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科学オタクの男性、周期表のすべての元素を集めようとして逮捕される

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56件のコメントを見る

(著) (編集)

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​ 2023年8月、オーストラリア・シドニーに住む24歳のエマニュエル・リデン氏が、放射性元素であるプルトニウムをオンラインで注文し、自宅に配送させたとして逮捕された。

​ 彼は周期表に掲載されている全元素を収集することを目指しており、その1種であるプルトニウムを入手しようとしたのだ。

 ​この行為は、オーストラリアの核不拡散法に違反しており、最大で10年の懲役刑が科される可能性があるそうだ。

元素を全部集めたい!とプルトニウムを輸入

 裁判所によると、リデン氏はアメリカの科学Webサイトを通じて、小さなプルトニウムのサンプルを注文。両親の家に配達してもらったという。

 当局はそのパッケージの中身と注文主について正確に把握していたが、荷物を押収して説明を求める代わりに、荷物が配達されるのを待った。

 そして警察はもちろん、国境警備隊や消防士、救急隊員まで動員された大規模な作戦を実行し、リデン氏を両親の家で逮捕したのだ。

 リデン氏の弁護人であるジョン・サットン氏は、当局の対応をこう批判する。

当局が事前に事態を把握していたことを考えると、この対応は過剰反応であったと考えます。

彼に返品する機会を与えるどころか、わかっていながら輸入を傍観し、届いたところで騒ぎ立てて総動員してみせたのですから

 サットン氏はまた、依頼人は邪悪な意図を持った狂人やマッドサイエンティストではなく、単に周期表のすべての元素を集めようとしただけの「科学オタク」であったと主張している。

彼は悪意を持ってこれらの品物を輸入したり所有したりしたわけではありません。これは純粋な無知から引き起こされた犯罪です。

彼は単純に何かしらのコレクションに囲まれて自己満足に浸りたかっただけで、今回たまたま周期表のコレクションに執着したのです

​ また、リデン氏はもともと切手や紙幣、コインなどの収集家でもあり、元素の収集もその延長線上の趣味であったと説明している。

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Maksym Kozlenko, CC BY 4.0, via Wikimedia Commons

 問題はそこに放射性元素も含まれていたことだった。検察側は、違法な物質の入手が、これまでオーストラリアに存在しなかった市場を形成し、新たな犯罪を誘発する可能性があると指摘。「無害な収集家」との主張に異議を唱えている。

 現在、リデン氏は「オーストラリアにプルトニウムを持ち込んだ罪」で起訴され、判決を待っている状態だ。

 列車の車掌という夢の職業も解雇され、ファストフード店でハンバーガーを焼いて生計を立てているんだとか。

 彼の罪状による量刑は、最高で懲役10年とされているが、さらに重いものになる可能性もあるという。判決は4月11日に言い渡される予定である。

各国における放射性物質の不法所持事件

 日本は2度にわたる原爆や第五福竜丸の事件、そして福島原発事故もあり、放射能や放射性物質に対してほとんどの国民がある程度の危険性を認知していると思う。だが諸外国ではそこまで危険だという認識を持っていない人もいるようだ。

 2001年、ドイツ南西部カールスルーエで、解体中の使用済み核燃料再処理施設から、作業員の男性がプルトニウムを含む微量の放射性廃棄物を盗み出す事件が発生した。

​ この男性とその交際相手、さらにその娘が被曝し、住居や車両も汚染される結果となった。​当初、男性が交際相手らに核物質を摂取させて殺害しようとした疑いが持たれたが、裁判では殺意は証明されていない。

 また、2017年3月には、アメリカ・テキサス州サンアントニオで、政府職員が回収したプルトニウムとセシウムを車内に一晩放置し、その間に車が盗難に遭う事件が起きた。

​ この時に盗まれた放射性物質は依然として見つかっておらず、政府の核物質管理の甘さが指摘されている。 ​

 日本では、個人による放射性物質の収集や不正な所持に関する具体的な事件は報告されていないが、2023年5月、京都市で医療法人の従業員3名が、事業所から出た廃棄物を家庭ごみの収集場所に不法投棄し、逮捕される事件があった。

楽しい趣味ではあるものの…

 元素収集は、科学への興味や教育的観点から魅力的な趣味とされている。だが日本を含む各国で、放射性物質や危険物質の個人による無許可の取得や所持は法律で厳しく規制されている。

