この画像を大きなサイズで見る約6600万年前に生息していた恐竜「ティラノサウルス」が、変温動物だったのか高温動物だったのかという長年の論争に、決着がつくかもしれない。
アメリカのカリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究チームが、ティラノサウルスの歯の化石を分析し、体温が人間とほぼ同じ約36度だったと推定した。
ティラノサウルスが、冬には極寒となるアラスカでも暮らせる温血動物だった可能性が、初めて具体的な数値で裏付けられた。
この研究成果は『Science Advances』誌(2026年9月16日付)に掲載された。
参考文献:
- Scientists finally know the body temperature of the Tyrannosaurus rex | UCLA
歯のエナメル質で体温を測る「古温度計」技術
恐竜は長らく、現代の爬虫類と同じように、太陽の光を浴びて体を温める変温動物だと考えられてきた。
変温動物は、体温が外気温に左右されるため、寒い地域では冬眠しなければ冬を越すことができない。
近年、鳥類が恐竜の子孫であることが明らかになるにつれ、恐竜は自分の体で熱を作り出し、体温を一定に保つ恒温動物だった可能性を指摘する声が大きくなっていた。
2022年には、骨に残された分子から恐竜の代謝率を推定し、ティラノサウルスは恒温動物だったとする研究も発表されている。
だが、ティラノサウルスの体温そのものを測る方法は、これまで存在しなかった。
カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のロバート・イーグル教授らは、化石から体温を割り出す、古温度計と呼ばれる手法を開発した。
古温度計では、重さだけが違う炭素と酸素の原子(同位体)同士の結合を調べる。
炭素と酸素の重い同位体同士の結合は、温度が低いほどできやすいため、体温が高い動物の歯ほど、同位体同士の結合の数は少なくなる。
動物の骨は生きている間に作り変えられ続けるため、研究チームは、長い年月がたっても化学的な変化を受けにくい「歯のエナメル質」に注目し、ティラノサウルスが生きていた当時の体温を割り出した。
この画像を大きなサイズで見るティラノサウルス「トーマス」の体温は約36度
博物館は、替えのきかない化石を削る調査には慎重な判断を求められる。
開発当初の手法では大量の化石を削る必要があったため、ティラノサウルスの歯を提供してくれる博物館はなかった。
そこで研究チームは約10年かけて手法を改良し、分析に必要な化石の量を約90%減らした。
歯の化石は骨よりも多く見つかっていることもあり、ロサンゼルス郡立自然史博物館は、全身骨格を展示しているティラノサウルス「トーマス」の歯のごく一部を提供することに同意した。
トーマスの歯を含むティラノサウルスの歯3本のエナメル質を分析した結果、歯が作られた時の体温を平均36.3度と算出した。
36.3度という体温は、人間の体温とほぼ同じ数値である。
現代の変温動物である爬虫類の体温が約28度から30度であるのに対し、ティラノサウルスの体温は明らかに高いことがわかった。
この画像を大きなサイズで見る古代のワニとの比較で、体内で熱を作っていた証拠を確認
白亜紀の地球は現在よりも温暖だったため、トーマスの体温が高かったのは、トーマスが暮らしていたアメリカ・モンタナ州の暑い気候のせいではないか、という疑問が残る。
そこで研究チームは、暑さの影響を確かめるため、トーマスと同じ地層で見つかった古代のワニの仲間の歯も同じ方法で測定した。
変温動物であるワニの体温は周りの気温に左右されるため、ワニの体温を調べれば、当時の環境の温度の目安がわかる。
その結果、白亜紀のワニの体温は約30度と算出された。
約30度という値は当時が温暖な環境だったことを示しているが、トーマスの36.3度より約6度も低い。
トーマスが体温が高い理由は、トーマス自身の体内で作られた熱によるものだと考えられる。つまり恒温動物の可能性が裏付けられたのだ。
この画像を大きなサイズで見る極寒のアラスカにも進出した活発な捕食者
ティラノサウルスが恒温動物だったなら、ティラノサウルスの暮らしぶりに対する見方も変わる。
