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やっぱ植物は偉大だ。樹木は数百万年にわたる気候変動に適応し続けている

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(著) (編集)

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Photo by:iStock
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 これはうれしいニュースかもしれない。新たに行われた大規模で広範囲な研究によると、ヨーロッパで最も主要な森林樹木の7種が過去数百年で起きた気候変動に適応し、遺伝的多様性を保護していることが判明したそうだ。

 この発見は、絶滅の危機に瀕する現代の生態系に対して、新たな希望を与えてくれるものだ。

 過酷な氷河期に生息範囲と数が激減したにもかかわらず、多様性を保ちながら現代まで生存し続けてくれた樹木たちのおかげで、今の人間や動物が存在できるのだから、本当にすごいパワーだ。

過酷な環境の中で生き延び、多様性を保ち続けた樹木たち

 この研究に携わった、スウェーデン、ウプサラ大学のパスカル・ミレシ氏は語る。

生物多様性の観点からすると、これら7種の樹木はほかの多くの種が頼りにする要の種であるため、これは大変喜ばしい発見です(パスカル・ミレシ氏)

 現在、ヨーロッパの陸地面積のおよそ38%が森林だ。これは、6000年前の65%からかなり減少している。

 約1万年前の最終氷河期で森林が大幅に減少した。

 その結果、遺伝的多様性も少なくなったはずだと研究者たちは考えたが、新たな研究結果ではそうではないことがわかった。

実際、遺伝的多様性を維持することができた種は、生息地の急激な変化に対してより耐性があったことが判明した。

「これは、歓迎すべきことです」ミレシ氏は言う。

過去に起こった進化のプロセスは、今日の急激な気候変動に対処するのに役に立つかもしれないからです(パスカル・ミレシ氏)

ミレシ氏たちは、ヨーロッパ大陸全土の164の個体群から3500本の樹木の葉を採取し、DNA分析を行った。

 特にヨーロッパブナ(Fagus sylvatica)、フランスカイガンショウ(Pinus pinaster )、フユナラ(Quercus petraea)、シダレカンバ(Betula pendula )、ヨーロッパアカマツ(Pinus sylvestris)、ドイツトウヒ(Picea abies)、ブラックポプラ(Populus nigra )の7つの主要種を重点的に調べた。

長い間考えられていたこととは逆に、氷河期サイクルはこれら7種のキーとなる樹木の遺伝的多様性にほとんど影響を与えていませんでした

その理由は、世代交代期間が長いことと、花粉が何千kmも離れた広い範囲に拡散するというユニークな特徴を組み合わせることで説明できます(パスカル・ミレシ氏)

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ヨーロッパブナ Photo by:iStock

現在の急激な気候変動に希望の光

6度目の大量絶滅が進行中と言われている現在、生物多様性危機によって、我々はもう遅すぎると諦めてしまいがちです

しかし、この研究結果は今、気候変動に直面している森林の生物多様性対策に役立つ重要な情報をもたらしてくれ、私たちの森林に関して前向きなシグナルを送ってくれているのです(パスカル・ミレシ氏)

 しかしすべての生物に、急激な気候変動に対する同じような耐性があるとは限らない。

 緊急に対策しないと、多くの生物が失われ、生態系が取り返しのつかないダメージを受けるだろうと研究者たちは警告し続けている。

本研究は『Nature Communications』誌(2024年10月14日付)に掲載された。

References: Trees continue to adapt through millions of years of climate change

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この記事へのコメント 11件

コメントを書く

  1. ヨーロッパに残る森も手付かずの原生林はほぼ無い状態

    • +1
  2. 樹木「は」でなく樹木「も」じゃないの、今生きてる動植物は環境適応した結果でしょ
    何を今更

    • -3
  3. 例年なら紅葉するのに、今年は酷暑で茶色く落葉していく街路樹を見かけるよ。
    今年はみんな大変だったよね。

    • +2
    1. 昼は、二酸化炭素を吸い
      夜は、二酸化炭素を放出
      してるって
      知らない人の多いことよ。

      • -1
      1. 成長するにしたがって少しずつ炭素を固定しているから長い目で見ると二酸化炭素を減らしてはいるんだ
        枯れた後で腐らなければ

        • +1
        1. 二酸化炭素が減って、寒冷化したのも植物のせいだ!とはいえるけど二酸化炭素は(濃いと)毒でもあるし、化石燃料を燃やして気候変動を招いて良い理由にはならんですね

          • +1
      2. これネット民が好きな言説なんだが語弊がある
        日中の植物の酸素生産量は、夜間に植物が出す二酸化炭素の「10倍」
        10倍上回るので、そこまで強調することじゃない

        枯れた時が問題になるのは、生涯の酸素生産量を下回る時。周りの植物も早死、一斉に生産不能に陥る事態
        大規模な伐採、有機物埋め立てなど。周りの植物が背負いきれなくなってマイナスになる

        沼地だと嫌気性分解でメタンガスを出すが、この過程で土壌を形成し湿地→草原→森林と遷移していく

        • +2
  4. 問題は気候変化の速度だよね
    氷河期はゆっくり、今の変化は急変、さらに火山噴火などではほんの一瞬
    これに対応する樹木(草花も)は大変だ
    種を広く頒布するとか(鳥に運ばせる)するものは有利
    一年ごとに咲いては枯れる草本も有利(園芸だと10代で品種固定できるから)
    開花の間隔が広い樹木ほど不利かな

    • +3

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