 全ての元素を収集することは現実的には困難であり、特に放射性元素や有毒な元素の取り扱いには高いリスクが伴うものだ。元素収集を趣味とする際には、法的規制や安全性を十分に理解し、適切な方法で行うことが重要である。

 ちなみに、文部科学省が発行している「一家に1枚周期表」というものがあるのだが、けっこう眺めているだけで収集癖が満足してしまうのでおススメなんだ。

 他にもこの「一家に1枚」シリーズは、宇宙やウイルス、生物など楽しいテーマのポスターがたくさん用意されているので、興味のある人は見に行ってみよう。

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image credit: Amazon

References: Man Faces 10 Years in Prison for Trying to Collect All the Elements in the Periodic Table

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この記事へのコメント 56件

コメントを書く

  1. カラパイアの読者のうち半数は、記事タイトルを読んだ時点で
    「そら、そうなるやろ…」「で?どの元素で逮捕?」

    記事を読んで
    「ああ、プルトニウムか」「予想通りやな」

    おそらくこういう反応だと思うよ。

    • +57
    1. 順番に集めていたらテクネチウムで引っかかりそうな。
      (某科学館でも無かったはず)

      • +13
  2. ストロンチウムを国内に爆散させた国があるらしい

    • -6
    1. アメリカ・ロシア(旧ソ連)・中国辺りは自国内に核実験場持っているし
      なんなら大気圏内核実験も頻繁にやっていたところやな
      それ以外だとイギリスとフランスは自国”領”での実験なので、該当しないかも

      • +12
    2. ストロンチウム(非放射性)なんていろんな国が花火で毎年爆散させてるよね
      セレスタイトとかエンジェライトとかの宝石にも入ってる

      • +5
    3. 上手いこと言ったと思ったんだろうけど
      即効ツッコミ入りまくってて草

      • +1
  3. 自分も収集癖があるから気持ちはわかるが、だからこそ動機は関係なくダメなものはダメという線引きはきっちりすべきだと思う
    純粋な好奇心が人を危険に晒すこともある

    • +36
  4. プルトニウムなんて物騒なものがオンラインで販売されていることに驚き

    • +77
    1. むしろ売り手側の方が問題が大きい気がする
      そちらの方は対処しないんだろうか

      • +57
      1. こんな輸入障害は許さん、関税50%に引き上げる

        • +11
      2. 商品自体は、微量の破片を
        人体に影響のない自然界の放射能レベルに封入してあるコレクター用装飾品?で、
        販売元のアメリカでは全くの合法だそうな。

        ただ、オーストラリアの法律では、
        微量だろうが何だろうが、一般人が無許可で入手すると問答無用でアウトだった。

        • +3
    2. 簡単にはアクセスできない「ダークウェブ」で買ったんだろうな
      それならそんな所で買うのならテロリスト疑惑になるだろうな

      • 評価
  5. 半減期が極端に短い元素とかどうするつもりだったんだろ、この人

    • +19
    1. 亜鉛とビスマスを(光速の10%で)ぶつければニホニウムができるよ

      • +8
  6. 「世界で一番美しい元素図鑑」の筆者も元素コレクターだったような。結構イーベイで買えちゃうのに驚いた。

    余談だけど、中学の時からのかれこれ40年近くの腐れ縁の友達が、去年の私の誕生日に周期表のジグソーパズルをくれた。
    早速組み立ててフレームに入れて玄関に飾ってある。改めて見返してみると、現物を見てみたい、触れてみたい気持ちはわかる気がする。放射性物質も直に見ることはほぼ出来ないけど、出来ないからこそ見てみたいと思っちゃうな。

    • +27
    1. あの本、欲しいな~と思い続けてかれこれ20年くらい経つ……。

      • +7
  7. この男、カリホルニウムやフランシウムまで集めるつもりだったんだろうか

    • +14
  8. こういう周期表をもっとたくさんの人が見れば、その中からより「これ全部集めたい」って人が出てくるんだろう
    日本からもそういうコレクターが出てこないかな

