており、長くても30秒以内。1回の尿量は200〜400ミリリットルだという。

　だが、もし21秒から極端に大きく外れるようなことがあれば、健康状態に問題が潜んでいるかもしれないという。

哺乳類のおしっこにかかる時間は平均21秒

　2015年度イグ・ノーベル物理学賞は、動物園の動物のおしっこを観察して「排尿の法則」を導き出したアメリカの研究者に送られた。

　この法則によると、体重3キロを超える哺乳類の場合、どんなに大きくても約21秒（±13秒）でおしっこが終わる。

　たとえ0.5キロの膀胱でも100キロの膀胱でも、不思議なことに用足しの時間は約21秒なのだ。犬や猫も、大型動物のゾウやシロクマも、そして人間も男女関係なく同様だというのだから面白い。

　その理由は尿道の長さと関係があるそうだ。尿道が長くなると、流体を流す重力が大きくなる。つまり尿道が長いほど、おしっこの流れる量が増えるのだ。そのためどんなに体が大きな動物でも、おしっこを出す時間にほとんど差はない。

　これは「パスカルの原理」に通じるものがある。。長く伸びた水密性の高いパイプを樽に差し込み、水を少量注ぎ込むだけで、その圧力によって樽は破壊されてしまう。

排尿21秒ルールを利用して健康状態をチェック

　これを利用することで、膀胱の健康診断をすることができる。まず自分のおしっこの時間を定期的にスマホやスマートウォッチのタイマーで計測してみよう。

　もしその平均時間が21秒より極端に長く（40秒以上が目安）かかってしまうのなら、常におしっこを我慢しすぎている可能性がある。

　学校や仕事などで、トイレになかなか行けなかったりすると、できるだけ我慢しようと思うかもしれない。しかし、それでは膀胱にストレスがかかり、肥大化したり、機能障害につながる恐れがある。

　21秒よりやたらと短いなら、過活動膀胱が疑われる。膀胱におしっこが溜まっていなくても、すぐにトイレに行きたくなってしまう症状だ。

おしっこの背後に潜む病気のサイン

　あるいはもっと大きな病気が隠されているサインかもしれない。

　すぐトイレに行きたくなる割にはあまりおしっこが出ないのなら、膀胱結石や膀胱炎の兆候かもしれない。

　反対になかなかおしっこが出きらないのなら、前立腺の問題が疑われる。

　歳をとるとおしっこの量は減ると言われているが、排尿にかかる時間も長くなるともいわれている。痛みや不快感など、気になることがあるのなら、早めに医師に相談するといいだろう。

References:The "Law Of Urination" And Why You Should Go By The "21 Second Rule" | IFLScience / written by hiroching / edited by parumo
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