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雨が降るとキノコはおしゃべりになる。電気シグナルを介して仲間や木々とコミュニケーション

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(著) (編集)

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 キノコは有機物を分解し、土壌に無機物を供給し、植物の育成を行ってくれることから「森の分解者」と呼ばれているが、そのうち「森の伝達者」とも呼ばれるようになるかもしれない。

 なぜならキノコは、地下に張り巡らされた広大なネットワークを駆使して、仲間や木々と電気的なシグナルでコミュニケーションを交わしているらしいからだ。

 最新の研究によれば、それも雨が降ると俄然おしゃべりになることが判明したそうだ。

 このほど東北大学や京都大学などの研究チームは、森に生える「オオキツネタケ」を調べて、雨が降ると電気シグナルが増幅することを確認している。

 気になるキノコはどんなおしゃべりをしているのか、ちょっと聞き耳を立ててみよう。

キノコは仲間や木々と会話をしている?

 キノコ(菌類)は落ち葉や枯れ木、生物の死骸や排出物を分解して、その栄養を土に還すことから”森の分解者”と呼ばれている。

 だが彼らが森の中で果たす役割はそれだけではない。

 たとえば、「外菌根(がいきんこん)」と呼ばれるタイプの菌類は、木々の根の表面を鞘(菌鞘)のようなものでおおい、そこから菌糸体の広大な地下ネットワークを張り巡らせる。そして土から栄養を吸収すると、このネットワークを通じて木々にそれを与えるのだ。

 さらに、この菌糸ネットワークを介して電気シグナルを送ることで、キノコ同士や木々とおしゃべりしている可能性もある。

 それによって、成長などを調整したり、栄養を輸送したりしていると考えられるのだ。

 だが、こうしたキノコの電気的おしゃべりについての研究は、ほとんどが実験室という人工的な環境でおこなわれたもので、森の中で本当は何が起きているのかわかっていない。

 そこで東北大学や京都大学などの研究チームは、森の中でささやかれるキノコのおしゃべりに聞き耳を立ててみることにしたのだ。

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雨が降ると電気シグナルが増加

 『Fungal Ecology』(2023年3月13日付)で報告された研究で調べられたのは、「オオキツネタケ(Laccaria bicolor)」というキツネ色のキノコだ。

 ブナ林やマツ林などでよく見られるキノコで、動物のトイレや死体の周辺に生えるという変わった生態で知られている。

 研究チームは、森の中で見つけたこのキノコ6本に電極を取り付け、その電気シグナルを調べてみた。

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キノコに電極を取り付けて電気シグナルを調査 / image credit:Yu Fukasawa

 すると、雨が降るとそれが増加することがわかったのだ。

最初はキノコの電位が低かったのですが、雨が降ると電位が変動し、100mVを超えることもありました(東北大学農学部 深澤遊助教)

 こうした電気の変動と降水量・気温との関係を調べたところ、雨が降った後の電位になるとキノコ同士でシグナル伝達をしていることがわかったという。

 それは近くにあるキノコ同士で特に強く、方向性がある(キノコへと向けられている)ことが確認されたそうだ。

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電気シグナルは近くのキノコへ伝達されている / image credit:Yu Fukasaw

 気になるキノコのおしゃべりの内容だが今のところはわからない。だが、キノコは50の単語で会話し、意識や記憶があるとする研究まである。

 今度キノコを見かけたら、耳を傾けてみよう。もしかしたら聞き取れないほどの小さな声で、あなたにも語りかけてくれるかもしれない。

References:Mushrooms and their post-rain, electrical conversations / written by hiroching / edited by / parumo

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この記事へのコメント 21件

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  1. 🍄「みんな気を付けて…人間は…俺たちに電k….」

    • +10
    1. >>2
      竹は竹で地下で全部つながってて山一帯が一個体とかいう植物版キノコみてーな存在だからな…
      きのたけ戦争は似た者同士の争いだった…?

      • +7
  2. キノコちゃん「……………っ…」
    ワイ「……? 気のせいかな?」

    キノコ「……き…………っ」
    (ワイ、耳を傾ける)
    ワイ「おっ?おっ?」

    キ「…ら…き………いっ」
    ワイ「おおっ!がんばれ!あと少し!」

    🍄「働きなさい」
    ワイ「     」

    • +6
  3. キノコですらコミュ力あるというのにお前らたきたら…。

    • +5
  4. 「バウリンガル」ならぬ「マシュリンガル」が開発される伏線か?

    • +3
  5. これがただ刺激によって反射的に信号を送っているだけなのかユーモアを交えた軽妙なトークを繰り広げているのか、意識があるとしたら個としての領域はどこからどこまでなのか。興味は尽きないな

    • +5
  6. 雷落ちるとキノコが生えやすいのは何か関係あるんだろうか
    呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン的な

    • +3
    1. >>11
      キノコも生存本能みたいなものが働くのかね

      • +2
    2. >>11
      シイタケとかでも、生えが悪いとき
      原木を金槌でゴンゴン叩くと たくさん出てくるから、
      単純に 何か振動の刺激で活性化するのか・・・?

      • +3
      1. >>18
        震源地って大体決まってるけど、キノコの生え具合が違うのかな
        そして頭とヘアブラシを連想しました

        • +1
      2. >>18
        雷や衝撃で傷ついたり死んだ組織には菌糸を延ばしやすいだけという気もするな

        • +1
  7. 「ある日からあいつの声が聞こえなくなったんだ」とか言っていると思うと、キノコ採取できなくなるよ。

    • +6
  8. 確かにキノコ栽培キットで育てたときに見た菌糸、いわれるとシナプスぽかったかも

    • +4
  9. キノコそのものは生殖器みたいなもんで、地下の菌糸ネットワークが本体でしょ。
    意識や記憶があるなら電極ぶっ刺された時点で悲鳴に近いシグナル発している筈なのに、刺した時は反応せずに雨降った時に反応したんだから、水分が関係しているだけなのかも知れない。

    • +1
    1. >>19
      水分が導体になってるだけ…な気が少々

      • +2
    2. >>19
      どうだろう。キノコって齧られついでに胞子をなすりつけて拡散するタイプのも多いからギャーとは言わないかも
      子実体に電極刺す意味ある?ってのについては同意。本体の菌糸を直接観察できればいいんだけどねえ

      • +2
    3. >>19
      ≻キノコそのものは生殖器みたいなもん
      やっぱし?
      前からそうおもってたんだ いや見た目からね

      • 評価
  10. 電極が突き刺さったキノコを見て思わず内股になってしまった。キノコも痛いんじゃなかろうか。

    • +2
  11. ワイ電力関係者。誰か有能が菌力発電を作ってくれ。(まあ、補助電力にすらならんとおもうけど)

    • 評価

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