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透明人間の誕生なるか?人間の細胞にイカの透明化能力を発動させることに成功(米研究)

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イカの透明化を人間の細胞で再現 Paul Campbell/iStock
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 イカ二貫!?(千鳥)とか言ってる場合じゃなかった。日本にも食用として輸入されている「カリフォルニアヤリイカ(学名 Doryteuthis opalescens)」にはすごい力が秘められている。頭足動物の能力である、皮膚の色を変えられるのはもちろん、透明になることも可能なのだ。

 だが、もっとすごいのは人間だ。なにしろその能力を自らの細胞で再現することに成功してしまったのだから。

 これってもしかして、SFの世界ではよくある透明人間ってやつが登場する日もやってくるってことなのかしら?それはちょっと胸熱だ。

特殊なタンパク質を調整して体の色や模様を変化させる

 動物界には体を透明にする能力を持つ種が存在する。例えば、スマトラトビトカゲ(学名 Draco sumatranus)は、注目を集めるためにノドのファンを透明にして、それをディスプレイする。

 今回注目されたのは、カリフォルニアヤリイカのメスである。この透明化能力は、外套膜(がいとうまく)の縞模様を不透明な白からほぼ透明に変化させて目立たないようにするもので、こんなことができるのは「白色素胞」という特殊な細胞があるおかげだ。

 そこに備わっている膜結合粒子は「リフレクチン」というタンパク質でできている。このタンパク質の配置が変わると、光の透過率や反射率が変化する。

 そこでヤリイカは神経伝達物質「アセチルコリン」を利用して、リフレクチンの配置を意図的に制御し、体の色や模様を自由に変えているのだ。

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カリフォルニアヤリイカ image by:Joshua Sera/Creative Commons

人間の腎細胞にリフレクチンを発現させることに成功

 カリフォルニア大学(アメリカ)の研究チームは、このメカニズムを人間の組織で再現するために、ヒト腎細胞の遺伝子を改変してリフレクチンを生産できるようにしてしまった。

 すると細胞全体に球形のナノ構造でまとまったリフレクチンが出来上がったとのこと。

 さらに、リフレクチンを含んだ細胞を塩化ナトリウムに浸すと、その濃度によって光の透過率が変化することも確認された。

 なお、そうなる理由は、塩化ナトリウムに触れたリフレクチンの粒子が膨張し、その並び方が変わることであるそうだ。塩化ナトリウムを増やすと光の散乱が増すので、その分だけ腎細胞は不透明になる。

 メスのヤリイカがアセチルコリンで皮膚の透明度を調整しているのと同じようなメカニズムだ。

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白い矢印の部分が人間の腎細胞に発現したリフレクチン。右の色付き画像は、特定の領域を通過する光に関連する経路長を示している。(赤色はより長い経路長に対応し、青色はより短い経路長に対応する)

image by:Atouli Chatterjee / UC

透明化技術で未来が変わる?

 研究チームによると、この成果を応用すれば、色のパターンを変化させるイカの能力を、哺乳類の細胞に組み込むこともできるかもしれないという。

 科学者の興味本位のようにも思える研究だが、実用的な応用がある。生体組織の透明度を上げることで、新しい発見がなされるかもしれないからだ。

 たとえば過去には、クラゲから得られる緑色蛍光タンパク質が、生体内の活動を追跡する上で欠かせないツールとなった実例がある。その単離に成功した下村脩氏がノーベル賞を受賞しているほど重要な発見だ。

 かつて、人間の手による光学迷彩はSFの世界にのみ登場する未来の科学技術だった。それが現実のものになろうとしている。

 もしかしたら、今回の透明化タンパク質を発現させる技術も、いずれそのような科学には欠かせないツールになる日が来るのかもしれない。

 そんでもってそう遠くない未来、透明人間、部分的透明人間が誕生したりしなかったりするのかもしれない。

 この研究は『Nature Communications』(6月2日付)に掲載された。

Cephalopod-inspired optical engineering of human cells | Nature Communications
https://www.nature.com/articles/s41467-020-16151-6

