
image credit:instagram
世界中のありとあらゆる人々の発信を飲み込んで膨張してゆくネットの社会は、種々雑多な情報が入り乱れたまま広がり続けるカオスのような世界だ。デジタル技術の発達により画像はもちろん動画の加工も珍しくないこの世界では、真偽の見分けも困難なためすさまじい勢いで拡散したものが偽りと判明するケースもしばしばある。
はからずも信じこんでたあの話題も実はウソ?海外メディアが取り上げた、ネット上で真実とみなされていた偽情報をお伝えしよう。
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1. 飛行機内で生まれた子どもは無料で飛行機乗り放題?

photo by Pixabay
出生国にかかわらず親の国籍を継ぐ日本ではピンとこない話かもしれないが、アメリカ、カナダなど一部の国では出生地主義、つまり生まれた国の国籍を取得できるという考え方を採用している。こうした国では、空の上で生まれた赤ちゃんの国籍をめぐる疑問がしばしば上がり「飛行機生まれなんだから航空券はタダになるのでは?」「飛行機に乗る権利があるから無料にするべき」と考える人もいる。
だが国籍取得の考え方は国によって異なるため、この問題はそれほど単純ではなく、現実には乗っていた飛行機の所有国や飛行機の到着地、または出生時の空域などで国籍が決まる。
なお飛行機生まれの赤ちゃんに無料のフライト権を与えた航空会社もあるにはある。だがそれは数回分の航空券プレゼントや21歳未満などの条件付きで、生涯無料にした会社はないそうだ。
2.ベネチアの運河を占拠したフラミンゴの大群?
大勢のフラミンゴにより鮮やかなピンクに染まったヴェネツィアの運河。イタリアでもフラミンゴは見かけるが、こんな風景はありえない。
実はこの写真、ロシアのアーティストKristina Makeevaさんの作品である。彼女自身もリアルな写真ではないと述べている。
3. 公園を歩き回るキリンの赤ちゃん集団
親御さんのミニチュアみたいな体で公園に集まるキリンの赤ちゃん。2020年10月にツイートされたこの動画にはたくさんのリツイートやいいねついた。しかしこれは偽物だった。had no idea baby giraffes looked exactly like miniature adult giraffes but not sure what i expected pic.twitter.com/aRAde6smI3
— Rob N Roll (@thegallowboob) October 3, 2020
この映像は元々はフィリピンのアーティストVernonJames Manlapazの作品で、2020年8月に彼自身がインスタでシェアしたもの。彼のアカウントでは空飛ぶカメや巨大な犬など架空の動物映像がたくさん紹介されている。
4.ゴーストみたい?人体サイズの巨大ヤマブシタケ
2021年2月「沼で育ったヤマブシタケ」というキャプションでツイッターに投稿されたこの画像はかなりの人気を博した。Lion mane mushroom growing in a swamp pic.twitter.com/aa5eXWJzhC
— Pavel (@es_aion) February 13, 2021
ヤマブシタケとは実在する食用キノコで、日本を含むアジアならびに北アメリカやヨーロッパなどの広葉樹に生えるが、その大きさは成長してもサッカーボール程度まで。しかも沼でこんなに大きく育つはずが無かった。
本物のヤマブシタケ

image credit:Lebrac /wikipedia
またさらに驚くことにこのツイート画像は元々はコラではなくスージー・ブリスターというアメリカのアーティストが2013年に発表した「613 Silky Straight inSwamp」というインスタレーション作品だった。ユーザーのPavelはそれをそのままツイッターに乗っけたもよう。なおこの人物とスージー・ブリスターの関係は不明だ。
5.象の木のトンネル

image credit:reddit
見た目にコラな気がするが信じる人もいたようだ。これはコソボの首都プリシュティナの庭園風景を元にしたコラ画像で、象の木なるものは存在しない。元になった庭園風景

image credit:Alchaemia/wikimedia
6.俊足のタコ?
2020年に口コミで広まった俊足なタコ。信じがたい速さで浜辺を進むこのタコは実際には存在しない。
これはghost3deeというカタールの視覚効果アーティストの作品で、元は単なるアニメーションだった。同ユーザーが投稿した以下の動画がそのプロセスを示している。
7.どうやって建てた?岩の上に築いたお城


image credit:Diego Delso/wikipedia、-donald-/wikipedia
8. 頂上でくつろぎまくりの犬の山
こちらは見るからに寝そべる犬めいた山だが…
これも本当はコラ写真で、加工したユーザー自身がインスタなどに投稿していた。でもって元のはそれほど犬寄りじゃなかった。
加工前

