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風力発電の羽根(ブレード)を黒く塗るだけで鳥の衝突死が70%減少(ノルウェー研究)

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43件のコメントを見る

(著) (編集)

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風車の羽を黒く塗ると鳥の衝突死を抑えられる/iStock
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 風力発電は、きちんとした条件のもとで使用すれば、天然ガスよりも安く、それでいて余計な二酸化炭素を排出しないクリーンな再生可能エネルギーだ。

 他の発電施設に比べて、見た目的にも人との親和性が高く、付近に設置されることへの抵抗感が少ないというメリットもある。

 そんなクリーンなエネルギーだからこそ、2019年には60ギガワット以上もの風力発電タービンが新たに設置されるなど、世界で急速に普及が進んでいる。

 だが良いことばかりではない。鳥が風車の羽(タービン)に衝突して命を落とすというケースが相次いで報告されているからだ。現在その対策として検証が進められているのは、羽に色を塗る試みだ。

風力発電の弱点は鳥の衝突

 風力発電は、そのクリーンさとは裏腹に、環境への影響がまったくないわけでもない。例えば鳥やコウモリといった空飛ぶ動物にとって、風力タービンは空中に仕掛けられたギロチンのようなものだ。

 アメリカ魚類野生生物局の2015年度の推計によると、年間14万~50万羽の鳥が風力タービンに衝突(バードストライク)して死んでいるという。

 衝突が起きる原因はよく分かっていないが、これまでの研究から、飛行中の鳥は障害物を見ることがそれほど得意ではない可能性が指摘されている。

 ゆえにその対策としては、ブレードをゆっくり回転させる方法が考えられるが、もう1つ別の手軽な対策がある。鳥に目立って見えるよう色を塗ってみるのだ。

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iStock

タービンを黒く塗るだけで衝突死が7割減

 『Ecology and Evolution』(7月26日付)に掲載された研究では、ノルウェー自然研究所のグループがこのアイデアを実際に試している。

 研究グループはまず、2006年から13年にかけて、スメラ風力発電所にあるタービン4基の周囲に落ちている鳥の死骸を調査し、ここから衝突死の件数を割り出した。

 風力タービンは高さ70メートルのタワーに、40メートルのブレードを3枚備えたもの。6年間の衝突死は、ブレードの部分で18羽、タワーの部分で5羽だったという。

 そのうえで2013年にブレードを黒く塗り、さらに3年間の追跡調査を実施。するとブレードへの衝突死は6羽だけであり、年間の死亡率が71.9%減少するという結果が得られたそうだ。

 また特に衝突死防止効果が高かったのは、オジロワシのような猛禽類だったという。

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iStock

長期間にわたる大規模な検証が必要

 研究グループによると、すでに稼働中の風力タービンを塗るのはそれなりに大変であるために、設置する以前の段階で行えば、コストを最小限に抑えられるだろうという。

 ただし、鳥の衝突事故死は季節による変動が見られる。今回の調査では、ブレードを黒く塗ることで春と秋には衝突死が減少したにもかかわらず、夏には増加する傾向がみられたそうだ。

 今回はわずか4基の風力タービンを黒く塗って3年間観察するという小規模調査だった為、今後は、様々な場所で、長期間調査を行い、より効果的な衝突防止策を明らかにする研究が必要だという。

Paint it black: Efficacy of increased wind turbine rotor blade visibility to reduce avian fatalities – May – 2020 – Ecology and Evolution – Wiley Online Library
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/ece3.6592

References:arstechnica/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 43件

コメントを書く

  1. 黒いカラスは鳥にとっては目立つ鳥なんだね。

    • +2
  2. まぁ猛禽類の視力がいいってのも構造的に「いいはず」ってだけだから……案外人間で言う老眼みたいに、視力を発揮出来る条件が狭いのかも?

    • +5
    1. >>2
      鳥は紫外線を見ることができる四色型色覚だから、人間とは見え方が違うのよ。

      • +2
  3. 風力発電は、常に強い風が吹く場所、騒音や高周波を出しても大丈夫な場所、景観に配慮しなくていい場所、が限られているから、国によっては設置できないかもしれないね。結局は資源次第。

    • +14
    1. >>4

      あと、「台風や竜巻、突風などによって破損しても、死人や大きな損害の出ない場所」かな。

      • +4
  4. と、いうことは、飛行機のエンジンのファンも黒く塗ればに巻き込まれる鳥の被害も防げる?

    • +2
    1. ※5 ※18
      飛行機のエンジンは、ブレードの色自体はともかく
      外枠の中にあるから、今でも十分黒いイメージだが…。

      あれは、風に押されて回っている発電タービンと違い
      自ら強力回転して吸引風を生み出しているから、
      鳥でなく人でも、整備中や緊急脱出時に
      そばを通っていて吸い込まれて死亡する事故はある。

      • +5
  5. 黒いと今度は夜間飛行の飛行機と
    ピーターパンとサンタがぶつかる可能性がある。

    • +15
  6. >見た目的にも人との親和性が高く、付近に設置されることへの抵抗感が少ないというメリットもある。
    音が結構すごいんだけど?親和性?どういう意味で使ってるんだ?

