誰も私たちを引き離すことはできない。身を寄せあって外の世界で生きていた犬と猫、紆余曲折を経てようやく保護される

　今月初め、アメリカのバージニア州で保護された犬と猫のペアのエピソードが話題になっている。この2匹は小さな体で互いに寄り添い、助け合いながら生きてきたようだ。

　発見者が1匹ずつ保護しようとするも「絶対に離れない！」とばかりに追い払おうとする。犬はとにかく猫を守りたかった。猫も犬から離れようとしない。

　だがこのままでは危険だ。発見者は保護施設の力を借り捕獲作戦に乗り出すも、これも失敗。最終的に動物管理局の力を借りてようやく保護できた。

　それほど犬と猫の絆は強く、お互い以外の誰も信用することができない状態だったのだ。 Dog and Cat Rescued Together and Won't Leave Each Other's Side

一緒じゃなきゃいや！！くっついて離れない2匹

　2匹はおよそ1ヵ月前、匿名の心優しい人に発見された。彼らは地元のサッカー場の簡易トイレのそばで身を寄せ合って丸くなっていた。

　行き場のない犬と猫に心を痛めた発見者は、彼らを保護するために1匹ずつ捕まえようとした。

　だが、2匹はそれを頑なに拒否。特に犬は「何人たりとも私たちを引き離すことはできない」と固い防御態勢に入り近づくことを許さない。

　シャイなボディーガード役の犬、その犬にぴったり寄り添う猫。とても硬い絆で結ばれた2匹の保護は簡単ではなかった。

ようやく一緒に保護されて病院に

　断念した発見者は、動物保護スタッフのアンジェラさんにバトンタッチ。彼女は2匹を一緒に救うため、娘と友人を連れて現場に急行した。

　実は2匹がいる場所は夜にコヨーテがうろつく危険な場所。3人はすぐにでも救助せねばと焦っていた。

　しかし、うずくまる2匹に近づくと、犬がうなり声を出して威嚇して仲良しの猫をひたすら守ろうとする。猫も犬にぴったり寄り添い、離れる気など全くなさげだった。

　固い絆で結ばれてる2匹は一心同体。あまりのガードに手が出せなくなった3人は今度は動物管理局に助けを求めた。

　そして今度こそ2匹は安全に保護された。局員はそのうえ獣医のところまで2匹を運んでくれたのだ。

　アンジェラさんはその時を振り返りこう語っている。

その犬は本当はとってもやさしい子で、おびえてただけでした。猫のほうは毛に問題があったので、親切な局員さんが救急動物病院まで運んでくれました

一緒に引き取ってくれる里親を探したい

　その後の調べで、彼らを探す届け出が提出されていないことがわかった。2匹は一旦同じ保護施設に移された。

　この施設では、異種の2匹を一緒に引き取る家がめったにないのを知っていたため、別々の里親に引き取られるのもやむを得ないと考えていたが、地元の動物保護団体Saver of Souls Pet Rescueが、彼らを引き受けたいと申し出てくれた。

　団体は仲の良い2匹を同じ家庭で暮らせるようにしたかったのだ。 　2匹を引き受けた団体スタッフは犬をゴメス、猫をモーティシアと名づけて里親探しの支度を始めている。今のところしつけも順調で、そのうちペアで募集のリストに載るという。

　施設での2匹は一つのさやに入ってる豆のように離れない。

　ゴメスはシャイでモーティシアだけに心を開き、モーティシアはいつもゴメスのそばにいる。彼らは朝から晩まで一緒に過ごし、同じベッドで眠る。 　2匹にどんな経緯があって、なぜ一緒にいたのか、スタッフにもわからない。でも、ここまでけなげに寄り添い続ける彼らを離れ離れにすることなど考えられないという。 　2匹の仲睦まじい姿に心奪われ、ペアのまま愛情を注ぐ家族が必ず現れると信じるスタッフ。バラバラにならずに保護された2匹がこれからもずっと一緒でいられますように。

References:lovemeowなど /written by D/ edited by parumo
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