image credit:unsplash
SNSが主流の現在、目に飛び込んできた斬新な話題をすぐに誰かに伝えたくなるユーザー心も相まって、いつのまにやら情報がひとり歩きしてしまう現象はままあることだ。また刻々と変わるネットの世界では当時はそこまでわからなかったのに、後から事実が判明することもある。
てことで明らかになった話題の数々。知ってるものはいくつあったかな?玉石混交のインターネットにつきまたそれが違ったなんてこともありそうだけど、情報のアップデートってやっぱ大事かも。
References:brightside など /written by D/ edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
岩の上に築いたお城
これだけ騙されてた…あると思ってた
2. 匿名処理班
最後のは十分犬に寄ってる気がする!
3. 匿名処理班
今が何年かを知るには
生まれた年+自分の年齢でわかる。
4. 匿名処理班
コラだったのを残念と思うよりその技術力にただただ驚く
稀に嘘だろって見た目や動きする生物おるでな、疑わない目で見てるのもあるかもしれんが
タコのとか、作り物でもただただすげぇとしか
5. 匿名処理班
最後のはコラ見たあとだと元の画像も雪の中で眠る犬に見えてくるw
6. 匿名処理班
犬の山の元絵思いのほか犬寄りなんだけどw
続けて見たらこっちに振り向いたように見える
7. 匿名処理班
岩手山の雪解けの鷲は本物(かなり無理があるけど)
8. 匿名処理班
出生地主義はわかるけど、それが飛行機無料と何故結び付くのかが分からん
飛行機で生まれたら飛行機が自分の国なんだから無料で入れるべきってこと?
9. 匿名処理班
UFOのフェイク動画で、UFOだけがCGなのかと思ったら、風景も自動車も何もかもが全部CG製だった、というヤツがあったけど、あれは驚いたなぁ。
10. 匿名処理班
嘘も、ポール・バーホーベン
11. 匿名処理班
加工が悪いんじゃない
クレジットなしで転載する奴と出典を確認しない奴が悪いんだ
12. 匿名処理班
>>3
えっウソっ
それ嘘なの?信じちゃってたじゃーん!
13. 匿名処理班
>>2
最終回のパトラッシュ感がある!
14. 匿名処理班
コラなら後にちゃんとネタばらしして欲しい
まぁ自画像と言いつつ加工しまくりが横行してる時点でムリな話しだろうけど
15. 匿名処理班
日本はCGのクオリティがひどい歴史が長いから
合成とかCGに嫌悪感や見破れる能力が
研ぎ澄まされてみた瞬間にわかっちゃうよね。
16. 匿名処理班
※1
根本の太さと建物の高さがここまでではないとは言え、メテオラの修道院群みたいなのもあるから現代の建築技術なら作れそうではあるよね
17. 匿名処理班
面白スギィ(≧Д≦)
18. 匿名処理班
>>1
オレもオレも…と言うか、オレ個人はそれしか知らなかった
19. 匿名処理班
コラにしか見えないけど実在する、みたいなのもあるし
やっぱりソースの確認って大事やね
20. 匿名処理班
一次ではネタバラシをしてりるにも関わらず、早とちりした奴が本物として流布
それを更に見たネットで真実くんが大威張りで更に流布
伝言ゲームのネット版
まぁ一次でネタばらししていないのもありで、なかなか真偽を見つけるのは困難
単に流されないのが騙されない心得かなぁ
真実は多数決では決まらない、多くの者が信じたからってネ
21. 匿名処理班
※1
これは割とガッカリなネタばらしだった
22. 匿名処理班
7
ドイツのリヒテンシュタイン城
そっちもCGみたく見えるぞ
23. 匿名処理班
タコは本物も必死になるとかなり速いぞ
24. 匿名処理班
※10
山田くん、座布団ぜんぶリコールしなさい
25. 匿名処理班
ネット上の情報とどう接するべきかっていう所の教育が、技術の進歩に追いついてないよね。
26. 匿名処理班
「これは僕が飛ぶくらいの強さ」
27. 匿名処理班
「印航空会社、機内で誕生の赤ちゃんに生涯無料チケット贈呈」って記事がCNNのサイトにあるけど?
2017.06.20の記事。
ここはURLを貼れないからググってみて。
無料チケットを実際にあげた会社は実在するっぽいけど?
国籍と無料が関係ないのはあたりまえ。
なんでそういう考えになるのかが理解できない。
インドの航空会社の例も、あくまで航空会社のはからい。
28. 匿名処理班
キリンとかタコのやつパッと見すぐCGって分かるんだけど、分からない人が多いのにびっくりする
昔のロナウジーニョがゴールポストに当てるCMとかもあからさまにCGじゃん!と思ってたのに友達はみんな本当だと思ってたな
29.
30. 匿名処理班
※24
芋虫になった気分だ
31.
32. 匿名処理班
※25
ネットに限った話ではないよ
教科書でも新聞でも雑誌でもテレビ番組でもラジオでも写真でも
どれも同じ事
デマや捏造なんか古代から存在してるのに
未だにそれに対処する方法は模索もされていない
それをネットの情報に限定してしまうのは非常に危険だよ
33. 匿名処理班
キリンって赤ん坊でも2mぐらいなかったっけ
34. 匿名処理班
雪山犬のやつ尻尾だけ露骨に雑なの笑う
35. 匿名処理班
あたしゃ真実を捻じ曲げたり嘘と分かっても信じたりする人の心のが不思議だよ。パルもさん、そっちのネタばらしも待ってるよ
36. 匿名処理班
※28
何を見てもCGって言ってそう
37. 匿名処理班
コラ画像とはちょっと違うけど、「ヒョウアザラシ」で画像検索するとヒットするめっちゃ怖い顔の画像が、CG映画に登場する敵キャラ(つまり意図的に怖いデザインにしている)だと気付かれず、本物のヒョウアザラシとして広まっているのを見かけた事がある
38. 匿名処理班
キリンとお城あたりは不自然さを感じる
キノコはリアルにできてるね
39. 匿名処理班
最後の犬の元画像、首の向きが違うだけの寛いだ犬に見えてしまうw
40. 匿名処理班
>目に飛び込んできた斬新な話題をすぐに誰かに伝えたくなる
これだよね。できるだけ情報発信側に近い位置にいたいっていう
欲望が目を曇らせて、結果的に無責任な情報をばら撒いて混乱を
招くことに加担してしまう。でも具体的な責任を追及されるわけ
でもないから、大概本人は自覚も自省もなくその行為を繰り返す。
これを防止する有効な方法はないから、せめて自分はそれを
しないよう、その被害に遭わないよう警戒し続けるしかない。
41. 匿名処理班
加工前もわりと犬っぽいな
こっち向いてて右足も置いてる
42. 匿名処理班
騙されても良いのだけど、それを外で声高に言ってごり押ししたりしてる奴がうざい