この画像を大きなサイズで見る年齢を重ねるにつれ、夜中に目が覚めてしまい、ぐっすり眠れないことがある。
日本の九州大学の研究チームは、ヒノキの根の香りが、中高年女性の眠りの質を改善するという研究結果を報告した。
ヒノキの根から抽出した精油(アロマオイル)を就寝前に嗅ぐと、寝付きやすく、深い眠りに入れるようになり、夜中に目覚めている時間も短くなったという。
木材として伐採された後、捨てられることが多いヒノキの根だが、有効活用できるかもしれない。
この研究成果は『Journal of Wood Science』誌(2026年9月1日付)に掲載された。
参考文献:
- Japanese Hinoki root essential oil may support better sleep at home | EurekAlert!
中高年女性の睡眠の悩みと、捨てられていたヒノキの根
年齢を重ねると、夜中に何度も目が覚めたり、朝起きても疲れが取れていなかったりといった睡眠の悩みを抱える人は多い。
40代から50代になった女性は、睡眠の問題を抱えやすいことが知られている。
九州大学の清水邦義准教授らの研究チームは、日本を代表する針葉樹であるヒノキ(Chamaecyparis obtusa)の根に着目した。
ヒノキは高級な木材として広く使われているが、伐採された後の根は使い道がなく、そのまま朽ち果てるか、捨てられることが多かったが、根にも香りの成分が含まれており、蒸留して精油を取り出すことができる。
ヒノキの香りが人に与える影響は、以前から調べられてきた。
台湾の研究チームが2015年に発表した研究では、ヒノキの木部から取った精油を嗅いだ人は、血圧と心拍数が下がり、心地よくなるリラックス効果が得られた報告されている。
だが、根から取った精油はほとんど研究されていなかった。
そこで九州大学の研究チームは、香川県高松市の住宅メーカー、株式会社旺建からヒノキの根の精油の提供を受け、共同研究を行った。
この画像を大きなサイズで見る匂いを嗅ぎ、枕元に置いて眠る。2週間の睡眠テスト
研究チームは以前、実験室に近い環境で、1日だけ睡眠の質を調べたことがある。
しかし睡眠は、毎日の生活習慣や自宅の環境に大きく左右される。
そこで今回、35歳から60歳の日本人女性12人に協力してもらい、参加者の自宅の寝室で2週間続けて精油を使う実験を行った。
参加者は寝る前に、香川県産のヒノキの根から取り出した精油を紙コップに3滴たらし、10秒間香りを吸い込んだ。
眠っている間は、鼻から約30cm離れた場所に紙コップを置いておいた。
睡眠の状態は、頭に着けるヘッドバンド型の脳波計、スマートウォッチ、毎朝記入するアンケートの3つの方法で記録した。
同じ参加者は対照実験として、香りのないオイルも2週間使用し、研究チームはヒノキの精油を使った時と睡眠の状態を比べた。
この画像を大きなサイズで見る入眠効果と深い眠り。夜中に起きている時間も短縮
精油を使い始めて7日目には、眠った直後、深い眠りの時に出る脳波(デルタ波)が、香りのないオイルを使った時より多く出るようになった。
眠り始めにデルタ波が増えたことは、参加者が寝付きやすく、すぐに深い眠りに入れるようになったことを示している。
13日目には、夜中に目が覚めて起きていた合計時間が、香りのないオイルを使った時より短くなっていた。
また、参加者もアンケートで、朝起きた時の眠気が少なく、疲れが取れていると答えた。
参加者はヒノキの根の香りを、香りのないオイルよりもリラックスでき、心地よく、どこか懐かしい木の香りだと評価した。
捨てられていたヒノキの根が寝室用アロマになる可能性
清水准教授は、ヒノキの根の精油を自宅でくり返し使うと、寝つきが改善し、夜中に目覚める回数も減り、すっきりした目覚めを助ける可能性があると話している。
研究チームは今後の使い道として、ヒノキの根を使った寝室用のアロマ製品を考えている。
ただし今回の研究は中高年女性12人を対象にした予備的なものだ。
本格的な効果を調べるには、性別や年代のバリエーションを増やし、大規模な研究が必要になってくる。
そうなれば、睡眠補助に適した精油の量や使い方がわかってくるだろう。
木材として伐採された後、ほとんどが捨てられていたヒノキの根が睡眠に導いてくれるのなら、睡眠薬よりも安心だよね。
ただ、花粉症を引き起こす原因物質は精油にはほぼ入っていないものの、ごくまれに反応する人もいるみたいだから、その辺は注意が必要になるのかな。
あと、猫を飼っている人も残念ながら使わないほうがいいね。
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References: DOI.10.1186/s10086-026-02296-3 / 香川県産ヒノキ根精油が睡眠状態の改善に役立つ可能性 | 研究成果 | 九州大学(KYUSHU UNIVERSITY)

















編集長パルモのコメント
私もヒノキの香りに包まれながら眠りたいけど、猫がいるから無理だな。
猫は、アロマ(精油)の成分を肝臓で分解するために必要な酵素(UDP-グルクロン酸転移酵素)を十分に作ることができないと言われている。
そのため、空気中に広がった香りを吸い込んだり、皮膚から吸収された場合も害になる可能性がある。特にヒノキの精油に含まれるα-ピネンは、猫が分解できない成分の1つと言われているそうだ。