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恐竜を絶滅させた小惑星、衝突時に発生した熱が地上を焼き尽くしていた可能性

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(著)

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Image by pixabay / nox_box
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 恐竜を絶滅させたのは、小惑星衝突そのものではなかった可能性がある。

 6600万年前、直径10kmほどの小惑星がメキシコのユカタン半島に衝突すると、地表から噴き上がった岩の粒が地球を取り巻き、やがて一斉に落ちてきた。

 落ちてくる粒が上空で強い熱を放ち、その熱を細かな塵がふさいだため、地上には人間が一瞬で焼け死ぬほどの高熱が降りそそいだ。

 アメリカのパデュー大学の研究チームによると、隠れる場所を持たなかった恐竜たちは、逃げる間もなく1〜2時間で息絶えたという。

 この研究成果は学術誌『JGR Biogeosciences』(7月28日付)に掲載された。

参考文献:

恐竜が滅亡した本当の理由は熱かもしれない

 恐竜が滅びた理由についてはこれまでいくつもの説が唱えられてきた。

 最も広く語られてきたのは、衝突で舞い上がった煤や塵が太陽の光をさえぎり、何年も続く寒い冬が地球を覆ったという説だ。

 ベルギー王立天文台などの研究チームが2023年に発表したシミュレーションでは、細かな塵が最長15年も大気に残り、地表の気温を最大15℃下げ、2年近く光合成を止めたという結果が出ている。

