
現在、その残骸が水没した太平洋の海を、ハーバード大学の天文学者、アヴィ・ローブ氏を中心としたした研究チームが捜索を行っている。
2023年6月14日に始まったこの捜索は、深海用磁気スレッドを使って、海に落下した謎の500kgの物体「インターステラー・メテオ1(IM1)」の残骸を回収しようというものだ。
すでに、異様に磁気を帯びた小球、鋼鉄の破片、奇妙なワイヤ、火山灰の山などを発見しており、その期待が高まっている。
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海底に眠る地球外生命の痕跡を捜索する研究者たち
ハーバード大学の天文学者、アヴィ・ローブ氏は、研究チームと共に遠征船「シルバースター号」に乗り、パプアニューギニア沖160kmの上空で爆発し、海に落下した謎の物体の行方を海中で捜索中だ。「太平洋を調べることで、宇宙のほかの技術文明について学ぶことができる、唯一無二のチャンスだ」と語るローブ氏。
電磁そりを回収するとき、シルバースター号から周期的にうなるようなノイズが聞こえます。ローブ氏らのこの遠征航海は、「ガリレオプロジェクト」という。先週、ロレンガウの町からシルバースター号で出航し、6月29日まで、海底に残る「インターステラー・メテオ1(IM1)」の痕跡を探す計画だ。
大海原を前にして、電磁そりからのテクノシグニチャー(主に 地球外生命探査における発見目標の技術が、存在する証拠となりうる物体や現象のこと)を待っていると、そのノイズがまるで、ドラマチックなドラムロールのように聞こえてきます
シルバースター号は、予備サンプル分析用の機器を備えているが、今後数ヶ月間、より精密で高度な実験装置を用いて、この海洋での引き揚げ調査を行う予定だ。

2014年に地球の海に落下した巨大な隕石
この探索のきっかけになった火球は、2014年1月8日に、大気圏に突入してきた。世界中のセンサーネットワークを使って、地球外からの衝突を追跡しているNASAの地球近傍天
体研究センター(CNEOS)によって検出された。
数年後、ローブ氏と彼の教え子であるアミール・シラージ氏が、隕石の衝突時の高速度から、その起源が恒星間惑星のものであることを示していると結論づけた。
この仮説は、米国宇宙コマンドによって、機密センサーデータを使って最終的に支持された。
ローブ氏たちは、同じ方法を用いて、2017年3月9日にポルトガルの海岸から数百マイル沖合に衝突した、はるかに大きな恒星間隕石(IM2)である可能性が高いものを特定した
どちらの隕石も大気圏に突入したとき、時速11マイルを超えるものすごいスピードだった。さらにスピードだけでなく、これら物体はほかの宇宙の岩石よりもずっと頑丈だったようだ。

IM1はどこから来たのか?
このようにして、地球に落ちてくる恒星間隕石の発見は、かなり驚くべきことだが、ローブ氏は、この物体が宇宙起源である可能性を探りたいと考えていた。ローブ氏は、地球外生命の証拠を見つけることに重点を置いているため、近年、多くの論争を引き起こしている。
2017年に太陽系を通り抜けていった恒星間天体「オウムアムア」の奇妙な特性は、宇宙技術の起源によってもっともよく説明できるという仮説を主張したが、ほとんどの科学者は、オウムアムアは自然物体だとしている。
ローブ氏のような高名な科学者が公にする案件にしては、異様なほど強気なスタンスで臨んでいるため、それだけ彼はこの研究に情熱を注いでいる。
現在ロープ氏は、エイリアンの遺物が太陽系に比較的多く存在する、という自身の直観に従い、IM1の残骸が散らばったと思われる太平洋の辺境をマークしている。
「IM1の位置について、米国防総省が提供したエラーボックス(おおむねの存在位置を示す四角に区切った空の空間)全体を調べてみるつもりです」ローブ氏は語る。
「数日以内に、放水装置を使います。すべてがうまくいけば、破片の磁気特性にかかわりなく、背景にある砂や火山灰から、高密度の破片を分離することができるでしょう」
具体的には、IM1とIM2の物質的な強度が、それらが地球で爆発する前に遠い星からやってきた、エイリアン技術の証拠である可能性があると、ローブ氏は考えているが、その強さを示す超新星の破片の"弾丸"などの自然な説明も示唆している。
隕石の破片がはっきり検出されれば、前例のない星間天体を垣間見ることができるだけでなく、隕石が生まれた星系を示してくれるかもしれないと期待している。
調査遠征中、放射性同位体を使って、物質の年代測定をすることで、IM1がどこの星から来たのかを特定できることがわかりました。
IM1が太陽系に入ったときの方向と速度はわかっています。従って、その移動時間から出発点までの距離や方向を推測することができるのです
海の中から磁気を帯びた微小な小球体を発見
物体の小さな破片は、深さ1マイル以上の広大な海底に散らばっている可能性があるため、宇宙からやって来たこの訪問者を回収できる確率は、確かにかなり低い。それでも、ローブたちは、この一週間、電磁そりを海底に下して、隕石のものかもしれない磁気を帯びた粒子を探し続けた。
この探索は、起業家チャールズ・ホスキンソンを始めとする寄付によって、資金提供されている。
先日、ローブ氏は海底で採取された火山灰から、磁気を帯びた微小な小球体を発見し、これまでで最大の突破口を開いたと語った。
火球が金属球を降らせることは知られているため、探索チームは皆、まさに宇宙からの物質を発見できる期待にわいた。

