車にひかれてしまった犬の隣に座り、救急部隊がくるまで言葉をかけながら励まし続けていた警官の姿（アメリカ）

　先月、アメリカ、フロリダ州にあるオセオラ郡にある警察署に務めるジョシュ・フィオレッリさんは、思わぬ形でインターネットで注目を浴びた。

　人命救助とか、犯人逮捕だと言ったいわゆる「警察」っぽい姿でなく、等身大の心優しい一人の男性としてのジョシュさんの姿が町の人の心を打ったのだ。

　ジョシュさんは車にひかれてしまった犬のそばに座り、やさしく体をさすりながら、励ましの言葉をかけていたのだ。

芝生にいたジョシュさんと1匹の犬

　先月、オセオラ郡キシミーに住むカルロス・イリジーさんが自身の犬を散歩させている時だ。ジョシュさんと犬を目撃しすぐさま撮影した。

　その時ジョシュさんは、野原に横たわる犬に心配そうに話しかけていたという。

　後になって、その犬は車に轢かれてしまった犬であることが分かった。ジョシュさんは、地元のシェルターや獣医たちが到着するまで、犬のそばでずっと励まし続けていたのだ。

　「警官のこういう姿ってなかなか見られるものじゃありませんよね。」と目撃したカルロスさんは語る。

ジョシュさんの取った行動に賞賛の声

　ジョシュさんはその後、テレビのインタビューで「あの日は冷える日でしたし、彼女は体が濡れていました。傷ついたまま1匹ぽっちにするよりも、誰かそばにいてあげたほうが良いと思ったんです。」とコメントした。

　ジョシュさんはまさかその姿を誰かに見られたとは思っていなかったようで、自分のことが話題になっていて驚いたという。

　フェイスブックのコメントでは「傷ついた動物に、あのようなやさしい思いやりを見せることはみんなができることではありません。あなたは警官の一模範として素晴らしい行いをしてくれました。本当にありがとうございます」などの感謝のコメントが相次いでいるそうだ。 　「けがをした犬というのは警戒心が強くなりがちなのですが、彼女はそうでなくって人懐こかったんです。」とジョシュさんは語る。

　ジョシュさんは犬のことを良く知っている。犬のことが大好きなのだ。

　ジョシュさんは、犬と人間の関係性についても語っており、「人間にとってはほんの一瞬のことが、犬にとっては何年分もの思い出になったりするもんです。」とコメントしている。

犬の飼い主探しは難航中

　怪我をした犬は回復に向かっているものの、マイクロチップなど身元の分かるものが付いておらず、飼い主探しは難航しそうだという。

　マイクロチップがあれば、身元の判定が早まり緊急手術を行う際にとても助かるんだそうだ。 　このニュースを受けて地元、オセオラの人々は警察署においしいクッキーをプレゼントしたとのこと。 　ジョシュさんは自分でできる範囲の当たり前のことをしたまでだ。だが、人は忙しさを理由に、あるいは様々な言い訳をつくり「できること」から目をそらす。

　誰かを思いやる気持ちがあれば、行動にうつすのに躊躇はいらない。ジョシュさんの行いが、忘れかけていた何かを人々に思い出させてくれたようだ。困っている誰かを見た時、寄り添ってあげられる人でありたいものだ。

written by kokarimushi / edited by parumo
あわせて読みたい
道路でひかれてしまった野良犬をなんとか救おうとした警察官の物語（スペイン）


体を張ってパートナーの警察官を守った警察犬バンジェット、銃で撃たれて重症を負うも奇跡の回復（アメリカ）


迷子はブタ？通報を受けた警察が現場に急行、あまりの人懐っこさに異種間の友情が芽生える結果に(アメリカ)


一人ぼっちの子どものキャッチボールの相手をしてあげるのもおまわりさんの仕事（米テキサス州）


「はい、無職です」おまわりさんに職務質問を受けるフクロウの子ども（米コロラド州）

この記事に関連するキーワード

キーワードから記事を探す

• やさしさ
• 思いやり
• やさしい世界
• ネット
• 話題
• 犬
• 交通事故
• 警官
• お巡りさん