    • +9
    1. ※9
      うん、騒音に関しては、否定的な態度だとリンク先に書いてある。
      あくまで「見た目」と「そばに在ること」について、
      火力・水力(ダム)・原子力などと違って拒否感が低いと。

      ※16
      とりあえず、アメリカの風力発電地の全国調査では、
      景観については気にならないという結果になっている。

      あと、騒音も含めた全体的な地元の受け入れ可能性に関しても
      他の発電方法より、総合評価は±でプラスが大きいと。さらに、
      時間の経過とともに風力発電に賛同的な入居者の自己選択により
      受け入れ度がより改善するとある。

      • +6
    2. ※9 ※16
      ダム、火力発電、原子力発電の設備に較べたら圧迫感が少ないといったことでしょう。主観的なものだから個人差もあるし。メガソーラーも近年は山の斜面を切り開いたりして、あまり評判がよくないですね。

      • +6
  7. 自然に優しい物が逆に害になることもある。ゼロには出来ないかもしれないけれど少しでも抑えられればいいねぇ。どんなことも日進月歩。

    • +8
  8. 風力発電の電磁波や低周波によってかなりの健康被害が出てるよね
    それって当然人間だけじゃなく野生動物にも影響してると思うんだけど
    そっちの方が問題じゃない?

    • +12
  9. たった4基での、たった3年間の実験で有意な結果が得られるほどの鳥キラーなのか…
    昔ニュースで見た羽根無し風力発電機の普及はどうなったんだろ

    • +12
  10. 春、秋は減少傾向で夏は増加傾向にあるなら夏だけ赤く塗ってツノをつけるなりの工夫も必要だな

    • 評価
  11. 風力発電ほど、見た目的にも人との親和性が低い発電施設は無いでしょ…
    いきなり山の上や海岸沿いに巨大な扇風機が設置されている、あの違和感しかない風景。

    • +10
  12. 白色は雲と被るんだろう
    夏の黒色は大きな樹と間違えて寄ってくるんだろう

    • +5
  13. ジェット機のエンジンも黒く塗ればいいってこと?

    • -5
  14. ブレードはともかくタワーに激突するなよ

    • -1
  15. 鳥だけじゃなく昆虫類も相当死んでるからね。
    他にも騒音振動低周波と問題だらけよ。
    オランダだかスウェーデンだかには家畜にも人にも被害が出て住めなくなってしまった街もあるというし。

    • +11
  16. 黒くしたら熱こもると思うけど、それは問題無いのかな?

    • +4
  17. 見た目に限ったら時間の問題で慣れますよ。人の社会は。
    登場時醜悪と評判を取ったエッフェル塔や打ちっ放しコンクリートの家みたいなもんで。

    • 評価
  18. 生活圏に合わせた色でいいんじゃないのかね
    塔を茶系統、羽を緑、薄茶とかね

    鳥はどうやら人とはだいぶ違うスペクトルを見てるらしいしね

    • 評価
  19. 良くいえば瓢箪から駒、コロンブスの卵的な案だけど、これだけ建設から時間が経ってても案が塗装程度?という感じも否定できない。

    これがバードストライクで風力発電のどこかが損傷するとかなら対策はもっと進展していたのだろうけど、もともと巨大で強度がいるものだから鳥ぐらいでは気にならない。本来なら建設時の塗装を変えるだけだから大きなコスト増にはならないはずだけど、気にしてなかったからいたずらに環境破壊を増やしてしまった。こういうのは結構多いかもしれない。過失致死というか。

    • +4
  20. 風の通り道って鳥にとっては道路みたいなものだからね

    • +15
    1. >>31
      本当にそう。
      「風力発電を作ったところに渡り鳥が通る」
      じゃなくて、
      「渡り鳥のルート上に風力発電を作った」
      ことによる悲劇。

      • +11
    2. ※31
      なるほど。
      これが人間だったら歩道に突然ジェット機のエンジンが落ちてきて巻き込まれてバラバラに…みたいな感じなのかしらね。

      • +3
  21. 風車発電はハムの原因の一つ、止めた方がよい

    • 評価
  22. サムネ画像みて^v^の顔がいっぱいみえてきた

    • +1
  23. 日本は水力発電でいい気がするな。

    風力発電使うなら、洋上風力かな?
    これも、メンテや採算性が割りに合わないとよく聞くけど。

    • 評価
  24. 黒が一番いいかは分からんけど、白のままでは絶対によくないことは分る

    • +4
  25. こんな歪で不安定な建造物が何十年もトラブル無く稼働するとは思えない。
    定期的なメンテナンスでどれだけのコストをかけているのか。
    解体撤去に要する手間暇費用も多かろうに。

    • +4
    1. ※41
      実は突然爆発したりプロペラ部分が折れたりというトラブルはそこそこ頻繁に発生している。
      風を受けて動くための装置なのに意外と強風には弱いという謎構造なんだよな。
      オランダとかの平地でやるならまぁそんなに被害は出ないが日本みたいな山岳国で山の上にこれを建てるもんだから、麓の集落の人たちは地震や台風のたびに戦々恐々としているよ。

      • +8
  26. 日本みたいに台風ガンガン来襲するような国では危険度高すぎるだろうね。
    風速40m/秒でもへいちゃらなレベルで機構的に進化しないと。
    さらには地震もあるし背の高い重心も頂上にあるような、さらには巨大で重い羽が回転する建造物って設計として完成度低いんじゃないかな。
    火吹いたりブレードへし折れたりした風力発電の動画ちらほら見るよな。

    • +4

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