 植物が育たなくなって草食恐竜が飢え、肉食恐竜も後を追うように消えていったとされる。

 だが今回、アメリカのパデュー大学の研究チームは2026年7月28日、恐竜を殺したのは寒さではなく熱だったとする研究結果を報告した。 

地球を取り巻いた岩の粒が空を熱源に変えた

 6600万年前、直径10kmほどの小惑星がメキシコのユカタン半島に衝突し、1000km³を超える地表の岩を一瞬で蒸発させた。

 気体になった岩は上空へ噴き上がり、冷えながら0.25mmほどの小さなガラスの粒に固まった。

 粒は大気の外まで届いて地球をぐるりと取り巻き、やがて秒速数kmという猛烈な速さで各地の空へ落ちてきた。

 落ちてくる粒は空気とぶつかって減速し、摩擦で高温になった。流れ星が燃えるのと同じ現象が、地球中の空で一斉に起きたことになる。

 高温になった無数の粒が上空を埋め尽くし、地上に向かって強い赤外線を放った。

 恐竜を焼いたのは、粒が体に当たったからではなく、空一面が巨大な熱源に変わったからだった。

 これまでの計算では、地上はオーブンの上火であぶられる程度で、皮の薄い動物には危険でも、植物に火をつけるほどの強さはないとされていた。

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Image by Istock / serpeblu

細かな塵が熱のふたになっていた

 これまでの研究は、蒸発した岩の行方を最後まで追っていなかった。

 気体になった岩のすべてが粒に固まったわけではない。固まりきらずに残った分は、赤血球ほどの大きさしかない細かな塵となって、上空にとどまり続けた。

 寒い冬を招いたとされてきた塵が、その前に何をしていたのかを、パデュー大学の惑星科学者ブランドン・ジョンソン氏は調べ直した。

 上空をおおった塵の層は、鍋のふたと同じはたらきをした。粒が放った熱が宇宙へ逃げるのをさえぎり、行き場を失った熱を地上へ押し返したのである。

人間が焼け死ぬ強さの17倍の熱が降りそそいだ

 塵を計算に入れると、地上が受けた熱の強さはこれまでの3.5倍になった。

 火災の安全を調べる分野では、1m²あたり10kWの熱を150秒浴び続けると人間は全員死ぬとされている。白亜紀末の地上に降りそそいだ熱は、その17倍の強さだった。

 熱は太い木の幹に火をつけるほどではなかったが、草や松葉、岩に張りついた地衣類が燃え出す温度は軽く超えていた。

 乾いた植物が一斉に燃え上がり、火はやがて大きな山火事へ広がっていった。

 「最初の1〜2時間で、ほぼすべてを死なせてしまう領域に入っています」とジョンソン氏は述べた。

 身を隠す場所を持たない恐竜たちは、逃げる間もなく焼かれて息絶えたことになる。

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Image by Istock / Denis-Art

生き延びたのは身を隠せた動物だけだった

 衝突直後の高温地獄の中、生き延びることができたのは身を隠せた動物だけだった。熱をさえぎることができれば助かったのだ。

 土に潜っていた小さな哺乳類や、水の中にいた動物は、最初の1〜2時間をやり過ごすことができた。

 恐竜のなかにも、生き残ることができたものがいる。のちに鳥へとつながるグループは生き残ることができた。

 このグループには、穴に巣を作る種と水に潜る種がいたからだ。

 研究チームは、隠れる手段を持っていたグループだけが生き残ったのは偶然ではないと指摘する。ほかの恐竜たちは身を隠す方法を持たず、そのまま全滅した。

 地上を焼いた塵は、そのあと役割を変えた。

 何年にもわたって太陽の光をさえぎり、恐竜絶滅の原因として長く語られてきた寒い冬を引き起こしたのである。

 ジョンソン氏は、熱い飲み物も冷たい飲み物も同じように保つ魔法瓶にたとえている。塵は次に熱を閉じ込め、更に光を閉め出した。

 この説を裏づける痕跡は、今のところ北アメリカでしか見つかっていない。

 研究に加わっていないロンドン大学ユニバーシティ・カレッジの古生物学者アルフィオ・アレッサンドロ・キアレンツァ氏は、世界中で火事が起きた記録がいずれ見つかる可能性はあるが、現時点ではまだないと話している。

 恐竜が長い冬を待たずに息絶えたのかどうかは、今後の発見で明らかになることだろう。

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この記事へのコメント 38件

コメントを書く

  1. > 恐竜を絶滅させたのは、小惑星衝突そのものではなかった可能性がある。

    当たり前だ

    小惑星衝突のせいで地球が爆発したのではないのだから

    • -38
  2. そもそも惑星衝突で恐竜は滅びてなかったって言われてますよねw

    • -22
    1. まあ鳥や爬虫類が生き残ってるからね
      恐竜さん達もすぐには絶滅してなかったかも

      • +12
  3. 時々NHKスペシャル地球大進化の地球に直径400kmの隕石が衝突したらの動画を見返したくなる

    • +18
  4. 熱で死んだ生物も居れば「衝突の冬」や他の要因で死んだ生物も居る、
    というのが実状じゃないかと思う

    熱から逃げられたはずの水中の生物でもモササウルスや首長竜などの
    大型種は絶滅してるから食料不足の影響は少なからずありそう

    • +31
  5. 査読を経ているのだろうから、間違いはないのだろうけど
    噴き上げられた微小な粒子が空気と摩擦とか、降り注いで熱を上空から押し返すだとか、しかしそれは1~2時間程度だとか
    はっきり言って全く想像できない

    • +7
    1. 間違いはない、とまではいかないかな
      査読は手法が適切かとか結果から結論が妥当に導かれているかなど見るから査読なしの雑誌より信頼性は高いけど、これもまだ仮説の一つだよ

      • +8
  6. さすがに無理があるのでは・・・
    というか周りがオーブン状態ならたとえ身を隠す場所があったとしても体の小さな生き物の方が不利じゃない?

    • +2
    1. バーナーで除草することがあるが、石の陰にいる小さい虫は思った以上に生き残る

      • +8
  7. なんか穴が多そうな話だな
    なんで打ち上がったのが秒速数キロまで加速するんだ?
    大気圏外まで上がった時点で急速に熱は奪われるだろうし

    • -1
    1. 衝突の衝撃で大気圏外に舞い上がった破片が
      再び落下してくる際に重力加速度によって秒速数キロまで加速して
      その運動エネルギーが熱に変わるという話のよう

      • +3
  8. 今までの説どおり、粉塵が地球を覆い寒冷化による餓死が一番しっくりくるわ

    • +3
    1. この説だとアンモナイトの絶滅が説明できないしねえ

      • 評価
  9. あの時は大変じゃった、今の生き物は恵まれている。

    • 評価
  10. たかが石ころ一つ、ガンダムで押し出してやる!