イーグル教授によると、体温を保つには大量の食べ物が必要になるため、ティラノサウルスは獲物を追ったり死肉をあさったりしながら、活発に動き回っていた可能性あるという。
そして、恒温動物のティラノサウルスなら、獲物を長い時間追い続けることもできたはずだ。
映画『ジュラシック・パーク』で車を追いかけ続けたティラノサウルスの姿は、実際の姿に近かったのかもしれない。
また、ティラノサウルスが寒い土地にまで生息できた理由も納得だ。
研究チームによると、白亜紀は地球の歴史の中でも特に暖かい時代だったが、アラスカの冬は変温動物の恐竜が生きられないほど寒かったという。
実 際に、白亜紀のアラスカからはトカゲやカメ、ワニの化石は見つかっていないが、ティラノサウルスの化石は見つかっている。
研究チームは当時の気候を再現したモデルを使い、体温36度のティラノサウルスが暮らせた範囲を復元した。
復元された生息範囲は、メキシコからアラスカまで、北アメリカ大陸のほぼ全域に及んでいた。
ティラノサウルスは、自分の体で熱を作り出せたために、変温動物の爬虫類が生きられない極寒のアラスカにまで進出できたと考えるのが自然なのかもしれない。
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References: DOI.10.1126/sciadv.aeb7653














少し前の記事で「ワニの先祖は恒温動物」とありましたので、
恐竜とワニの共通祖先が恒温動物であったということですかね。
ワニの方は白亜紀辺りから変温動物になったと。
恐竜絶滅の原因は、隕石衝突などにより急降下した気温そのものではなく、
低温化により、大きな体を維持するための食料がなくなったということなのだろうか。
あれ、白亜紀のワニって恒温動物じゃなかった?
この前カラパイアでそういう記事見たんだけど
・生き延びるため。ワニの先祖は恒温から変温へと逆進化していた
ソースは、カラパイア 不思議と謎の大冒険ってとこだぞ😉
サイズが近いゾウの体温も36℃程度とのことだから
ゾウと似たような代謝だったのかな?
ティラノが変温動物だったらトカゲみたいに目閉じてぼーっと日向ぼっことかしてただろうから、今回はイメージが守られる形になったな
6600万年前の生物の体温を推定できるなんて、科学の進歩はすごいな
毛の生えた変温動物がおらず、恐竜には(羽)毛があったという説とも合致しますね。 まぁ、あれだけデカいと仮に変温動物だったとしても体温が気温程度まで下がりきるには結構時間がかかりそうですし、動くと発熱するから長時間の運動は(体温が上がりすぎると想像するので)苦手だったのだろうと思います。 かつての説がひっくり返って追認できる証拠がいろいろ上がってくるのもなかなか興味深くおもってます
でもティラノサウルスには毛があまり無いから。ティラノサウルスの首、腰、尾の皮膚化石が最近見つかっていて鱗があるからね。取り敢えず鳥のように全身に羽毛は生えていなかったことは確定した。
この体温ならティラノは毎日水をゴクゴク飲んでそう
やはりデッカイ鳥。
ティラノザウルスって紀元前8630万年前から同7210万年前に存在して地球の陸の支配者で変温動物だったとするより他の生物にとっては危険な存在だったと思うけが、1千万年も生肉うめーだけの世界だったのは本当にそうなのかと思う。
植物うめーもいたぞ
元の論文だと、「トーマス」の歯2本と別のティラノの歯1本の平均で36.3°、
ワニ類の方は5本の歯の平均が30.9°なんですが、実はうち1本が38.2°も出ています。
ちょっと外れ値っぽいですけど、ワニ類にも恒温性の奴がいたのかもしれません。
チタノザウルスなどの巨大恐竜である竜脚類とティラノサウルスの繁栄期は被っているから莫大な炭素生命によるバイオマス生産があったようだね。竜脚類はその餌の豊富さを利用して直径20cmほどの卵を年間50個ほど一カ所に産み落として放置したまま大移動する生存競争を取っていたと言われてるよ。
ウミガメ方式ってコト?
匂いですぐ見つかって捕食者に卵食われそう🤔
鳥のような献身的な子育てはしなくても
ワニくらいの緩めの保護はしてたかもね
産卵数もワニに近いから同程度の死亡率だったんだろうし
>白亜紀のアラスカからはトカゲやカメ、ワニの化石は見つかっていないが、ティラノサウルスの化石は見つかっている。
ドラえもんに出演したこともあるナヌークサウルスだな。