    • +1
  9. ちょっと待て、そもそも売っている方は問題ないのか。

    • +38
    1. 問題あるから泳がせていたんだろう。
      本物が送られてくるのを待っていた。

      • +5
  10. 事前に止められたのに、あえて配達されるのを待って
    警察、消防、救急、国境警備隊まで動員して親の前で捕まえるとは
    まあとりあえずとてつもない税の無駄遣いでしょうな
    悪意あるわー

    • +5
    1. そりゃあ一帯を全て廃塵に帰す兵器の原材料だから、送付先は個人宅でも個人では無く後ろに国際的な組織があると考えるのが普通だろ。

      • +14
      1. だったらなおさら裏取ってから動かないとダメでしょ。
        裏取りもせず大部隊を敵地に突入させて隊員の命を危険にさらしたってことになっちゃうぞ。

        逮捕された人に問題があったのは事実だが、
        それは当局の対応の無謬性を意味しない。

        • -4
  11. そういう知的好奇心が科学を発展させていった 俺は嫌いじゃないよ

    • -1
  12. 分厚い鉛で遮蔽しない限りは回りに放射線をばらまき続けるから、自分だけじゃなく、家族、ご近所さんも被爆する。
    DIYで原発作って近所中被爆させた事件はアメリカ、廃病院から放射性物質綺麗だからって拾って飾り被爆したのはブラジルだったか?
    科学的好奇心じゃすまないんよ

    • +26
  13. 底意地が悪いとは思うけど、現にこうして海外まで拡散されているので抑止にはなるのかな

    トンデモ押収物一覧としてSNSやYouTubeにでも載せた方が手っ取り早そうだけど

    • +9
  14. ドク(バックトゥザフューチャー):!! ( ゚д゚ ) ガタッ .r

    • -7
  15. マニアなら危険性も違法性も知ってたろ
    他人を危険な目に巻き込みかねない身勝手な行為 厳罰でいいよ

    • +21
  16. レントゲニウムの最も安定した同位体ですら半減期100秒くらいで、しかも合成されたのはいままでで原子数個しかないから、ここで必ずつまずく。

    • +8
  17. ウランガラスくらいで止めときゃよかったんだ。

    • +9
  18. 博物学的興味から網羅的に集めたくなる気持ちはわかる
    でも元素じゃなくて根付とかにしとけば害はなかったのに

    • +12
    1. 鉄に徹して鉄グッズとかね。
      いい運転手さんになったかもしれないのに。。。

      • +7
  19. 無知のせいで大変な目に合ってる人はたくさんいるからな
    本人だけでなく、家族知人他人も巻き込む
    当然の処罰だと思うね

    • +7
  20. 通販で買える時点でおかしいわな
    なるべく軽い処分で済むといいね

    • +5
  21. ただの個人宅にありとあらゆる国家暴力やらなにやらを突っ込ませたわけで、結果だけ見れば過剰反応には違いない
    結果が全てだともいうし。やってる感だしただけじゃないの?見せしめのつもり?とは思うな

    • -11
    1. どう考えてもプルトニウムを横流しは普通にあり得んから、他国の破壊工作員と繋がってる事をまず想定してかかるでしょ?

      • +6
  22. 輸入をしたのは、このオタクだが、「オーストラリアに持ち込んだ」のは運輸会社でワロタw
    日本の場合は、輸入・輸出と明記しているが、この記事が意訳なのか?

    • +6
  23. Puから出てくる放射線は殆どがα線だから、ガラス瓶なんかで密封してあれば
    大きな問題は無い様な気はするが、まぁ危険な事には変わりない。

    • +2
  24. ニホニウムとか存在する平均寿命は2ミリ秒だから所持するの無理や
    そもそも理研が3個しか作ってないしな

    • +4
  25. 去年、日本で金属元素の標本を発売したのが結構話題になっていたね。買った人はキレイで見てて飽きないと言ってます。
    標本は貴金属元素と重金属元素は抜けていて、完全ではないのは仕方ない。との事ですが、本音は全部を収蔵して展示したいと思うのは普通でしょうね。しかし…ランタノイドやアクチノイドまでだどきりがないよ〜
    ww。自分なら元素に近い所で鉱物標本を勧めます。自分で採集できる標本もあるし、
    自然金も採集できますよ!しかし…
    今気がついたけど、これも鳥取県人形峠で
    ウラン鉱石採集して捕まる、なんて記事がでるかなぁ…

    • 評価

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