この小球体の起源はわからないが、最初の組成分析からは、おもに鉄でできていて、微量のマグネシウムとチタンが含まれていて、ニッケルはなかったがわかった。
ローブ氏によれば、こうした組成の組み合わせは、人工合金、既知の小惑星、よく知られた天体物理学的ソースと比較すると異常だという。
私たちは、できるだけ多くの小球体を回収するために、IM1の墜落現場に戻っています。鋼鉄の破片や、奇妙なマンガンとプラチナのワイアも回収したが、これら発見物すべての起源を特定するには、まだ研究が必要で、時間がかかる。
十分な大きさのサンプルさえあれば、放射性元素の特徴をとらえ、サンプルの年代を特定できるガンマ線スペクトルを得ることができます
電磁そりの使用10回のうち、鉄の破片に遭遇したのは、6回目と7回目のみで、主要な船舶航路ではない、地理的にかなり隔絶した領域をたどっていました。
これら破片は、難破船のものである可能性は低いと思われます。その理由は、空間的な分布からすると、難破船のそれよりも大きく、ゴミやいたるところで見られるようなものではないからです
IM1からの塵粒子が、これまでに収集した膨大な量の黒色火薬の中に隠れている可能性もあります。最終的な科学的結果に関係なく、宇宙の星の宝探しは、多くの注目を集めている。ローブらのガリレオプロジェクトは、
これを見極めるために、回収された大量の粉末をガンマ線スペクトルメーターで分析し、火山灰から予想されるスペクトルに異常がないかどうかをチェックしています
ニューヨークのタイムズスクエアのメガスクリーンで、最新情報を継続的に配信していて、映画クルーも、将来、この遠征のドキュメンタリーを制作するために、シルバースター号を撮影している。
「私たちは、地球外の宇宙船の遺物の可能性を探して、乗り出したところです。とりあえず、IM1の物質がなにか見つかるまでは、シャンパンはおあずけです」ローブ氏は自身のブログに書いている。
References:We Have Discovered Spherules from the Path of the First Recognized Interstellar Meteor, IM1 | by Avi Loeb | Jun, 2023 | Medium / Scientists Are Hunting for Alien Objects in the Ocean, And They've Just Found Something / written by konohazuku / edited by / parumo
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コメント
1. 匿名処理班
続報楽しみ!
2. 匿名処理班
隕石を強調しているのに、「太平洋を調べることで、宇宙のほかの技術文明について学ぶことができる、唯一無二のチャンスだ」とか宇宙船とかよく分からない記事だな
3. 匿名処理班
時速11マイルって趣味で走ってるマラソンランナーの方が速いよね。
4. 匿名処理班
こういう記事ではいきなり否定から入るんじゃなくて、疑問・批判から入らなけれな…
「異様に磁気を帯びた小球」→鉄隕石が爆散したあとに再び固まったものでは?
「鋼鉄の破片」「奇妙なワイヤ」→パプア・ニューギニアだから第二次世界大戦時の残骸の可能性は?
「火山灰の山」→???誤訳?
「おもに鉄でできていて、微量のマグネシウムとチタンが含まれていて、ニッケルはなかった」→典型的な鉄隕石では?
「収集した膨大な量の黒色火薬」→???
恒星間かはわからないけど、よくある隕石だと思うけどなあ。
5. 匿名処理班
夢と科学に揺れ動く人の心を探してる♪
6. 匿名処理班
シルバ〜スタ〜の誇りも高くゥ〜ウウ〜♪
宇宙の平和を守り抜けェ〜エ〜♪
7. 匿名処理班
先日、米軍基地拠点がパプアニューギニアに
移りつつある。ってネットニュースで読んだんだけど、内容は中国を牽引する的な内容で日本があの大戦で使用していた場所や慰霊碑付近を新たに整備して…(軍活含む沖縄基地等の政治的内容だから詳細は控える)偶然かもしれないが、エリア51もあるわけだから軍も探査に関わってる?のかな?
8. 匿名処理班
>どちらの隕石も大気圏に突入したとき、時速11マイルを超えるものすごいスピードだった
それだと時速18キロくらいですが。桁が違うか秒速の間違いかな?
にしても、海に落ちた隕石が宇宙人製のものだったら、という発想は凄い想像力だ。
9. 匿名処理班
小球体って、これ多分ベアリングだよね・・・?
人工衛星の残骸か、落ちて来たのが隕石でもワイヤーとかは沈没船あたりに由来するものなんじゃないの?
10. 匿名処理班
再突入した人工衛星の破片とかじゃないか
11. 匿名処理班
ふんぐるい むぐるうなふ
12. 匿名処理班
飛来した生命体「ここから出られないんだ! 早く助けて、、、」
13. 匿名処理班
隕石を実際に手に取って分析する研究者は隕石科学、惑星物質科学、宇宙化学、鉱物学、宇宙生物学の専門家で、天文学者は天体の観測と計算が仕事だから隕石を入手しても専門外で扱いきれないと思うぞ
まじめな隕石学者なら隕石を通して太陽系の起源や惑星の進化や生命の起源に迫れると言うけど、地球外文明とか言い出すのは素人ではないかと思う
14. 匿名処理班
外国人の学者が「未確認の生物ではないか」と騒いでいた画像を日本人が見たらオ・ナホだった
という実例もあるので、「不可思議な物体」を発見したら、一度日本のオタクに見せたほうがいいかもしれない
15.
16. 匿名処理班
オリジナル記事に "more than 110,000 miles per hour "とある
17. 匿名処理班
>>11
海底を掘削したら血が吹き出すんですね分かります。