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月の砂に地球外文明の痕跡、「ダイソン球」の残骸が眠っているかもしれない

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(著)

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Image credit:NASA
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 地球外知的生命体の痕跡を探して、人類は宇宙の彼方に目を向けてきた。だが、その答えは地球のすぐそばにある月に隠れているかもしれない。

 高度な地球外文明が恒星を丸ごと覆って建造したとされる仮説上の巨大人工構造物「ダイソン球」の残骸は、微細な塵となって銀河を漂流しているという。

 英オックスフォード大学の天文学者は、ダイソン球の残骸が、月面を覆うレゴリス(砂や岩石の破片の堆積層)に降り積もっている可能性を提唱した。

 宇宙人を探すならに、まずは月のレゴリスをふるいかけるべきだという。

 この研究成果は『arXiv』(2026年6月6日付)に査読前論文として掲載された。

参考文献:

宇宙人を探し続けても見つからない本当の理由

 宇宙の年齢は約138億年だ。その長大な時間の中で、地球だけが文明を持っているとは考えにくい。

 ある文明が栄えて滅び、別の文明が生まれるという出来事が、宇宙のあちこちで繰り返されてきた可能性がある。

地球でも人類の文明が始まってから約1万年、宇宙に向けて電波を発信し始めてからはまだ100年ほどしか経っていない。

 途方もない長さの宇宙の歴史の中で、地球と別の文明が通信できる時期がたまたま重なる確率は、極めて低いと考えられる。

 お互いが通信できる時期が同時に重なる確率は、天文学的に低いのだ。

 オックスフォード大学の理論天文学者ブライアン・ラカキ氏は、地球外文明の電波を待ち続けるより、はるか昔に滅んだであろう文明が残した物質的な痕跡を探す方がはるかに合理的だと考えた。

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Image by Istock / IgorGeiger

高度文明が作るダイソン球は滅亡後に塵となって銀河を漂う

 では、滅んだ文明の痕跡とは何か。ラカキ氏は、ダイソン球に着目した。

 ダイソン球は、1960年にアメリカの物理学者フリーマン・ダイソン氏が提唱した、高度な地球外知的文明が作り上げたとされる仮説上の人工構造物だ。

 恒星の発生するエネルギーすべての利用を可能とする宇宙コロニーの究極の姿と定義され、いくつか種類があると考えられている。念押しするが、あくまでもあ仮説上の構造物だ。

 恒星を完全に卵の殻のように球体で覆うもの、無数の太陽光パネルや衛星が恒星の周りを周回しながらエネルギーを集めるダイソン群、恒星からの光の圧力と重力がつり合う位置に鏡やパネルを静止させるダイソン・バブルなどがある。

  ラカキ氏が特に注目したのはダイソン群だ。

 無数の太陽光パネルや衛星が恒星の周りを周回するこの構造は、それらが互いに衝突しないよう軌道を常に管理し続ける必要がある。

 何らかの理由でその管理が途絶えると、重力に引き寄せられたパネルや衛星が衝突し始め、衝突が衝突を呼ぶ連鎖反応が起きる。

 最終的にはミクロンサイズの微細な塵へと粉砕される。ラカキ氏はこの塵を「テクノグレイン(Technograin)」と名付けた。

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ダイソン球の概念的イメージ図 Image by Istock /dottedhippo

ダイソン球の塵が月に億年単位で積もっている可能性

 太陽系は銀河の中心を約2億年かけて一周しており、その軌道上でテクノグレインが漂う星間物質の中を定期的に通過する可能性がある。

 そのとき、ごくわずかな量のテクノグレインが太陽系内に流れ込む。

 もしテクノグレインが存在するなら、それは月面を覆うレゴリス(砂や岩石の破片の堆積層)に降り積もると、ラカキ氏は考えた。

 月には大気がなく、地球のような地殻変動や侵食もない。

 一度レゴリスに堆積した物質は、何十億年も月にそのまま保存される。 

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月の表面 Image credit:NASA

 月のレゴリスは、宇宙のあらゆる時代の物質を蓄積し続けてきた巨大な記録庫と考えられる。

 ラカキ氏の仮説が正しければ、月のレゴリスをふるいにかけて人工的な起源を持つ微細な塵を検出することで、地球外知的文明の存在を示す最初の証拠につながるかもしれない。

まとめ

この研究で提唱された説

  • 高度な地球外知的文明が作ったとされるダイソン球は、文明滅亡後に管理が途絶えると塵になる
  • その塵は太陽風で銀河中に広がり、月のレゴリスに億年単位で積もる可能性がある
  • 宇宙人の証拠は月のレゴリスを丹念に調査分析することで見つかるかもしれない

