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月が縮小している速度がついに判明。冷え続ける月の表面にはシワが寄っていた

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(著)

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Image by unsplash / Terranaut
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 誕生時の熱を残していた月の内部は少しずつ冷えており、それに伴い月全体が縮んでいることは以前から知られていた。

 月の表面は地球とは異なり単一のプレートで覆われているため、内部が冷えて縮むことで表面にシワが寄る。

 そこで、スミソニアン国立航空宇宙博物館は、NASAの月探査機が17年間撮影した画像データを分析し月面のシワを調べ上げ、月が縮む速度を算出した。

 その結果、100万年で約6〜11cm縮んでいることが明らかとなった。

 この研究成果は『The Planetary Science Journal』誌(2026年10月14日付)に掲載された。

参考文献:

冷えて縮む月の表面にはシワが寄る

 月は約45億年前、小惑星の衝突をくり返しながら誕生し、衝突の衝撃と放射性元素が出す熱で高温になった。

 それ以来、月は内部の熱を少しずつ失い、冷え続けている。物は冷えると縮むため、月全体も少しずつ縮んでいることがこれまでの研究でわかっていた。

 月全体が縮むと、硬くてもろい月の表面は押し縮められる。押された地面は割れてずれ、片側がもう片側の上に乗り上げる。

 地面が割れてずれた場所は断層と呼ばれ、月の表面ではシワのような崖や尾根となって現れるため、月が縮小していることがわかるのだ。

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月の内部の想像図。中心の核(赤)から出る熱が、ひび割れの多い分厚い地殻に閉じ込められていたため、月は冷えて縮むのが遅れたと考えられている。Image credit:Intuitive Machines/Rick Hoppe/Smithsonian / National Air and Space Museum

月面に広がる1万以上のシワを調べ上げる

 スミソニアン国立航空宇宙博物館の惑星地質学者トーマス・R・ワターズ氏の研究チームは、NASAの月探査機「ルナー・リコネサンス・オービター(LRO)」が17年撮影した数百万枚の月面画像を解析した。

 研究チームは、白っぽく明るい高地と、「月の海」と呼ばれる黒く平らな平原の両方を調べ、月面全体で1万以上の新しい断層を見つけた。

 見つかった断層の数について、ワターズ氏は「画像から見つかった新しい断層の数は、私の想像をはるかに超えていました」と語っている。

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 Mouchez Lクレーターの底にある断層の崖を、立体的に表示した画像。手前の大きな崖は、周りの地面より100m以上高い。Image credit:NASA/KARI/ASU/Intuitive Machines/Smithsonian / National Air and Space Museum

月が縮む速さは100万年で約6〜11cm

 研究チームは見つかった断層をもとに、月がどれだけ縮んだのかを計算した。

 計算の結果、月の半径は過去4億〜8億年の間に約45m小さくなっていた。

 縮むペースがずっと一定だったとすると、月は100万年で約6〜11cm、1年では約0.1マイクロメートル(1万分の1mm)ずつ縮んできたことになる。

 地球の表面を覆うプレートは、1年に平均約1.5cm動いている。

 プレートが動く速さは人の爪が伸びる速さとほぼ同じで、月が縮む速さはプレートの動きよりもはるかに遅い。

 月面に断層が広くでき始めたのは、月の誕生から長い時間がたってからだ。

 論文によると、月の初期はひび割れの多い分厚い地殻が断熱材のように内部の熱を閉じ込めていた。

 熱が逃げにくかったため、月はなかなか冷えず、縮むのも比較的最近まで抑えられていたという。

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月の表側の地図。赤い線は8,900以上の崖、青い線は2,000以上の尾根の位置を示す。どれも月が冷えて縮む力などによってできた断層だ。Image credit::NASA/ASU/Intuitive Machines/Smithsonian / National Air and Space Museum

増え続けるシワが月の地震を引き起こす

 地球の表面は15枚以上のプレートに分かれていて、地震の約9割はプレートの境界付近で起きる。

 一方、月の表面は割れ目のない1枚の殻のようなプレートでできているため、月が縮んでできる断層は特定の場所に集まらず、月面のどこにでもできる。

 断層がずれたり、新しい断層ができたりすると、月震と呼ばれる月の地震が起きる。

 断層が月面全体に散らばっているため、月震は月のどこで起きてもおかしくない。

 ワターズ氏は、月の内部は今も冷えて縮み続けているため、断層は今も成長し、新しい断層もでき続けていると考えている。

 断層の分布や月震が起きる頻度がわかれば、NASAが計画している月面基地をどこに建てれば安全なのかを考える手がかりにもなるという。

 とはいえ、月が縮み続けて消えてしまう心配はない。

 月の半径は約1737kmあり、過去4億〜8億年で縮んだ約45mは、月の半径のわずか約0.003%にすぎない。

 ワターズ氏は2010年に月が縮んでいる証拠を発表したとき、月の内部が冷えるにつれて縮むスピードはゆるやかになり、いずれ完全に止まるだろうと予測していた。

 あくまで机上の計算ではあるが、仮に今のペースで月が縮小を続けても、完全になくなるのは約17兆年後だ。

 太陽の寿命はあと50億年ほどと言われているから、月が消えるよりずっと前に、太陽のほうが寿命を迎えてしまう。

 月がなくなっちゃう心配はしなくてよさそうだ。

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この記事へのコメント 1件

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  1. 50億年年後の生命にどうなったのか聞いてみたいが
    俺もだが人類自体が残ってるのかわからんな

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