    • -2
    1. これが正しければ
      「なんでこんなものを地球に落とす
       これでは、地球が寒くなって人が住めなくなる
       核の冬が来るぞ」
      というが成立しないんだよな
      アクシズ落としの時には核兵器をある程度の高度で爆発させる予定だったら、この話を人工的に起こすことになるし、1年戦争のコロニー落としもアニメ以上の被害が出るんだよな

      • +2
  11. 惑星規模で起きたなら世界中で同じような痕跡が残っているはず。これからの調査に期待だな。

    • +6
  12. 中型以上のハドロサウルス科で隕石衝突後50万年くらい子孫を残したのはいるから全部が全部燃えたわけではないけど、そこから盛り返すほどのポテンシャルはなかったんだろうね

    • +8
  13. 恐竜時代の二酸化炭素は0.1~0.4%(現在が0.04%)地球温暖化が二酸化炭素のせいだと言うならその時の熱で地球は高温状態を維持して無くては駄目なのでは?

    つまりどちらかが嘘を吐いている。まあ、地球の一部温暖化は太陽活動のせいだとは思いますがねwそもそも地球に一番影響のファクターを無視してるのが頭おかしい文系の馬鹿って感じですもんねwww

    • -22
    1. 太陽活動でどうやって今の温暖化を説明するの?

      • +6
    2. 新生代には大気中のCO2は無機反応や生物の光合成活動等で減少したので
      温室効果が弱まり気温が下がったとされてる
      現在は化石燃料の消費等で再びCO2等の温室効果ガスが増えてるので
      気温も上がってきてるという話

      • +5
    3. 恐竜時代の大気の平均気温は高かったけど
      地球も熱放射によって過剰な温度を外に排熱しているので
      物理法則以上の高温が維持されるのは無理です
      夢物語ではなくて、科学的見地で語ってくださいな

      • +1
  14. 地を裂き! 海を割り! 空をも焼きつくす!

    • +3
  15. コメ欄に必ずわく「俺は学者や他のやつより賢いんで」という自惚れ虚栄心マンは何があっても絶滅しなさそう

    • +15
    1. 好きな事について語り合いたいだけなのにそんな見方してんの?!
      いじわるやわぁ、、、

      • -7
  16. 地球規模でそうなってたなら、地質調査の試料コアで表れてるんじゃないの?
    焼けたかどうかまではわからない地層で、塵による寒冷化は推定できたけど、その前のオーブン状態はイメージできなかったってこと?

    • 評価
    1. それな
      K-Pg境界の資料は世界中にあるけど、炭化組織が出てるのは北米の一部だった気がする。もちろん現場近くは岩が溶ける灼熱の様相だけど。
      60〜80度のギリ生きられないぬるいオーブンだったら鉱物とかの記録には残らないで、動植物だけ絶えるのかな
      そして洞窟とかにも生えられるシダだけ生き延びたとか?(隕石の後ほぼシダだけの時代が世界的にある)

      • 評価
  17. 素朴なイメージだと、すべての恐竜が焼け死ぬくらいの熱が振り注いだなら地表近くの地中や水中も致命的な熱さになってたんじゃないかと思うよね
    身を隠せたから哺乳類や鳥が生き残れたといわれても、どうも想像し難い
    それよりは地形や緯度によって熱のダメージが少なくて局所的に生き残れた哺乳類や鳥がいたと言われたほうがイメージできる
    そもそも、そんな熱で地表が本当に焼き尽くされた証拠がまだ見つかってないわけだけど

    • +5
  18. 恐竜は結構ジョジョに滅びていったのだから隕石の衝突が直接の原因ではないとあれほど

    • -1
    1. 恐竜は長い時間をかけて徐々に減ったのではなく数週間から数年で急速に減ったって説が濃厚だけど?

      • 評価
  19. 論点がずれるかもしれんけど流れ星が燃える理由は大気との摩擦ではなく断熱圧縮だと思う

    • +1
    1. 現在成人になってる世代までは、流れ星の原因は空気の摩擦って教えられていたからしょうがないね
      空気の摩擦程度では放熱する方が大きくて温度は上がらないらしい
      でも記事の状況だと少しはプラスになるのかも

      • 評価

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