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ミケランジェロが隠れていた「秘密の部屋」が初の一般公開。壁には500年前に描いたデッサン画

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 ダビデ像やシスティーナ礼拝堂天井画で知られた、イタリア・ルネサンス期の著名な芸術家、ミケランジェロ(1475年 – 1564年)が、1530年に数か月間隠れていたと言われている礼拝堂の秘密の隠れ部屋が1975年に発見された。

 その隠れ部屋のほとんどの壁に、ミケランジェロは多くのデッサン画を描き残していた。発見から48年経った今、ついに彼の芸術作品で満たされた聖域が一般公開されることになった。

政争に巻き込まれ死刑を宣告されたミケランジェロ

 1519年からフィレンツェのサン・ロレンツォ聖堂に付属する、メディチ家の礼拝堂を作り続けていたミケランジェロは、1527年に民衆の反乱によって打倒された後、フィレンツェに戻ったばかりのパトロンであるメディチ家の政争に巻き込まれていた。

 メディチ家の礼拝堂は「新聖具室」と「君主の礼拝堂」と呼ばれる2棟の建物の総称で、特に新聖具室は、建築家および彫刻家としてのミケランジェロの最高傑作の一つに数えられている。

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メディチ家の礼拝堂 / image credit:iStock

 包囲戦は長期化し、1530年8月10日にフィレンツェが降伏するまで10か月に及んだ。

 ミケランジェロは権力を取り戻したクレメンスとメディチ家の矢面に立たされ、1530年にローマ教皇クレメンス7世から死刑宣告を受けた。

秘密の隠れ部屋に3か月ほど身を隠す

 そこで彼は、教皇が処分を取り消すまで、3か月間ほど新聖具室の下にある秘密の部屋に身を隠した。

 その部屋は、縦10メートル、横2メートル、天井高2.4メートルで、通りに面した窓ひとつという小さな丸天井がついた狭い空間だった。

 ここがミケランジェロにとってのキャンバスとなり、彼は壁のいたるところにデッサン画を描き上げた。

 壁には炭化した木と赤いチョークを使ったようだ。ほとんどが実物大より大きく、その多くが重なり合っているが、古代の彫刻「ラオコーン」の頭部や「レダと白鳥」「ダビデ像」の反復など、自身の傑作を含むいくつかの具象作品が描かれた。

 すでにルネサンスの偉大な芸術家として知られていたミケランジェロだったが、隠れ部屋のデッサン画は公に知られることも記録されることもなく、実用に供された。

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the Bargello Museums, Florence / image credit:

20年間忘れられていたデッサン画が1975年に再発見される

 華麗なスケッチが描かれた隠れ部屋の壁は、新聖具保管室の下の落とし戸から通じるように仕掛けられていたが、2回ほど漆喰で塗りつぶされ、1955年まで石炭を貯蔵するための保管庫として使われていたため汚れていた。

 その後20年近く、その部屋は閉鎖され忘れ去られていた。

 しかし1975年11月、美術館の修復家たちが観光客の増加に対応するため、メディチ家礼拝堂美術館の新しい出口を探そうと、新聖具保管室の下を掃除することになった。

 そして壁から2層の漆喰を剥がしたとき、木炭画が発見されたという。

 当時のメディチ家礼拝堂美術館の館長パオロ・ダル・ポジェット氏は、それがすぐにミケランジェロの描いたものだということに気付いたそうだ。

 ポジェット氏は隠れ部屋の木炭画が人混みにさらされることで破損することを懸念し、この部屋を一般公開しないことを決めた。

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the Bargello Museums, Florence / image credit:

今年初めて一般公開されることに

 これまでは狭い空間ということもあり、絵が壊されるのを恐れて立ち入りが制限されていた。

 だが、新しい出口(彼らがこの部屋を発見した1975年に建設しようとしていた出口と同じもの)が完成し、近代的な技術が導入されたことで、隠れ部屋を管理された方法で一般公開することが可能になった。

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the Bargello Museums, Florence / image credit:

 部屋は11月15日から2024年3月30日まで試験的にオープンされる。

 一度に入室が許可されるのは4人までで、予約された時間帯に15分間だけの閲覧が可能だ。

 保存状態は細心の注意を払って監視され、2018年に設置された新しいLED照明は、長時間の暗闇と交互に短時間だけ点灯する。

 1週間に100枚しか入手できないチケットは合計38ユーロ(約6000円)で、こちらからオンラインで予約できるということだ。

References:Michelangelo’s Secret Room opens to the public/ written by Scarlet / edited by parumo

追記(2023/11/05)本文を訂正して再送します。

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この記事へのコメント 14件

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  1. ワシも若い時はダビデ像のような体をしておったが、今ではビビ デ ダビデ ブぅ~♪
     

    • -3
  2. すごい!これは死ぬまでに行きたい所リストのトップになった。
    そしてどうか、私の死後も永く残って!

    • +4
  3. へえ、こんな時代から間接照明とかオシャレじゃん

    • +1
  4. デッサンと表現されてるけど、隠れた時にモチーフが目の前にあるわけじゃなかっただろうからデッサンではないよね?
    木炭画というところだけあってるのでは?

    • -4
    1. >>8
      デッサン=スケッチじゃないんや
      「デッサン」と言う言葉の中にスケッチ・下書き・クロッキーなどの意味が含まれるようになっただけで、デッサンとはざっくり言うとほとんど色付けない線画の事なんや
      画材も木炭だけじゃ無くてチョーク、鉛筆、クレヨン、パステル、ペンとインク、墨と筆など幅広い
      元々は洞窟画のようにそれだけで完成品だったんだが、画家たちが絵画表現の探求や練習、
      作品の下書きとして行うようになったのが現在におけるデッサンのイメージを作ったのよ
      だからデッサンで間違って無いぞ

      • +9
      1. >>13
        へぇ~…知らんかった
        今度ドヤ顔でこの知識披露してみるわ

        • 評価
  5. マジで見に行きたいけどチケット取れんだろうな

    • +2
  6. 身を隠している間は暇だったんだろうな。そしてその時間をスキル向上に当てる。生き方と芸術活動が一体化しておられる。

    • +3
  7. 現代の電灯を使ってるから明るく全体が見えるけど、
    これを当時の心もとないロウソクの明かりの元で描いてたんだろうなって思うと、
    なおさらデッサンの忠実さに驚かされる。

    • +4
  8. 部屋に引きこもって壁に落書きしてたら500年後に美術展にされた件

    • +1
  9. 俺も絵がうまく書ければなあ!全然描けないし。

    • 評価

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