・まだわかっていないこと(今後の課題)

  • ダイソン球を作れるほどの高度な文明が実際に存在したかどうかは不明
  • ダイソン球の残骸である「テクノグレイン」が月のレゴリスに実際に存在するかどうかはまだ確認されていない
  • テクノグレインが自然の塵と区別できるかどうかもわからない

References: doi.org/10.48550/arXiv.2606.08373

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この記事へのコメント 31件

コメントを書く

  1. 見つかったら見つかったで怖いですよね。
    ダイソン球作れる文明でも滅びるということですから。
    それはつまりそれすら作れない我々が生き残ることは無理だという残酷な宣告なわけでして。

    • +21
    1. そりゃそう、というか今のこの人間の文明が未来永劫続くと心から信じてる人なんているのかな。
      数百年後か数千年後か数万年後か、いつか必ず終わりは来るだろうけど、どうせ自分の生きてる間ではないだろうしって感じで深く考えてない人がほとんどじゃない?

      • +24
    2. 建造中や経年劣化等のため更新する際に一部のユニットが軌道を外れてロストしたり
      技術が超絶発達して不要になり放棄されたりという可能性もなくはない…?

      ただまあ荒唐無稽な仮定に仮定を重ねた議論って感じはする

      • +16
    3. ダイソン球ってそれ自体がブレイクスルーになるから、建造できる文明にとって近隣星系なら植民可能かすでに支配圏じゃない?
      滅亡したんじゃなくて単に放棄されたと考えたほうが夢がある

      • +25
  2. ダイソン球を作れる(エネルギー問題を解決している)ほどの文明が滅びるとなると、自立した超高性能AIやクトゥルフ、フラッドのようなコズミックホラー的脅威が銀河系に存在している可能性が

    • +8
  3. 破壊され遺棄されたダイソン兵器もあるんだろうと思う
    しかしどこかの宇宙文明は派手なPRダイソン広告を作ってそうなものだけどな
    全文明の起源を主張する究極の迷惑PR広告が! 
    ガッカリだなー

    • +2
  4. 何千年、何万年進化した文明を想像するのは難しい。
    ダイソン球を作れるくらいの文明は、
    「こんなもん作るのは簡単だけど、超次元連結システムのほうが効率がいい」
    なんて考えてるかもしれない

    • +15
  5. コロナの数千万度を耐える素材がばらける?
    しかも恒星を覆うのだから一つ一つの大きさは、地球より大きい(長径が地球の直径より長い)だろう
    それが月のレゴリスに紛れるほど細かくなるかな?
    もっと想像も出きないもので作られていたと思うよ

    • +8
  6. ダイソン球はともかくとして、そこら辺を飛んでいる宇宙人が結構居るんなら、宇宙人由来の人工物の破片は、月やら火星やらにあってもおかしくないよな。

    • +14
  7. 考古学の発掘では、遺物から取り除いた土や泥も全部保管する。
    後年、技術の進歩でそこから何か発見があるかもしれないから。
    そういう意味で、今は見つけられなくても、可能性を広げるこういう発想があっても良いね。

    • +10
  8. 本当に過去に地球外生命体がいたのなら、ダイソン球どころか生命の痕跡自体が残っててもおかしくないんだよな
    特にパンスペルミア説が本当なら月面にも落ちてるはず

    • +6
  9. 現時点で地球の資源を宇宙に垂れ流しているのに今後ダイソン球作れるのかね?

