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ものの数分でプラスチックを完全に分解する新たな触媒が開発される

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(著) (編集)

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 安く丈夫で使い勝手の良いプラスチックは、それゆえに地球の至るところに入り込み、大混乱を引き起こしている。

 米国ノースウェスタン大学の研究チームは、現在最大の環境問題の1つとされるプラスチック汚染解決の一助となる新触媒を開発した。

 それが主なターゲットとするのは、衣服や日用品あるいは漁業用のネットなどに使われる「ナイロン6」だ。

 耐久性に優れ、分解しにくいプラスチックだが、新しい触媒なら、有害な副産物を作り出すことなく、ものの数分で完全に分解することができるという。

 分解されたプラスチックは、より価値の高い製品にアップサイクルすることだって可能なのだそうだ。

現代最大の環境問題の1つ、プラスチック汚染

 安くて、丈夫なプラスチック製品は、大変使い勝手がよく、それゆえに非常に身近な存在だ。しかし現在ではそうした長所が、かえって仇となってしまっている。

 プラスチックは自然にはなかなか分解されず、環境に蓄積されていく。マイクロプラスチックと呼ばれる小さな破片になったものは、地球の至るところに拡散し、人体にすらも入り込んでいる

 使い終わったプラスチックをどう処理するかは、現代社会が直面する喫緊の課題だ。そして米国ノースウェスタン大学のトビン・マークス氏が推奨するのはリサイクルだ。

 「私たちは、こうしたポリマーを分解して元の形に戻し、再利用できるようにする触媒を開発しています」(マークス氏)

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photo by iStock

魚網などに利用されるナイロン6を分解

 彼のチームが開発する新しい触媒のターゲットは「ナイロン6」だ。

 その名からわかる通りナイロンの1種で、丈夫で熱や薬品などにも強いという特徴ゆえに、衣服や日用品あるいは魚網などさまざまなものに使われている。

 幅広い用途がある一方、使い終わったナイロン6の廃棄は埋め立てが一般的だ。

 これでは環境を汚染する恐れがあるが、こうするしかないのには理由がある。燃やしてしまうと、窒素酸化物や二酸化炭素などの有害汚染物質が排出されてしまうからだ。

 一方、ナイロン6を分解する触媒が開発されたことはあった。

 だが、そうしたものはエネルギー面でコストが高く、非効率的だった。あるいは有毒な溶媒を使用するため、かえって環境を悪化させる恐れのあるものもあった。

プラスチックを酸で溶かすことはできますが、残った廃液をどうすればいいのでしょう? 目指すべきものは、環境に優しい溶剤なのです。

ですが、溶剤でないものより、環境に優しい溶剤とはどのようなものでしょう?(マークス氏)

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より価値の高い製品にアップサイクルできる

 マークス氏らが開発した触媒は、こうした問題点を克服している。

 それは地球に豊富に存在する安価な金属「イットリウム」と、「ランタノイド・イオン」(ランタノイドはレアアースの1グループ)を利用したもので、この触媒と一緒にナイロン6を加熱すると、ものの数分で完全に分解されてしまう。

 有害な溶剤を使うことも、副産物も出ることないクリーンなプロセスだが、それだけではない。

 モノマーにまで分解された元プラスチックの99%を回収することができ、より価値の高い製品にアップサイクルできるのだ。

 こうしたリサイクル品には大きな需要がある。環境問題に関心を持つ人々の間では、元の製品よりも人気があることもあるからだ。

リサイクル・ナイロンは、じつは普通のナイロンよりも価値があります。さまざまな高級ブランドが、それを衣服に使用しているくらいです(マークス氏)

 マークス氏は、すでにこの革新的なプラスチック・リサイクル法の特許を登録している。彼の願いは、これが世界で大きな問題となっているプラスチック問題解決の糸口になることだ。

 この研究は『Chem』(2023年11月30日付)に掲載された。

References:Durable plastic pollution easily, cleanly degrades with new catalyst – Northwestern Now / written by hiroching / edited by / parumo

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この記事へのコメント 12件

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  1. ナイロン66の合成は高校の有機化学の実験でやった人多いんじゃね

    合成は意外と簡単に出来るんだが、分解の話は当時受験に関係無かったんで全く授業ではやらなかった

    • +4
    1. >>2
      触媒なので大きな問題にはならないかと
      材料と違って一度設置したらほぼ無限に使える

      • +9
      1. >>3
        触媒自身、基質に含まれる不純物や使用時の環境によって
        少しずつ劣化していくから、いつかは限界がくる

        • +1
  2. サムネのアザラシ?が首飾りを自慢してるように見えるw

    • -1
    1. >>4
      みえるじゃろ? 実際にはそこがすれて血が止まらなくなって病気にかかったり
      子供がかかった場合は、動物の子供は爆発的に大きくなるので
      そのまま窒息死という未来しか待っていなかったりするのだよ

      • +4
  3. MCTオイルをカップ麺の中にに垂らした時に容器が溶けて驚いたんだけど、あんな感じなのかな

    • 評価
  4. こりゃ凄い。きちんと処理できる体制を整えれば、これ以上のプラゴミ増加は防げるだろう。問題はすでに投棄されたものだなあ。

    • +3
    1. >>8
      幸か不幸か、太平洋には太平洋ゴミベルトという海流の影響であらゆる漂流ゴミが漂着する地点がある。
      そこから定期的に回収して、またそこに溜まったらもう一度回収して…というので漸進的に解決できるかも知れない。漂うのもペットボトルや漁網なんかのプラスチック製品ばっかり。
      まあそこにはもうそのゴミの環境を生態系の一部にしている生物たちがいるんだけど…。

      • +7
  5. 実際に実用化してからもう一度教えてほしい
    こういう実用化前の話だけなら結構あるから

    • 評価
    1. >>13
      実用化するにも金はかかるし、出資者に興味を持たせるためにニュースにするのは有りよ

      • +1

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