References:phys / inverseなど

本記事は、海外で報じられた情報を基に、日本の読者に理解しやすい形で編集・解説しています。

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この記事へのコメント 42件

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  1. 透明人間 現る現る
    透明人間 現る現る
    嘘を言っては困ります
    現れないのが透明人間です~♪

    1. ※2
      MRIみたいな高価な機器を使わなくても体の中が覗けるんなら医療に使えるんじゃないかな。
      たとえば、がん細胞以外のすべての細胞を一時的に透明にする薬がもしできたら、がんの発見と治療に役立つ。

      永久に体が透明のままなら…確かに使い道に困るなw

      1. >>14
        なるほど、透明になる箇所をコントロール出来れば臓器の健康状態も動いた状態で観察出来るのは素晴らしいね

  2. 人の細胞に色素はメラニンと、赤血球のヘモグロビンだけと聞いた。
    あとは屈折率で色が見えてるとかなんとか。

    『フラッシュフォワード』で頭半分皮膚が透けてる少年が出てくるけど、あんな感じには出来そう。

  3. この技術が普及したら犯罪に使われるな
    50年後は許可なく透明になるのを禁止する法律ができてるかもしれない

  4. でも皮膚は迷彩出来ても目は出来ないから完全に迷彩するには目を瞑ってないならないよね
    しかも使うにはイカみたいに壁や床にへばり付く必要ある
    プレデターのシュワルツェネッガーみたいになれるだけだな

  5. 今でもアフリカで食人あるのにイカ成分入ったら旨過ぎて加速する

  6. 透明のヤラナイカ(阿部さん)みたいな奴がこれから出て来るのか…

  7. 部分透明化…コレだよね…
    透明人間が現れる前に内臓丸見え人間が先だよね…

  8. 目は透明には出来んよ。透明にしたら目が見えなくなっちゃう。
    ヘモグロビンも鉄が含まれているから透明化できないだろうね。透明になったら酸素を運べなくなっちゃう。

  9. 傷跡とか日焼けしすぎて癌化してしまったりシミになってしまったり、メラニンの沈着してしまった皮膚の再生に応用してくれたらいいと思うな。

    傷跡も君のチャームポイントだって言ってくれるひともいるけどやっぱり悩んでるひともいるし、選択肢は増やしてほしい気がするよ

  10. 流石に人間の骨までは透明にはできそうもないね
    それと腸の中身も透明にはできないねぇ
    クリスタルボーイみたいにはなれそうもない

  11. まぁ、そんなことができたら最初に軍事的利用、それから医療、そして一般に流れることになるだろうけど治安悪化不可避感ある。

  12. 刺青を見せたり隠したりが自在にできるようになるかも
    (もしくは個人の識別番号を)

  13. 透明=見えない ではないからな
    透明化より、高度な擬態の方が有効だろう
    実際ステルス技術は高度な擬態の方が研究進んでる
    大体細胞が透明になっても、血液は赤くないと困るよ

    まぁそれでもロマンはあるので完全な透明化がいつか実現したら面白いとは思う

  14. なるほど軍事兵器としてのスクイッドマンか。透明化したり墨を吐いたりくっ付いたり。動体視力、反射神経ともに抜群!しか~し、餌木を投げられたら1発で掛かっちまうな、コイツは。え~と、醤油とワサビっと(笑)

  15. ステルス兵士とかタトゥーに転用とか出来そうで凄いな
    副作用でイカ臭くなったりとかw

  16. もし透明化ができたとしても、傷の具合や肌の色、患部の変化が目に見えないから、特殊なライトやフィルターが要るようになるね。
    何しろ汗疹と蕁麻疹を触診で観たりできないからね。

  17. 腹の中の消化物や排泄物みて、もらいゲロするから透明化はお勧めできない。
    生理もばれるし妊娠も早い段階で解るね・・・

  18. 人間側に体色を変化させることを想定した組織が存在しないから、仮にこの細胞を埋め込んだところで組織液の組成や濃度に依存して色が変わるっぽいな。
    透明になるために減塩生活とか、アホくさ。

    逆に高血圧予防の指標とかにはできるかも?

  19. 透明人間といえど、ホネホネロックみたいになるんじゃ・・・骨は無理でしょ

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