メインコンテンツにスキップ

世界初、AIが戦闘機を17時間にわたり完全無人操縦。さらには2機でドッグファイトも

記事の本文にスキップ

50件のコメントを見る

(著) (編集)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
Advertisement

 昨年末、米空軍の戦闘機が1機、17時間のテストフライトを終えた。それを操縦していたのは、なんと「人工知能(AI)」だ。

 ロッキード・マーティン社とカルスパン社が共同で開発した空のサイボーグは「VISTA X-62A」という。

 「Variable In-flight Simulation Test Aircraft(可変飛行シミュレーション試験機)」の頭文字をとったVISTAには、さまざまな機体の性能を模倣するソフトウェアが搭載され、無人で飛行することができる。

 カリフォルニア州エドワーズ空軍基地で行われた試験飛行では、2機のAI制御戦闘機でドッグファイトも行われたとのこと。

 現代の空軍が抱える新機体開発の問題の解消と、最先端人工知能の開発を同時に進める、一石二鳥のツールであるそうだ。

Artificial Intelligence Successfully Piloted The X-62A VISTA

現代の戦闘機における問題点

 現代の戦闘機の問題の1つは、その開発期間だ。

 第二次世界大戦の伝説的な戦闘機「スーパーマリン・スピットファイア」はわずか3年で完成したが、現代のステルス戦闘機「F-35 ライトニング II」は20年もかかっており、最初の機体が納入されるころにはすでに時代遅れになってしまった。

 くわえて、さまざまな機体を操縦できる優秀なテストパイロットを育てるのも手間と時間がかかる。

 特に現代の空軍は、戦闘機の開発・維持コストが膨大であることから規模が縮小傾向にあり、それがいっそうテストパイロット不足に拍車をかけている。

 可変飛行シミュレーション試験機「VISTA」はそうした問題を解決する最先端ツールとして期待されている。

この画像を大きなサイズで見る
F-35 ライトニング photo by iStock

AIが操縦する、最先端の自律制御システム

 VISTA X-62Aは、「F-16D Block 30 Peace Marble Il」をベースに「Block 40」の電子機器を組み込んだ機体だ。

 もともとの名称は「NF-16D」だったが、2021年6月に米空軍に正式に承認されたことから、「X-62A」と改名された。

 VISTAのシステムは、自律型飛行アルゴリズムの開発と統合を主眼としたものだ。

 そこに搭載される代表的なシステムとして、カルスパン社が開発した「VISTAシミュレーションシステム(VSS)」、ロッキード・マーティン社の「モデル追従アルゴリズム(MFA)」や「シミュレーション自律制御システム(SACS)」などが挙げられる。

 SACSの中枢にあるのは、通称「アインシュタイン・ボックス」と呼ばれる戦闘機用システムで、古いシステムを連携して全領域でデータを共有することができる。

 またコックピットの前方と後方には、最先端センサーとゲタック社製のタブレットディスプレイが搭載されている。

 こうしたシステムのおかげで、VISTA X-62Aはただ機体性能が上がっただけでなく、ソフトウェアの変更に対しても迅速かつ柔軟に対応することができるようになった。それは開発のスピードアップや試験飛行回数の増加につながるものだ。

この画像を大きなサイズで見る
image credit:DARPA

戦闘機とAI(人工知能)の開発を進める空軍

 このところ目覚ましい発展を遂げているAIは、国防にも関連すると言われる。もちろんVISTA X-62Aもただ戦闘機を開発するテスト機ではなく、AI開発も念頭に置いたものだ。

 「VISTAは、最先端の人工知能技術の開発と試験を、新しい無人機の設計と同時に進行させることができます」と、米空軍テストパイロット学校のクリストファー・コッティング博士は話す。

 つまりは新型機体を集中的に試験飛行しつつ、それを通じて無人機を操縦するAIまで鍛えられるということだ。それは米軍の戦闘機がいっそう恐ろしい性能を獲得するということだ

追記:(2023/02/19)タイトルを一部訂正して再送します。

References:
VISTA X-62 Advancing Autonomy and Changing the Face of Air Power
AI takes control of tactical aircraft for over 17 hours in world first
/ written by hiroching / edited by / parumo

