
『Cell Reports』(21年8月24日付)に掲載された研究では、太陽の光に含まれる紫外線が、性ホルモンの分泌と関係していることを明らかにしている。
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夏が性的欲求を刺激する謎
夏になると男性の「テストステロン」(男性の主要な性ホルモン)が増えることは以前から知られていた。これは、太陽の紫外線が性行動やホルモンの制御に関係しているのではと考えられている。一見無関係に思える太陽の光と性行動に関連があるのはなぜなのか? イスラエル、テルアビブ大学のカーミット・レヴィ教授らは、その詳しいメカニズムを探るべく次の3つの実験を行なった。
紫外線B波を浴びることで性的欲求が高まる
最初の実験では、マウスに「紫外線B波(UVB)」を浴びせて、その変化を観察した。紫外線B波とは、波長が320〜400ナノメートルの紫外線のことで、日光を浴びて日焼けしたり、肌が赤くなってしまう原因でもある。
その結果、メスのホルモン値が大幅に上昇して、卵巣が大きくなり、さらに発情期まで長くなることが確認されたという。
それだけでなく、オスとメスが惹かれ合い、どちらも交尾により積極的に応じるようにもなった。

photo by Pixabay
遺伝子に含まれるタンパク質が原因
次の実験では、「p53遺伝子」に含まれるタンパク質を皮膚から取り除いたうえで、先ほどと同じことが行われた。p53遺伝子のタンパク質は、日光を浴びたことで生じるDNAの損傷を察知すると、色素を沈着させて身を守ろうとする。この実験では、紫外線B波を浴びせても前回のようにマウスの性行動に変化は起きなかったという。
このことからレヴィ教授らは、紫外線を浴びたときにホルモンや性行動が変化するのは、p53遺伝子が関与し、紫外線から身を守るための防御メカニズムが関係していると推測している。

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男女とも恋愛感情が高まるが、男性は攻撃性が高まる
最後の実験では、今度は人間の男女(32名)に参加してもらい、紫外線B波を浴びた後で、恋愛感情や攻撃性といった気分がどのように変化したか回答してもらっている。そしてこちらでもマウスと同じように、男女ともに恋愛感情が高まった。だが、男性は攻撃性も高まることが明らかになったという。
また2日間日光を浴びなかった後で、25分ほど日光浴をしてもらったときでも同じような結果が観察されている。たとえば血液検査では、男性のテストステロンの増加が認められたそうだ。

