メインコンテンツにスキップ

恐竜を絶滅させたのは、木星の外側で形成された珍しい小惑星だった

記事の本文にスキップ

8件のコメントを見る

(著) (編集)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
Advertisement

 かつて地球を支配した恐竜は、直径10~14kmもある巨大な小惑星の衝突によって姿を消した。このほど、その小惑星がどこから来たのか突き止められたそうだ。

 当時の大量絶滅を今に伝えるK-Pg境界に残された元素の分析によるなら、チクシュルーブ小惑星は木星の外側で形成された「C型小惑星」と呼ばれるタイプだ。

 それはやがて小惑星帯にたどり着くが、ここで何かが起きて地球への落下コースに乗った。それが恐竜の命運を決めてしまったのだ。

巨大隕石が衝突した痕跡、チクシュルーブ・クレーター

 恐竜を滅ぼした小惑星は地球に大きな傷跡を残している。それはメキシコ、ユカタン半島北部にある「チクシュルーブ・クレーター」だ。

 浅瀬に衝突したチクシュルーブ小惑星は、膨大な粉塵を上空に吹き飛ばし、地球の気候は急激に寒冷化した。

 こうして長く厳しい冬が到来すると、植物は光合成を止め、食物連鎖が崩壊。ついには当時存在した種の7割以上が絶滅することなった。

 この大惨事を現代に伝える薄い堆積物層は「K-Pg境界」と呼ばれ、地球全体で見ることができる。そして、ここに破滅をもたらした小惑星の出自を知るヒントが隠されていた。

この画像を大きなサイズで見る
photo by iStock

小惑星は木星の外側で誕生した

 それは「ルテニウム」という元素だ。地球の地殻にはほとんど含まれておらず、それゆえにK-Pg境界にあるルテニウムのほぼ100%が、地球外から運ばれてきたと考えることができる。

 重要なのは、K-Pg境界のルテニウム同位体(同じ元素でも、中性子の数が異なるタイプのもの)が、地球各地で発見されている炭素たっぷりの隕石に含まれるものと似ていることだ。

 その一方で、内太陽系(地球より太陽に近い範囲)で形成された小惑星のものとは一致しない。

 ここから言えるのは、チクシュルーブ小惑星は、木星軌道の外側で形成された「C型小惑星」だろうということだ。

この画像を大きなサイズで見る
NASAの探査機NEARが1997年に撮影したC型小惑星「マティルド」。直径は61kmの巨大小惑星だ / image credit: NASA / JPL / JHUAPL

 恐竜を絶滅させた小惑星が、C型小惑星ではないかという仮説は以前からあった。だが、これまでルテニウムが分析されたことはない。と言うのも、ルテニウムは測定がきわめて難しいからだ。

 今回の研究の主執筆者マリオ・フィッシャー=ゲーデ氏が所属するケルン大学は、その超特殊な計測が行える世界でも片手で数えられるほどしかない珍しい場所だ。

小惑星同士の衝突によって蹴り出された

 太陽系が形成されると、C型小惑星の多くは、火星と木星の間にある小惑星帯に集まった。

 ここでチクシュルーブ小惑星に何かが起き、地球への落下コースに乗ったようだ。研究チームによれば、その何かとは小惑星同士の衝突である可能性が高いという。

 あるいは太陽の光によって部分的に加熱されたことでエネルギーが放出され、地球へ向かう推進力になった可能性もある。これを「ヤルコフスキー効果」という。

この画像を大きなサイズで見る
6600万年前に起きた小惑星同士の衝突によって、チクシュルーブ小惑星は地球への落下コースに乗ったのかもしれない / image credit:NASA / JPL-Caltech

 幸いなことに、恐竜を絶滅させたような小惑星が地球に衝突するのは、1億年に1度程度とそうそう起こることではない。

 しかも時折地球のそばを通過する危険な小惑星は、すでに90%以上が発見されている。それらが今世紀に衝突する可能性はほぼなく、次の1000年で衝突する可能性もかなり低いと推定されている。

 一方、直径140mクラスの小惑星なら、1万~2万年ごとに衝突している。もし起きれば、その地域が壊滅的な打撃を受けるのは確かだ。

 それでも比較的最近、NASAは地球に飛来する小惑星のコースをそらす実験に成功している。

 まだ改善の余地がある技術だが、いつか現実になるかもしれない危機から地球を守ってくれるはず。今はそう願おう。

 この研究『Science』(2024年8月15日付)に掲載された。

References: Scientists discover where the huge dinosaur-killing asteroid came from | Mashable / Dinosaur-killing asteroid was a rare rock from beyond Jupiter, new study reveals | Space

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 8件

コメントを書く

  1. 56億7千万年後の未来にマイトレーヤが人類を救済するそうだからその頃に超巨大隕石が地球衝突コースに突入するのでは無いかな?

    • -9
    1. >>2
      できれば太陽が赤色巨星になる前に来ていただきたいんですが……

      • 評価
      1. >>7
        銀河系誕生からだと、もう誰かが救われた後
        太陽系誕生からだと、あと10億年後ぐらい(なお5億年後ぐらいに地表の水は0になる)
        人類誕生からだと、地球上にぺんぺん草も生えていない時に来る

        もう少し早く救いに来てほしいところだな

        • 評価
  2. 誰も生きてなかった過去の出来事を、誰も行ったことの無いくらい遠い宇宙の小惑星の成分から突き止めるなんて、カガクってすげ~✨

    • +9
  3. 確か隕石落ちた時代のずっと後の時代の地層から恐竜の骨出てなかったっけ?

    何から何まで隕石で絶滅したわけじゃなさそうなんだよね。

    • 評価
    1. >>4
      数十万年程度の差は年代測定値の誤差範囲内(なんせ隕石自体が6000万年以上も昔なので)とみなされていたり、学会の主流派にはならないレベルの個人的な学説だったりで、決定的なのはないっぽい

      なんにせよ隕石衝突から10年100年の単位で一気に絶滅したわけじゃなく、衝突がもたらした大規模な気候変動が進行していったことで環境に適応できなくなった大型の爬虫類から徐々に絶滅していったのは間違いなさそうだし、小型で鳥類に近い恐竜ならかなりの間は粘った可能性もあるね
      ただジュラ紀や白亜紀で大繁殖した恐竜に比べて数は圧倒的に少ないだろうから、化石として発見される確率も相当に低そう

      • +2
  4. 「C型小惑星」のCはCarbonは炭素を意味している。
    炭素を多く含む小惑星という意味であり、はやぶさ2が探査したリュウグウも、このC型。

    • +1
  5. まっ、結局想像の一つに過ぎないんだけどね

    • -1

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

絶滅・絶滅危惧種生物

絶滅・絶滅危惧種生物についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

自然・廃墟・宇宙

自然・廃墟・宇宙についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。