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 50件

コメントを書く

  1. F-35が時代遅れ?それ本気で言ってるんですか?

    • -7
    1. >>1
      本気で言ってるようです
      ハードは間違いなく最先端技術ですが、AIを搭載してないソフトは全て旧型という位置付けのようです
      さらなる進化を続ける米軍は流石だと思います

      • +3
    2. >>1
      しゃーない記事原文が言ってるんだ
      多分「原型となる試作機」が出来上がってそれを様々なテストをしていくうちに掛かった時間20年、その時間経過の間に進む時代を言っているのかと

      • +1
  2. なにかあってもAIの誤動作で攻撃される可能性

    • +1
    1. >>3
      中国に開発されて配備される可能性

      • 評価
  3. 今でも運動性能の発達が人体の限界を足かせにしつつあるとすれば
    更なる向上をめざすならAIによる操縦はむしろクリアすべき課題だろね

    ネットワーク化運用も更に深化していくな
    後は自我の獲得を待つだけと

    • +4
  4. パイロットがいくら優秀でも17時間のドッグファイトには耐えられないよな。

    • +11
  5. Dog Fight 二匹の犬が互いの後ろを取ろうとぐるぐる回る様と、戦闘機同士が戦う様がそっくりなことから命名。
    Dogなのでドッ「グ」です。
    ドック(Dock)は港湾施設です。

    • +1
  6. まぁ、人間だと気圧だとかGとか限界があるしなぁ。もうコクピットが無人の時代になるのかなぁ?

    • +5
  7. 戦闘妖精「雪風」やん!あれだと最終的には人間搭乗員が足枷になるから追い出したりしてるよね。

    • +7
    1. >>10
      続編で、深井零と雪風は『複合生命体』とも言える緊迫した共生関係を築き、FAF、ジャム両陣営の中で特異な存在となります。『妖精を見るには妖精の目がいる』の様な時代を迎えたのでしょうかねぇ…。

      • +2
    2. >>10
      今4部まで出てさらに続編執筆してるよ

      • 評価
  8. 無人戦闘機は現実的

    それに引き換え有人火星探査にこだわるアホさ

    戦争こそが技術を発展させるゆえんである

    • -13
    1. >>11
      有人火星探査は探査だけなら既にロボットにさせてるけど最終的に火星に人間が住むための壮大な研究の一環なんだぞ?
      そのくらい知っておいた方がいいかと。

      • +1
  9. 中の人という枷を外したら、F-16でもそれ以降の強気な戦闘機に勝てるのかしら
    中の人などいないから空中給油続く限りメンテまで飛び続けられて、精密機器とは言え、多少振り回しにも強かったりしたら。
    自分で書いてて思ったけど、「人間のパイロットは食事も睡眠も排泄もする、そんなのはもう時代遅れになるんだよ」ってセリフが既にあったね。

    • 評価
  10. 1931 軍が仕様書発行
    1934 プロトタイプ
    1935 正式契約
    1936 初飛行
    1938 量産・運用開始
    スピットファイアが3年で完成したというのは正式契約からの期間。正式契約できるまで4年掛かってる。
    F-35で一番時間が掛かったのはソフトウェア開発だけど、2070年まで運用する計画です。

    • +1
  11. マクロスプラスのゴーストだね
    無人戦闘機が出て無敵の空軍がーとか
    あるんだけど実は無理、

    何でかと言うとAIやセンサー系を混乱・破壊する電子制圧系戦闘機なる物も開発されてるから要は偽の情報を与えてGPSなどを使え無くしたりジャミングによるCPUハードその物にダイレクト攻撃仕掛ける物も出てきてる要はイタチごっこだね。トップガン・マーベリックとかで有人の時代はもうすぐ終わるなんてあったけど、まず専門的に見て無い話。

