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マイナス170℃でも凍らない!NASAが宇宙探査向けの「新型バッテリー」を開発

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(著)

公開: (更新: )

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Image credit:NASA/Ryan Hill
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 宇宙空間の太陽の光が届かない場所は、あらゆるものを凍らせてしまう極寒の世界だ。

 宇宙探査において、寒さによってバッテリー内部の液体が凍りついてしまう問題が大きな壁となっていた。

 NASAの研究チームが開発中の新型バッテリーの試作品は、-170℃の低温環境にさらされても壊れることなく耐え抜いた。

 液体の代わりに固体の材料を用いたこの技術は、将来の月面探査を大きく進展させる可能性を秘めている。

参考文献:

極寒の月面探査を阻むバッテリー凍結の問題

 NASAはアルテミス計画のもとで再び人類を月へと送る準備を進めている。

 将来の探査候補地である月の南極には水が氷の状態で存在すると考えられている。

 月の南極の温度は、夜には-200℃まで下がる。しかも月の夜は地球の約14日分も続く。

 スマホやノートパソコンに使われているリチウムイオン電池の内部には、電気を運ぶための液体の電解質が入っている。

 極寒の環境では内部の液体が凍り、電池が壊れてしまうおそれがある。

 反対に、月の昼の100℃の熱では、電池は冷めるまで動かなくなる。さらに、空気が存在しない宇宙の真空状態にさらされると、液体は蒸発してしまう。

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月面 Image credit:NASA

マイナス170℃に耐えるNASAの新型電池

 NASAは月の過酷な環境でも使える電池を開発するため、2026年に「SPEARS」と呼ばれるプロジェクトを立ち上げた。

 SPEARSの電池は、液体の電解質の代わりに、セラミックやポリマーといった固体の材料を使う全固体電池だ。

 固体の材料は液体のように凍らず、燃えやすい液体を使わないため発火の危険も減らせる。

 バージニア州にあるNASAラングレー研究センターの研究チームは、真空の中で高温と低温にさらす「熱真空試験」を行い、電池が何℃まで動くのかと、何℃まで冷やしても壊れないのかを調べた。

 まず、試作したコイン型の全固体電池は、-60℃から80℃の間では問題なく動いた。

 試験を率いるイー・リン氏は、性能はやや落ちるものの-80℃でも電池が動くことを初めて証明したと報告している。

 次に、100℃の高温から-170℃の極寒までさらしても、電池は壊れずに耐え抜いた。

 -170℃の中では全固体電池でも電気を生み出せないが、電池そのものは壊れていないため、小型ヒーターで温めれば再び使えるようになる。

 リン氏は、今後数年で動作できる温度の範囲をさらに広げられる自信があると語っている。

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NASAラングレー研究センターで熱真空試験を終えた小型のコイン型電池を手にしているイー・リン氏。Image credit:NASA/Ryan Hill

液体を使わない仕組みは火星の寒さにも耐えられる

 -170℃でも壊れず-80℃で動く全固体電池は、月面探査の心強い味方になる。
 この性能は火星探査にも生かせるかもしれない。

 現在火星で活躍しているNASAの探査車パーサヴィアランスの電池は、-20℃から30℃の範囲で動くように作られている。

 火星の平均気温は-60℃前後、最低気温は-153℃ほどで、新型電池が問題なく動く温度の範囲に入る。

 今回の全固体電池は、火星の厳しい冬を越すのにも心強い存在になりそうだ。

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NASAラングレー研究センターで、熱真空試験を終えた電池を取り出すイー・リン氏(左)とジー・スー氏。リン氏は試験・研究責任者、スー氏は高分子材料の研究者で、プロジェクトの責任者を務める。Image credit:NASA/Ryan Hill

保温装置の負担を減らし宇宙探査を身軽にする

 従来の電池を使う宇宙船や月面探査車には、長い月の夜の間ずっとバッテリーを温め続けるための重い保温装置が必要だった。

 冷え切っても壊れない新型バッテリーが実用化されれば常時温め続ける必要がなくなる。電力を使いたい時にだけ小型のヒーターで温めれば済む。

 宇宙船に搭載する熱管理の設備を減らせば、宇宙船を軽くでき、費用を抑えてミッションの期間を延ばすこともできる。

 研究チームは用途に合わせてバッテリーの容量や耐久性を調整するため異なる電極材料の調査を続けている。

 今回の電池はまだ小さな試作品で、宇宙では試されていない。

 カリフォルニア州のNASAエイムズ研究センターが、将来の宇宙での試験に向けて試験用の基板や電子機器の開発を進めている。

 全固体電池の技術は月面探査を支える機能として期待されている。将来的に地球上のドローンや自動車、スマホなどに応用される可能性も秘めている。

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この記事へのコメント 7件

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  1. 意味が分からん
    何が言いたいんだ?
    -170℃の極寒では壊れないが電池が動作しないのか?

    >実験の結果、プロトタイプのコイン型全固体電池は-170℃の極寒にさらされても壊れずに耐え抜いた。
    > NASAの研究責任者であるイー・リン氏は、性能はやや落ちるものの-80℃の環境でも電池が動作することを初めて証明したと報告した。
    > プロトタイプ電池は-60℃から80℃の間では問題なく動き、100℃の高温にさらされても壊れなかった。

    • -8
  2. 『凍らない』て書いておいて『液体じゃない』て???
    固体みたいだね
    私は「極低温でも凍らないベアリンググリース」に応用できるかと…

    • +1
  3. これが実用化されたらノーベル賞もの

    • 評価
  4. ボイジャーとかは電池使ってないの

    • -4
    1. 原子力電池(プルトニウムの崩壊熱を電気に変換する)積んでますよ。で、だいぶヘタってきたので機能絞り込んで使ってました。

      • +5
  5. その電池を温めるヒーターの電源は?

    • -4
  6. ほー!この技術が実用化されれば、
    スマホが熱くなった時に冷凍庫にポイッができる笑

    • +2

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