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AIが受刑者を分類?ミシガン州の刑務所が暴力リスクを予測するシステムを試験運用

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Image by unsplash / Harry Shelton
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 アメリカ、 ミシガン州矯正局は、受刑者の将来的な暴力リスクを評価し、適切な警備レベルに振り分ける新しいシステムを導入予定だ。

 2026年12月1日から州内一部の男性刑務所で試験運用すると発表した。

 新たに開発されたツールは、リアルタイムのデータを取り入れて暴力の予測精度を約30%向上させるという。

 州当局は「警備レベルの判断にAIは使用しない」と説明しているが、開発に協力した団体がAI活用に力を入れていることから、海外メディアからは疑問の声も上がっている。

参考文献:

受刑者の暴力リスクを予測する新システム

 ミシガン州矯正局が新たに運用するシステムは、受刑者をどれほど危険かに応じて、適切な警備レベル(収容区分)に振り分けるためのものだ。

 一部の男性刑務所で試験運用し、性能を確かめてから、他の施設に広げるかどうかを検討するという。

 ミシガン州は約3万2000人の受刑者を収容しており、警備レベルは制限のゆるい方から順にレベル1・2・4・5の4段階に分かれている。レベル3はない。

 レベルによって、毎日の移動の自由や監視の強さ、社会復帰に向けたプログラムなど、刑務所の中で参加できる活動が大きく変わる。

 受刑者にとって、どのレベルに分類されるかは、刑務所での生活を左右する重要な決定だ。

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Image by pixabay / diegoattorney

リアルタイムデータで予測精度が約30%向上

 アメリカの刑務所では、2019年から2024年にかけて職員への暴行が77%増えるなど、所内での暴力の増加が深刻な問題になっている。

 ミシガン州矯正局が警備レベルの分類の見直しを始めたのも、こうした状況を受けてのことだ。

 これまで受刑者の暴力のリスクは、定期的に集めたデータをもとに評価されてきた。

 新しいシステムでは、リアルタイムのデータを取り入れて、レベル分けを継続的に見直せるようになる。

 同局はこれにより、受刑者の将来の暴力リスクを約30%正確に予測できるようになり、職員と受刑者の安全が高まると見込んでいる。

 ただし、この数字をどう算出したのかは公表していない。

 同局のハイディ・E・ワシントン局長は「この試験運用によって、施設の警備が強化されると期待しています」と語っている。

AI使用疑惑が浮上。開発元と州当局は否定

 システムの開発に協力したのは、全米19州の刑事司法機関を支援する非営利団体「Recidiviz」で、自らのプラットフォームを「データ、自動化、AIを使って職員の時間を節約する」と紹介しており、AIの活用を大きく打ち出している。

 そのため、今回のシステムを「受刑者(人間)の将来をAIが決めることになるのでは」と懸念の声が高まった。

 これに対し、ミシガン州矯正局とRecidivizは、個人の警備レベルや釈放の判断にAIが使われることはないと説明している。

 同局の広報官によると、RecidivizのAIツールは会議の文字起こしなど、職員の業務を手助けするために使われているという。

 だが、システムの中身は公開されておらず、プラットフォームのどこかでAIが使われていてもわからない状態となっている。

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Image by unsplash / 7500 RPM

過去には誤判断も。システムに依存する危険性

 AIで犯罪を予測する技術開発は以前から進められており、2022年には、アメリカで、1週間後に起きる犯罪を9割の確率で予測するAIアルゴリズムが開発されている。

 AIが使用されていようがいまいが、機械的なシステムが受刑者の扱いを左右することで問題が生じる場合もある。

 アメリカの調査報道機関ProPublicaによると、ルイジアナ州が使う再犯リスク評価ツール「TIGER」は、判定に使うデータに人種的・社会経済的な偏りが含まれていると専門家から指摘されている。

 実際同州で、懲罰の記録がまったくないにもかかわらず、評価ツールに「中程度リスク」と判定された事例がある。

 ほぼ失明しており、車いすで生活する70歳の男性、カルヴィン・アレクサンダーさんは、この判定結果を受けたことで仮釈放の審査を受ける資格を自動的に失ってしまった。

 ミシガン州の新しいシステムは仮釈放の判断ではなく、あくまで適切な警備レベルに振り分けることを目的としているが、テクノロジーで何でも解決できるという考えのもと、システムだけに依存するのは非常に危険だ。 

 安全を守るためのツールが、人間に誤った評価を下し、不当に追いつめることにならないよう、慎重な運用が求められている。

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