    • 評価
    1. >>14
      ゴーストX-9懐かしいですね

      対無人機用にEMP攻撃が使われる未来もありそうですね

      • 評価
    2. >>14
      当の専門の人らが開発に携わってるのに一般人が専門的に見て無い話とはこれいかに

      • -3
    3. >>14
      現段階ですらミサイルを無効化するのにそうしたレーザーや電磁波をぶつけて直接ミサイルのシーカーやCPUを破壊する手段が登場しはじめてますし、敵の軍事ネットワークにハッキングして情報を抜き出したり、欺瞞情報を与えてネットワークを寸断させたりは基本だから少なくとも戦争の形態はそういう電子情報戦闘をメインにした形になっていくでしょうね
      ていうかそれ自体はAIが戦争をしようと人間が戦争をしようとどっちでも有効な手段だから
      AIがそうしたハッキングを含んだ電子戦に対し、友軍のネットワークから切り離されても自己判断で戦闘を継続したり、切り離された味方同士でネットワークを再構築し戦闘再開するようなスタンドアローン性を獲得しない限り、人間の知性とアナログな戦い方で高度な電子情報戦にメタを張るような戦い方はそう簡単には消滅しないでしょうな
      (20年以上前にはステルスの発展でレーダーは無意味になる、という予言があったが、完全に予言は外れたように)

      • 評価
  12. 補助素っ飛ばして行成りメインパイロットか
    考えてみれば車より人間同乗させてテストするの遥かに難しいわな

    • 評価
  13. ビスたけ・・・おまえなにやってんだよ?!

    • +1
  14. 軍事って最も人間が関わらなくていい分野だよな
    射撃や進軍や補給の何をとっても全て数学的に最適解を出し続ければいい分野なんだし

    • -4
  15. これが完成すると戦闘をレンタルできるようになるそうです

    • +1
  16. サイボーグではなくアンドロイドですよ
    ア ン ド ロ イ ド

    ……いやこれはロボットだろ

    • +2
  17. VISTAはあかん7に取って代わられる(笑
    とボケてみる

    まあ開発バージョンでいえばVISTAは6.0で7は6.1だけどなーw

    • +2
    1. >>29
      安いから退役したものとかを改造しちゃってるんじゃないかな。

      もともとターゲット用のドローン( QF-16 )としての実績もあるようですからその辺のノウハウもあると思います。
      参考→ ttps://trafficnews.jp/post/59970

      • 評価
  18. これが普及したら対抗手段として核兵器による広域EMPが正当化されそうで怖いよ

    • 評価
  19. ドッグファイトやれるところまできたか、人を超えるのはいつだろうな。シミュレーションでは人に勝っているが、現実はすべて計算通りに動くシミュレーションとわけが違う。レーシングカーではAIはまだプロドライバーに全く歯がたたんのだろ。

    • +1
  20. だからスカイネット作るのやめろっちゅうの

    • 評価
  21. 人間がレーダーとかの情報を計器越しに認識して判断するより、直接つながったAIがダイレクトに統合情報に基づいて判断する方が速く正確になると、肉体という枷が無い分AI制御の方が機体性能を使いこなせるんだろうなぁ。

    • +1
  22. まあ、命の危険なし、生命維持装置要らない。
    作戦時間も関係なし。
    つまり、今までと兵器設計が変わる。

    ミサイルにAI積む時代になるかもね、チャフもなんも役に立たないよ。

    f35も時代遅れですね。

    • 評価
    1. >>39
      そもそもAIもレーダーやセンサーなどで得られる情報を元に戦うのは変わりがないのだから
      そのレーダーやセンサーをチャフやフレアで欺瞞されるのはそのまま同じですけど…
      まさかAIならチャフやフレアは効かなくなるとかお思いで?

      • 評価
  23. 同じD型Block40でもイスラエル仕様みたいになってるな

    • 評価
  24. こんにちはフォルケン博士ゲームをしましょう

    • 評価
  25. パイロットがいないので急激なGの変化によるブラックアウトが無いのがいいよなぁ

    • +2
  26. エスコンの地獄の様な世界が待ってるかもしれんな

    • 評価
  27. うむ。
    ジャッジメントデイは着々と近づいているな。

    • 評価
  28. 今まで SF とされてきたモノが現実になるかもって思うとワクワクするね。
    その内、旧世代機のバージョンアップとして無人機化が選択肢として提示される時代がくるかも?そしたら軍のパイロットの競争率がちょっと上がるな。

    • 評価

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

サイエンス&テクノロジー

サイエンス&テクノロジーについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

知る

知るについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。