【続報】アメリカで行方不明となっていたトラ、1週間後にようやく発見される

　先日アメリカで、「ペットのトラが住宅地で逃走、現在も行方不明」という仰天ニュースをお伝えしたばかりだが、そのトラが無傷で見つかったという続報が入った。

　トラは生後9カ月で、今月9日にテキサス州の住宅街でうろつく姿が目撃されたのち、殺人容疑のある保釈中の男性に連れ去られた後に行方不明になっていた。
　
　それからおよそ1週間後、この逃走事件は意外な形で解決した。住民の不安の種だったトラはやはり、連れ去った男性が飼い主だったようで、その妻により無事に引き渡されたという。 'India' the tiger seen in west Houston being moved to an animal sanctuary near Dallas

逃走事件から1週間。行方不明のトラが見つかる

　今月15日、テキサス州ヒューストン警察が行方不明になっていたベンガルトラを発見したと発表した。

　インディアは同月9日にヒューストンの住宅街を歩き回っている姿を最後に行方がわからなくなっていたが、幸いにも無傷で見つかった。

　このトラの名は「インディア」という。ヒューストン警察のツイッターでは、長きにわたる捜索を指揮したロン・ボルザ警視が保護されたインディアをなでながら「ついに発見しました。彼は健康です」と報告している。

HPD Major Offenders Commander Ron Borza is relieved “India” the 🐅 is now safe: https://t.co/3w2CZznKu9 pic.twitter.com/RiNviPFzq3

— Houston Police (@houstonpolice) May 16, 2021

飼い主は連れ去った男性だった、妻がトラを警察に引き渡す

　発見されたインディアはヒューストンのバーク動物保護施設で保護されていたが、まもなくテキサス州の動物保護区に運ばれる。

インディアを保護中のヒューストンのバーク動物保護施設 　そのインディアの飼い主だが、やはりインディアを車に乗せて逃走しようとしていたヴィクトル・ユーゴー・クエバスだった。

　トラを連れて警察から逃げた容疑で5月10日に逮捕されたクエバスは、自分は飼い主ではない、インディアはさまざまな人を介してどこかに行った、などと主張していたため捜索は難航を極めていた。

　ところがおよそ1週間後の15日、ボルザ警視がバーク動物保護施設に連絡したところ、事件は意外な形で幕引きとなる。

　施設に着いたボルザ警視に、クエバスの妻ジョルジアが自らインディアを引き渡してきたのだ。

　捜索中もインディアの居場所を知っていたと話すジョルジアナは、哺乳瓶でインディアに給餌しながら「これは夫のトラ」だと告白し、夫婦で9カ月ほど飼育していたと証言した。

インディアに餌をやるクエバスの妻ジョルジアとボルザ警視

ヒューストンでは虎の飼育は違法。警察が告訴を検討

　はからずも世間を震撼とさせた幼いトラが人を襲うことも無く、しかも無傷で見つかったことは喜ばしいことだったが、当局はこの件の告訴を検討している。

　なぜならヒューストンでは、動物園の飼育員など特殊な例を除きエキゾチックアニマルの飼育は禁じられているからだ。
　
　一方でクエバスの弁護士は、クエバスがインディアの出生証明などを持たないこと根拠に、所有者ではないと未だに主張を続けている。

ビクターは正式な飼い主ではなく、一緒に過ごす時間もわずかでした。でもペットを愛するようにインディアに愛情を注ぎ、こまめに世話していたんです

当分出れそうもない。保釈金上乗せで投獄中のクエバス

　クエバスは2017年に隣の郡で発生した銃がらみの死亡事件の容疑者で逮捕（本人は正当防衛を主張）された過去がある。

　今回、注目を集めたクエバスは保釈中とも報じられたが、実は逃走前日に保釈が取り消されていたそうだ。

　その後トラと一緒に逃げた罪で捕まったクエバスは、数日後の審問会を経て殺人容疑で再逮捕された。罪に罪を重ねたために保釈金を上乗せされて投獄されため、当分出れそうにないという。

すでに体重80キロ。保護区に移されるインディア

　クエバスの弁護士は、トラなどの私的所有を禁じる法がないテキサス州を引き合いに彼の無罪を訴えるが、ボルザ警視はそもそもトラを飼うべきではないと語る。

　なぜならトラ界では幼いインディアも体重はすでに80キロほど。彼が望む望まないにかかわらず「多くのダメージ」を与える可能性があり、体は大きくなる一方だからだ。

インディアは動物保護区に運ばれます。彼はとても安全な環境で残りの寿命を生きるでしょう。そう願っています

　今回の事件では、人々を守るため住宅街をうろつくインディアに銃を向け続けた保安官もいた。

　その保安官はのちに、クエバスが「殺さないでくれ！」と叫びながら家から飛び出し、インディアの首輪を引き寄せてその頭にキスをした後、家に連れ帰るところを見たと言っていた。

もうじきケージごとトレーラーで運ばれるようだ 　
　育ての親の都合によりペットとしての暮らしから一転、動物保護区に運ばれるインディア。今後の彼のトラ生がどうか幸せに満ちたものになりますように。

References: / twitter / twitter / youtubeなど /written by D/ edited by parumo
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