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ロマンスの神様は夏の太陽
一夏の恋なんて言葉があるように、夏に開放的になる理由は太陽が関係していたのかもしれない。だとすると夏の太陽はロマンスの神様ってことだ。てことはナンパの成功確率は海水浴場の方があがるのかもしれないし、そうでもないのかもしれない。
References:Exposure to sunlight enhances romantic passio | EurekAlert! / written by hiroching / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
ガセだな。女性にモテるどころか、相手にすらされたこともないぞ。(光が足りないのか?)
2. 匿名処理班
広瀬香美の歌のほうがまず最初に浮かんだのは俺だけか
3. 匿名処理班
「夜のエースストライカー」という慣用句もあるように
エロスと夜とを結びつけるイメージがあるのはなぜだろう
4. 匿名処理班
※1
いつも逆光で見えねぇんだ。
または順光で見えすぎてる。
5. 匿名処理班
一夏の恋 スキー場の恋 そしてBBQでの喧嘩 みんな紫外線のせいだったのか
6. 匿名処理班
なるほど。夏は薄着になるから男女ともソッチも開放的になるかと思いきや、紫外線が関係してたんだ。
冬はゲレンデだと雪焼けするほど紫外線が反射するから、まぁそういうことなんだな
知らんけど
7. 匿名処理班
つまるところ危機的状況に置かれると子孫を残そうとする働きが、紫外線によるDNAの損傷でも引き起こされるって事?
8. 匿名処理班
コンサートで「ロマンス」歌うと
笑い声が起こるので封印したんだって。
※2
自ら変顔するのでチャンネル変えてる。
9. 匿名処理班
>>1
足りないんだよ。ドンキでライト買って増やすといいよ
10. 匿名処理班
夏はTUBEだから
11. 匿名処理班
太陽がもしもなかったら
ロマンスはたちまち凍りつく
12. 匿名処理班
現代人に草食系が多い理由だわ、なるほど
インドアが充実するほど草食系が増えるわけね
13. 匿名処理班
妖精たちが夏を刺激するナマ足魅惑のマーメイドやな
14. 匿名処理班
※9
顔に促進剤を塗って
マグネシウムで発光させてみる。
15. 匿名処理班
>>1
頭を光らせるのは愚行なんだって
16. 匿名処理班
初デートは炎天下で汗だくデートだ!
17. 匿名処理班
※7
どっちかっていうと、
単に「冬が明けて春夏になると発情期がくる」
⇒ 胎児発育スパートの秋に母体の栄養を蓄え、冬の閑期に出産
という陽光の長日サイクルに反応して起こる本能が、
人間にも残っているって感じじゃないかと。
ちなみに、現代の日本では月別出生数の差はほとんど無いけど
(学年の端境を意図的に避けてか3月が若干少ないが 微々たる差)、
戦前までは、1〜3月の出産(4〜6月くらいの種付け)が
あからさまに多く、5〜8月(8〜11月くらいの種付け)が少ない
と、明確な差がある。
最少は6月出産(夏が終わった直後の9月くらいの種付け)で、
1〜3月はその2倍ほどになる。
18. 匿名処理班
>>2
膨満感♫
19. 匿名処理班
※17
ただまぁ、戦前の月別の出生差は、発情期うんぬんというより
圧倒的多数の百姓層による農繁期・農閑期サイクルとの関連
が大きいのかも知れないけど。
(事実、高度成長期で工業労働者が増えると解消していく。)
遊牧民とか他の生活文化の国のデータを知らないから、
何とも言えない。
あと、戦前に1月生まれが圧倒的に多いのは、
本当にその月に生まれた子だけでなく、
単に戸籍上の出生届をキリ良く新年の日付で出した
という人が結構含まれているせいもあるんだとは思う。
(実際、10〜11月と1月の間の12月生まれは、不自然に減ってる。
ただ、とはいえ、12月の出生数も 夏生まれの底値よりは高い。)
20. 匿名処理班
※17
そんな統計があったのですね。調べもせずに夏に交尾したらヒトの妊娠周期から春〜初夏に生まれ(る動物は多いから、そういう風に想像しました)て、豊富な餌を得られるとか思って盛夏の紫外線を想像しましたわ。
その統計から考えるに、春の豊富な餌というほかの生物とはちょっと違う周期と考えると、それは餌の量ではなく、別の理由ネオテニーとか社会的な何かとか興味深いです
21. 匿名処理班
ロマンスの神様 この人でしょうか?
22. 匿名処理班
猫も日照率でサカリが左右されると聞いた。
やっぱり紫外線なのかな?
23.
24. 匿名処理班
スパイダースのサマーガールは正しいんだ
あと 真っ赤に燃えた♪ も
25. 匿名処理班
太陽は罪な奴だな
26. 匿名処理班
「それは太陽のせいだ」
27. 匿名処理班
相手がいないんだってば。
28. 匿名処理班
>>5
肉と魚は同じ場所で焼くなって言ったろーが!!
勝手に肉にタレをつけるんじゃないよ!俺は塩で食べたいんだよ!!
コラ!肉やソーセージばっか食わずに野菜も食え!野菜もっ!!
29. 匿名処理班
ロマンスの神様がやって来るより先に、熱中症の悪魔にとり憑かれ、救急車で運ばれた今年の夏……
30. 匿名処理班
※27
ぼくの相手は声かけてないだけで
地球上には39億人いるのさー。
31. 匿名処理班
>>30
どんなタイプでもOKなのか。博愛主義者だな。
32. 匿名処理班
>>26
カミュの「異邦人」かな?
33. 匿名処理班
イケナイ太陽