    • -4
    1. 「地球の資源だけでつくる」と考える方が勘違い
      重力下から打ち上げるのも非効率
      だから材料は小惑星などを砕いた方が早い

      • +8
      1. ダイソン球の記事が出ると、しばしばコメント欄で言及される「大アトゥーム計画」は、1980年のTVアニメ『銀河旋風ブライガー』が元ネタです。

        これは、1975年にイギリスで出版された未来予測本『一万年後』のダイソン球建設構想を論拠にした話で、自身の超巨大質量、超重力によって完全に固体化していると当時、考えられていた木星のコアを木星もろとも砕くことによって、木星の存在自体により死蔵されていた地球30個分にもなる資源を太陽系全域に撒き散らす事によって、各々惑星、小惑星サイズにもなるその破片を適所に配置する事によってまずはダイソン球の外殻を準備。
        ついで、それらを各々、向こう3千年にも及ぶと見積られた、「他の恒星系に手が出ない」間、ちまちま開発する事によって、その間の資源と、住処を確保する。
        というプロジェクトでした。

        基本的に、ダイソン球のプロジェクトでは、何処かの惑星が潰されます。

        • +3
        1. リングワールド(byラリイ・ニーヴン)的なものなら簡易版ダイソン球殻としてたくさん作られてたりしないかな
          まあそっちでも岩石惑星の二つや三つは使い切らないと材料が足りないだろうけど

          • +2
          1. ダイソンさんが提唱した”ダイソン球”は基本星全体を覆わない
            どちらにしても資源がたくさん必要なのは変わらないけど

            • 評価
  10. 宇宙人がいると仮定しても地球に長い旅を経て来るとは無いんじゃないかな。
    UFOとか物好きな宇宙人は着てるかもしれないが、人間という種族が互いに殺し合う野蛮な奴等と見えて危なっかしくて交流しないと思ってる。

    • +5
  11. そもそも文明が発展したらダイソン球を作り出すだの恒星のエネルギーを利用するだのが妄想レベルの話じゃないのか?
    妄想に妄想を重ねても得られるものは少ない

    • -2
    1. そうだよ。
      ただ文明が、一人の個人が消費するエネルギー総量は増えていることだけは”事実”で現時点でもどんどん右肩上がりに増加している
      その文明の発展とともに肥大する消費エネルギーを賄うため、生産するための手段として考えられている方法の一つの頂点がダイソン球ってだけ
      もちろん何らかの方法で消費電力を減らす手段はありえるが、減らした分だけ消費を増やしているのも現時点では事実なんで…

      まぁ。人類400万年の歴史のうち、人類が生産したエネルギー量の60%以上が産業革命後の200年程度と言われているので、これからもどんどん消費していくよ

      • +2
  12. ダンソン球の残骸が恒星の重力を振り切り、銀河の公転的な運動に逆らって進めるにしても、
    破片が各々違う方向に拡散してるだろうから太陽に来るヤツも凄く僅かなのではないか

    • +2
  13. タイトル見たときは無理だろ、と思ったけど、割とありえそうな説だと思いました。二億年で一周するわけだから、月はもう20回以上も銀河を周回している。ダイソンとまではいかなくても他の星系の探査機の残骸が落ちてても不思議ではない。

    • +7
  14. 今まで採取されてきた月のレゴリスから、ダイソン球の残骸が見つかった。
    とか言う話だったのなら面白かったんですがね、あくまで可能性の話ですか。

    • +1
  15. そもそもダイソン仮説自身が当時と現在の人類から導かれた仮説なんで…
    極論すると蟻が鳥の生活を仮定するようなもん
    その仮説に仮説ピラミッドは微レ存レベルな話

    • +4
  16. 仮にテクノグレインが残滓として残るという仮説が正しかったとしても、ダイソン群が構築された星系から拡散していくなら、よほど地球に近い星にないと、検出可能なほどの量が降ったりはしないんじゃないだろうか。

    • +1
  17. 今の人類のエネルギー消費増加率からすると、あと1000年以内にダイソン球を設置できないとエネルギーが足りなくなります
    (30年で2倍のペース)
    なお、現在地球上で利用可能なエネルギーは数百年以内に使い尽くします

    うん?はい、そうです
    既に詰んでいます
    そもそもあと1000年も人類持たない

    • +3
    1. 上のコメ欄でもあるように、他の惑星、小惑星をエネルギー源にすればいいんじゃない?
      別に地球内で全部賄わなくてもさ。

      • +2
  18. 恒星を覆えるほどの建築力があった文明の痕跡
    ゾクゾクする

    • +1
  19. これもヒントの1つかもね。
    宇宙人が古くから地球上層部と交流があると見ていいでしょう。

    • +1

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