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SFを越える10の奇妙な科学界の物語

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(著) (編集)

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 科学技術の進歩、何年も前からSF作品に出てくるような科学技術が現実のものになりつつあるのである。また、これまではオカルト的扱いを受けていたものが科学的な裏付けを得ているケースも多い。

 今や我々の生きているこの世界は、我々の想像を超えているのかもしれない。ドラえもんが四次元ポケットから出すような道具がすでに存在しはじめているのだ。ここで紹介する科学の世界で起きた物語は、空想作家にとってもインスピレーションの源泉となるであろう。

10. iPhone(iOS)の予測変換が作り上げた科学論文

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 ニュージーランドのクリストフ・バートネック教授は、アメリカで開かれる学会から核物理学分野の論文提出を案内するメールを受信し、少々困惑した。

 彼にその分野に関する知識はほとんどなく、これまでそうした誘いを受けたことがなかったからだ。大胆にも彼は斬新な方法で論文を書くことにした。iOSの予測変換を利用することにしたのだ。”原子”や”核”といった単語を入力し、その後に表示される予測をそのまま採用した。

 こうして書きあがった「原子力は単一のソースで利用可能にされ続ける」という論文は審査をパスし、学会における口頭での発表が要請された……でたらめの内容なのに。

 論文の締めの言葉は「力は良い時代においては絶好の場ではない」であった。

9. 時空の歪みの中に消えた星

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 パルサーとは、高密度の重い天体で、自分に向かって崩壊しながら電磁パルスを放出する。研究者はこの電磁パルスを検出することでパルサーの存在を知ることができる。あるオランダの研究チームはJ1906という比較的若く、連星系の片方であるパルサーについて研究していた。だが5年ほど調査を続けたところ、そのJ1906が忽然と姿を消した。

 というより、それは隠れていた……伴星を周るJ1906の軌道によって作られた時空の歪みの中に。伴星の質量が時空の中に一種の”シンクホール”を生成し、J1906をその軸を中心に移動させ、結果電磁パルスが歪みの中に放出されるようになったのだ。研究者の推測では、再度観測可能となるのは160年後だということだ。

8. 逆流する時間

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 量子物理学において、相対性理論から導き出された”閉じた時間的曲線”はタイムトラベルの扉を開くものとして理論化されてきた。だがこのループに沿って移動すれば、タイムトラベラーが以前の自分に干渉してしまうというパラドックスが発生する。それゆえに現モデルに従えば、タイムトラベルは不可能だということになる。

 しかし最近シンガポールのチームが、こうしたパラドックスの発生しない”開いた時間曲線”を用いて驚きの計算を実行してみせた。

 これは文字通りデータパケットを過去に送信し、量子コンピューターの処理能力を上げることを目的とする。データは暗号化され、技術的には過去の一切と干渉しないが、”現在”のデータシステムともつれた量子となる。このもつれた相関関係から処理能力の上昇が実現されるのだという。

7. 3人の親から生まれた1人の子ども

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 メキシコの医師がアメリカの研究者と共同で、母から子へと伝わる遺伝的な疾患を克服する画期的な方法を開発した。ミトコンドリア・ドネーションというこの手法では、ドナーの卵子からミトコンドリアを残して核を除去する。そこに遺伝性疾患を伝える恐れがあるミトコンドリアDNAを持つ母親の卵子から得た核を移植する。

 この技法で生まれた最初の赤ちゃんは、神経の発達を阻害するリー症候群を受け継がずに済んだ。すでにイギリスではこの手法の認可が降りている。

6. 三つの太陽、一つの惑星

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 これまで数千もの惑星が発見されてきたが、地球から320光年離れたケンタウルス座HD 131399abほどユニークな惑星はない。木星の4倍ほどの大きさがあり、太陽が三つあるおかげで非常に奇妙な軌道を描いているのだ。

 これまでこうした状況にある惑星は引き裂かれてしまうか、軌道から弾き出されてしまうと考えられてきた。そのため比較的若い(1,600万歳)とはいえ、未だに生き残っていることは驚きであり、軌道の安定性について現在も継続して研究されている。この惑星には、昼と夜が訪れる季節と、三つある太陽のために常に昼間となる季節の2種類の季節があるそうだ。

