
唐辛子の辛さを測定するデバイスが登場 image by:ACS Applied Nano Materials 2020
テレビやネットでは激辛料理を食べるチャレンジ企画が数多く存在する。ドバドバと大量に唐辛子を入れ、真っ赤に染まったそれを、ムチャしながら完食目指して格闘している様子が映し出されているが、それってどれくらい辛いのか、見ている人には判断がしづらいものだ。辛さを感じる度合いは人によって違うし、色だけで判断できるものでもない。もっとわかりやすく辛さを表すことはできないのだろうか?
そんな時に便利なデバイスが登場したようだ。実際に料理に入っている唐辛子がどれくらいの辛さなのか、スマホに接続することで正確に測定できるという。持ち運びにも便利なサイズで日常的にも使いやすい。
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唐辛子の辛さ測定器「チリカ・ポッド」
唐辛子の辛さはカプサイシンの含有量で知ることができる。これを「スコヴィル値」と呼び、カプサイシンの濃度が高ければ高いほど、スコヴィル値が上がり辛いということだ。見た目も唐辛子の形をしている、その名も「チリカ・ポッド(Chilica-Pod)」というそのデバイスは、タイにあるプリンス・オブ・ソンクラー大学のワラコーン・リンブット准教授の研究グループによって開発された。
使い捨ての電子センサー部分に、窒素原子が塗布されたグラフェン(炭素C1原子層)ナノプレートが組み込まれている。
乾燥させた唐辛子のサンプルをエタノールの入った溶液に入れて振り混ぜ、それをセンサー部分につけると、唐辛子の成分であるカプサイシンが、グラフェンや窒素と混ざり合って酸化し電流が発生する。カプサイシンの濃度が高いほど、電流は大きくなる。
この電流の大きさを測ることによって、カプサイシンレベル、つまり辛さの度合いがわかる。結果は、専用アプリを起動しているスマホの画面に表示される。

image by:ACS Applied Nano Materials 2020
「チリカ・ポッド」でこれまで6種の唐辛子をテストしてみたが、研究室レベルの大型で高価な機械で測った数値とほぼ一致したという。つまりかなり正確な測定ができるということだ。「チリカ・ポッド」は、一般消費者、食料品店、レストラン経営者などでも使うことができるが、カプサイシンを含む医薬品の製造に使われる可能性もある。
カプサイシンは、脂肪を燃焼させ、鎮痛効果があり、糖尿病の血糖値スパイク(急激な乱高下)を防ぐことができるため、さまざまな需要が見込まれる。
この研究は『ACS Applied Nano Materials』誌に掲載された。
References:Chili-shaped device could reveal just how hot that pepper is - American Chemical Society/ written by konohazuku / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
辛さは測定できたところでメリットが全然無いような?
逆に甘さはダイエットの目標になるので役に立つと思う。
例えば測定用の先端が小さいスプーン状になっていて
糖度とかカロリーの計算が出来た方が需要あると思うんだが。
2. 匿名処理班
使う機会が思い浮かばない…
これを発展させて、甘味、酸味、塩味、苦味、うま味も全部数値化できたらちょっと欲しいかも
3. 匿名処理班
これで、うちで採れる唐辛子も辛さを測定できるのかな?
doodleのスコヴィルさん生誕ゲームはハードモードが難しかった
4. 匿名処理班
辛い料理ってギャンブル感あるからなぁ
自分がどこまで耐えられるかを数値化出来るのはいい
情報共有出来れば一発でお目当ての辛さの料理選べるし
5. 匿名処理班
そもそもスコヴィル値自体がジョークみたいなもんだから、ジョークグッズの域は出ないね…。
他の人も言ってる通り、他の値も計れればすごい画期的だと思う。ポケットに入る大きさだし、糖尿病予防とかに使える。
6. 匿名処理班
自分は、欲しい。この料理、このあいだより、全然辛くないじゃない…って言いたい。
7. 匿名処理班
辛い物好き系ブログとか書いてる人にはいいかもね。
今までは主観で☆いくつとかつけるしかなかったし。