5. 残された脳は10パーセント

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 ある44歳のフランス人男性が左足に力が入らないと病院を訪れた。よくあるようにCTによる検査が行われたが、結果はよくあるものではなかった。

 男性は脳に溜まった髄液を排出するため、14歳のときにシャント手術(たまった脳脊髄液を体内の他の場所へ逃がし、髄液の流れ道を新たに作る手術)を受けていた。しかし、その後30年にわたって再び髄液が溜まり、ゆっくりと脳を浸食していた。

 診察当時、この男性はしっかりとした健康な成人であったが、残されていた脳は10パーセントのみであった。この脳が一体なぜ機能できるのか専門家も首をかしげるが、ある仮説によると、男性の脳は常に”再学習”の状態にあるのだという。つまり脳の部位と特定の機能の関係は、これまで考えられてきたよりもずっと柔軟である可能性があるということだ。

4. 歩く醸造所

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 2015年、ニューヨーク市バッファローで警察官がある女性を飲酒運転の疑いで逮捕した。女性はろれつが回らず、酒臭いうえに、道路をフラフラと運転していたのだから、警官として当然の行為だった。血液中のアルコール濃度は法律で認められる濃度の4倍を超えた。

 だが彼女は裁判で無罪となった。実は女性は体内で勝手にアルコールが作られてしまう体質だったのだ。

 “腸発酵症候群”、あるいは”自動醸造症候群”という別名を持つこの症状は、ちっとも楽しいものではない。パンなどの炭水化物はこの副作用を起こす可能性が高いので、患者は食事を注意深く選ばなければならない。

 さらに酒を飲まなくても、ひどい二日酔いに悩まされることになる。驚いたことに、彼女がこの症状を発症したのはほんの数日前のことで、弁護士の調査で明らかになるまで本人は病気に全く気がついていなかった。

3. 食材をコピー「自己複製機」

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 フィンランドの研究所が、都市部における農業の未来になるとではと期待される装置のプロトタイプを開発した。”セルポッド”と呼ばれるこれはランプに似た家電で、キッチンの棚に置けるくらいのサイズだ。そこに植物の未分化の細胞を設置すると、1週間で食材を3Dプリントしてくれる。

 細胞には植物の遺伝コードが含まれており、複製されるのは必要な植物だけだ。それゆえに自然に栽培される作物よりも健康的な食材ですらある。まだ開発段階であるが、貧困地域や人口過密地域における食料供給に重要な意味を持つことは間違いない。普通なら食用に適さない植物まで食べられるようできるという。

2. テレパシーマシン

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 2014年、非侵襲的(生体を傷つけない)な脳刺激を用いて、頭の中のメッセージ(”こんにちは”など)を別の人間に送信することにアメリカの科学者が成功した。むろん送信者と受信者に直接的なコンタクトはない。被験者の1人はインド、もう1人はフランスにいたのだから。

 送信者はネットに接続された脳電図を着用し、単語を思い浮かべる。これはバイナリコードに変換され、受信者側の機器にメールが送信される。すると受信者はメッセージに対応する閃光を感じ、これを認識する。

 完全なテレパシーではないが、10年越しの成果であり、今後様々な分野において新しい可能性が期待される。

1. あの世は存在する?

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 臨死体験や幽体離脱といった現象はこれまで似非科学として扱われてきた。しかし、イギリスのチームによる大規模な研究によって、脳の機能が停止した患者でも意識があるという最初の手がかりが得られた。この研究は脳死状態にあった患者のその間の記憶について数百の証言を集めたものだ。

 もっとも説得的なケースの一つに、体から抜け出て、彼を蘇生させようとする人を眺めていたと主張する57歳男性の証言がある。彼の話は確かに現実に起こっていた出来事と同じだった。特に機械のビープ音を2度耳にしたと話しているが、そのタイミングも回数も彼の脳が停止していた期間に鳴ったものと完全に一致していた。

 さらなる調査が必要であることは言うまでもないが、脳活動の欠如が医学的には死と同義であることを考えると、この発見は死後も何らかの形で意識が存続していることを示す証拠である。

via:10 Science Stories Even Weirder Than Fiction/ written hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 38件

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  1. 気になったから試してみたけど、死んだらそのまま意識が消えて終わるよ。

    • +7
  2. おいおいおい、レインマンかよ・・・・ 
    そうかある44歳のフランス人男性が世界を改変したから俺はこんなブスデブバカと3拍子揃った負け組なんだな。じゃあ仕方ないな!

    • +3
    1. ※2
      ここの記事を好んで読めるなら、そこまでバカでもないと思うぞ

      • +1
  3. 死後の世界が本当にあるなら自分が死んだ後に肉親に会いたいわ

    • +10
  4. 三つの太陽と一つのガス惑星は面白いなぁ。
    きっと近似の軌道や予測、シミュレーションしか出せないだろうし、宇宙の神秘としてしか最終的に捉えられそうにないのが科学者としては歯がゆいだろうけれど。

    • +1
  5. 幽体離脱は訓練すれば出来ると思う。肉体がどれだけ重いか分かる。肉親が亡くなる前と後に、不思議なことがいっぱいあった。死が近いことを、何らかのエネルギー体があらゆる形で知らせてくれていたんだと分かった。
    あと元野良だった愛犬が亡くなった時も。
    動物も死後、丁寧に扱うことは大事だと教えてもらった。
    人間が動物に与えた苦痛や恐怖のエネルギーは、あらゆる形に変えて負の産物を生み続け人間に返ってくる。

    • +4
  6. ・1
    のちに意識が回復したならそれは昏睡であって、脳死とは言わないんじゃないかなぁと思わないでもない
    蘇生処置をしてる最中の記憶云々に関しては、蘇生処置中ってことで心肺停止状態なのは確実だろうけど、それが脳機能停止状態に直結するというわけでもないから、状況を記憶できる可能性も無いわけではないと思う
    正直に言って、死後も意識は存在しうるかという問題は、どうあがいても現代の科学的には解決できない問題だと思う

    • +5
  7. 「脳死は人の死」とは真っ赤な嘘だったのか!??

    • +3
  8. 仮に死後の世界があるのなら今ある難病持ってまで
    あの世へ逝きたいと思わんよ

    • +4
  9. 6はアシモフの「夜来たる 」みたいだけど、
    天体力学だとああいう惑星に生物はすめるのかな?

    • 評価
  10. >これは文字通りデータパケットを過去に送信し、量子コンピューターの処理能力を上げることを目的とする
    なにこれ…最高すぎるんだけど
    実際に量子コンピュータが実用化されたら、もっともっと想像もつかないようなことができるようになるんだろうな
    楽しみ…長生きせねば

    • +3
  11. セルポッドすげえええええええ
    テレパシー技術も進歩したらおもしれえええええ
    ミトコンドリアDNA以外は同一な人間って、双子のように一緒なのか違うのか調べてええええええ

    • +2
  12. これ最終的な研究結果次第では、脳死判定受けて家族の臓器をドナー提供したり延命をやめたりした人が知ったら大変なことになるだろ

    • +1
  13. いや待って、死後の世界があるとちょっと不味くない?
    うっかりPCデータとか消し忘れたりしたら、後から来た知り合い連中に
    「ちょwwwおまwww何?あのファイルの山wwwwww」
    ってなりかねん。

    • +7
  14. 5. 残された脳は10パーセント
    脳の機能は本当に不思議だ損傷しても
    代行する機能があるわけだから
    他の肝臓とかの臓器だと代行する機能は
    他の臓器にもないしね
    なんで脳だけこんな機能があるのか
    不思議でならないね

    • +8
  15. 向こうでは生後の世界って呼んで、
    うちらの存在がオカルトだよ。

    • +8
  16. 記事1.の脳死状態での臨死体験って眉唾だなぁ
    脳が死んでたわけじゃなくて深い昏睡状態だっただけでしょ?
    その後に脳が覚醒して通常の状態に戻っただけで死んでたわけじゃないし

    • 評価
    1. ※20
      脳外科手術中にMRIでの脳信号が完全に途絶えていながら覚醒した患者がその間の出来事を事細かに証言したってケースもあるし、幻覚ならまず脳の活動が活発になってなきゃいけない。一概に眉唾って決めつけるのも違うと思う。
      それにしても量子力学でも意識の干渉で観測結果が汚染されることが知られているし、あくまで科学では届かない領域なんだろうなあ。

      • +8
  17. 脳みそがほぼ0%だとどんな感じなんだろ
    10%で足がしびれるなら死ぬのかな
    頭空っぽのほうが夢詰め込めるからいいのか?

    • +2
  18. ひとつひとつが単独の記事になりそうだね

    • 評価
  19. 知り合いの女の子が、ごく一般的な食材から
    「魔女も裸足で逃げ出す物体」を精製するんですが…。
    どなたか、胃腸薬を奮発しますので科学的に、あれが
    「如何なる理由で」あんな有機化合物に変化するのか、
    何故あんな味が出来るのか証明して欲しい…
    あれは正しく「ヘクセン・ケッセル」だ…(笑)

    • +7
  20. 見出し画像の女性の衣装が、タマゴの寿司っぽいと思った。

    • +4
  21. 死後は言い過ぎ
    臨死体験内のゆらぎかな
    アナログ機器だと電源切っても若干光が残るような感じ
    それで再起動させたら継続してしまったという

    • +1
  22. パルサーの話は何度読んでも理解できない…

    • +2
    1. 死後も意識あるなら火葬なんて恐ろしすぎる
      ※28
      京極堂シリーズの姑獲鳥の夏を思い出した

      • +4
  23. 1.のような話を読む度、
    楳図かずおの「うばわれた心臓」を思い出す私…

    • +4
  24. ある記者が大学で教授たちに質問をした。
    「死後について知っている事を教えてください。」
    生物学者が答えた。「腐敗が始まるでしょうね。」
    哲学者が答えた。「”死”というものを体験した人間は一人もいないだろうね。」
    神学者が答えた。「よき魂は天の国に迎えられるでしょう。」
    物理学者が答えた。「その事象を観測した人物の主観的な解釈があるだけですよ。」
    法学者が答えた。「相続のゴタゴタが始まりますよ。」
    心理学者が答えた。「あなたは本当に死後について知りたいのですか。本当は、、」
    数学者が答えた。「20です。」

    • 評価
  25. 人間の意識が脳という3次元の世界にしかとどまらないという固定概念が死後の世界論を閉ざしているんじゃないかな。
    個人的には死後の世界や輪廻転生はあると思ってる。というか無いという方が不自然に感じる。
    幼いころに、地球人類は残虐性や嗜虐性にまみれていると感じ、人が何を考えているのか分からなくて恐ろしかった。
    いじめをする人間とか動物に感情が無いような扱いをする人は精神疾患者だと思っていたけど、成長するにつれ、そういう人が地球上では「普通」の人のように存在するということに気付かされた。で、人の理不尽さに追い詰められて精神疾患を患った人が病的扱いされている・・・。日本では「普通の人」として存在し、他者の精神を患わせたり死へ追い詰める人間や、動物に苦痛を与えても平気だったりする人の方が、本来かなり病的なはずなんだけど・・・。
     人間の科学の進歩なんてまだまだ発展の途中。というより利便性と利益ばかりを追い、病的な破壊的要素ばかり。
     死後の世界を含め、宇宙の構造は地球上の人類の言葉では説明がつかないほど複雑だと感じる。

    • 評価
  26. 10は他人の記憶なんじゃないかなー。
    記憶と言うか感覚かもしれん。強く主張する気はないけどなんか波長が合うと
    他人の聴覚とか視覚が同調して自分の感覚として記憶されるんではないか。
    調べる方法も検証する方法も思いつかんけど、他人の感覚を受信した事はあった。

    • +1
  27. まず宗教から脱却しないと人間の発展はないんだと、コメ欄を見て思いました。

    • -1
  28. >>予測変換が作り上げた科学論文
    実際には人間がコンピューターを利用して書くようにコンピューターが人間を(キーを押すという動作に)利用して書いたのだと言うことを我々はまだ知らないのだった…

    • -3
  29. 火葬場で燃やされる際に、苦しいと感じるか、熱いとだけ感じるか。
    後者であれば、どうでも良いな。

    • +1

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