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ニオイで色の見え方が変わる。嗅覚と視覚に相互作用が起きていた

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(著) (編集)

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 イギリスで最近行われた実験によると、ある種のニオイは色の見え方を変えることがあるという。

 視覚や嗅覚といった感覚はお互いに影響し合っており、私たちの世界の感じ方を左右している。そのため、香り(嗅覚)のイメージが目の前の色の見え方(視覚)を変化させてしまうのだ。

 なぜそのような相互作用が起きるのかは完全に解明されていないが、それでも暮らしの中で漂ってくるニオイは、目に映るものの色を微妙に変えているという。

人間の感覚は相互に影響を及ぼしている

 人間の感覚(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)は、それぞれ独立して機能しているようなイメージがあるが、中には現実には色を味わったり、音を見たりできる人がいる。

 ある刺激に対して通常の感覚だけでなく異なる種類の感覚をも同時に生じさせる知覚現象のことを「共感覚(シナスタジア)」というが、ごく一部の特別な人が持つものと言われていた。

 だが、ある感覚が別の感覚によって左右されるということなら、その程度の差はあれど、実は誰にても備わっているものなのかもしれない。

 例えば、かき氷のシロップは香り(香料)と色(着色料)が違うだけで、実際にはどれも同じ味だ。

 このように色が味覚を左右することはよく研究されているが、色と嗅覚との関係はあまり知られていなかった。

 そこで英国リヴァプール・ジョン・ムーア大学をはじめとする研究チームは、それを探ってみることにした。

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photo by Pixabay

香りは色の感じ方にどう影響するのか?

 24人の男女が参加したその実験は、次のようなものだ。

 まず被験者は、画面が設置された暗い部屋に入る。すると入室から4分間ほど、空気清浄機がその部屋の空気をきれいにする。それから今度は5分ほど、香りが放出される。

 香りはキャラメル、チェリー、コーヒー、レモン、ペパーミント、あるいは無臭の水(比較用)のいずれかからランダムに選ばれたものだ。

 ただし被験者には、香りのことは何も伝えられていない。彼らが事前に指示されていたのは、画面に色が表示されるので、スライダーを操作して完全なグレーに調整せよというものだ。

 その結果、不思議なことが起きた。香りを漂わせたとき、被験者たちは完全なグレーとは程遠い色に調整しがちだったのだ。

 どうやら香りは、被験者の色の感じ方をそれぞれの香りのイメージに向けて歪めているらしかった。

 例えば、コーヒーの香りを嗅いだとき、グレーがやや赤茶色よりに感じられる。キャラメルなら、やや黄色みがかかって感じられる。

 全体的には、香りがあると、グレーはより暖色に調整される傾向があったという。

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photo by Unsplash

ニオイは色の認識に影響を与える

 こうした色の感じ方が香りのイメージに寄せられるという事実は、視覚や嗅覚といった感覚がお互いに影響しあっており、私たちの知覚を左右しているだろうことを示している。

 そもそも人間の脳は、周囲の世界を理解するために、いつも目や耳から入ってくる情報をまとめようと努めている。

 だから、暮らしの中で何気なく漂ってくるニオイが、知らず知らずのうちに私たちの感じ方に影響を与えていたとしても、ちっとも不思議ではない。

 例えばLEDの光でただの水を極上のカクテルに変えたりするなんてことが可能になる。

 ちなみに今回の研究では、どうしたわけかペパーミントは被験者の色の感じ方にほとんど影響を与えなかったそうだ。

 なぜ色の感じ方を左右する香りとそうでない香りがあるのか、これを解明するために今後は大規模な研究が必要になるとのことだ。

 この研究は『Frontiers in Psychology』(2023年10月6日付)に掲載された。

References:What You Smell Can Change The Way You Perceive Color : ScienceAlert / written by hiroching / edited by / parumo

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この記事へのコメント 15件

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  1. ミント系の歯磨きを使うと脳裏に青い湿布薬のイメージが広がるのは俺だけじゃないってことなのか

    • +2
    1. >>1
      チョコミントアイスはメチャ好きでもないけど拒絶するほど嫌いなわけでもない
      そんな私がチョコミントアイスを食べてて思うのは
      その時の気分で美味しいスイーツとして食べられる時と
      どうにも湿布臭くて複雑な気分になる時があることかなぁ

      • +1
  2. 同じ白色を黄色っぽい白に感じたり、ベージュっぽく感じるのもこれが原因か

    • +2
  3. 嗅覚は感情らも作用するし、当然見え方にも作用すると思う。
    コーヒーやキャラメルの香りはリラックス系なのでダークに見えるかも。
    香りの種類を増やして実験を続けてほしい。

    • +4
  4. コーヒーの香りの消すゴムのような食い物系の匂い消しがあったが
    あれを見て妙に食いたくなったのは俺だけでないはず

    • 評価
    1. >>4
      小学生の時に香り消しゴムをかじったことある人は多いと思う
      私は友達とどの香りが美味しいか情報交換してたよ!

      • 評価
  5. 食文化の影響かなりデカそうだね
    逆に色から味や匂いを連想してる話は割と聞くし相互的な物なのかも
    黒っぽい食べ物=チョコレートの人が餡子食べてギョッとするって云うアレ

    • +3
  6. つまり臭いおならで視界が黄色くなるのも科学的根拠が

    • +1
  7. >グレーがやや赤茶色よりに感じられる
    >グレーはより暖色に調整される

    これどういう事?
    より赤茶に感じられるなら、寒色に調整されると思うんだけど

    • +1
    1. >>9
      より赤茶の色がグレーであると認識するんだから暖色に調整されてるだろ

      • +1
    2. >>9
      論文でも、そこらへん意外な結果と書いてあるな。

      事前予想だと、認識が匂いから連想される色に引きずられて
      それを打ち消す補色へ過剰補正が行われるだろうとの仮説だった。
      ところが実際は、レモンやキャラメルは黄褐色寄り・
      チェリーやコーヒーは赤褐色寄りと、現物の色側へ寄った。
      そして何故か、これら赤黄色のイメージ食材とは毛色が違う
      青緑色イメージのミントまで、チェリーと似た赤褐色寄りで
      (ただし他の4つに比べれば、無彩からのズレは弱め)、
      無臭の比較群に比べ 有臭群は全般的に暖色系へ偏った。

      今回は5種類の匂いのみで全部暖色だったが、他だとどうか、
      何の香りだとも名状し難い 実在色と直結不可な匂いならどうか、
      調整可能な色彩要素は青⇔黄、緑⇔赤のみの課題で
      グレーの明度は固定だったが、これも可変にするとどうなるか、
      引き続きいろいろ研究すべき論点はあると。

      • +3
  8. かき氷、自分は不器用なせいだと思うんだけど、食べる時に香りと味を分けて感じる事ができないよ。
    なんでみんなできるのか不思議。
    だから目をつぶって食べて「味は一緒でしょう?」と言われても、どうしてもそう感じられない。

    • 評価
  9. 色々と疑問が出て来る興味深い実験だね。次は大規模にやるみたいだし続報に期待。

    • +2
  10. よくどこぞのラーメン漫画のセリフを引用してドヤ顔する人いるけど

    情報は大事なんだよ。逆に情報食ってない人間がどこにいるんだ?食ってない人間がいたとして、そいつの価値観がなぜ正しいと言い切れるんだ?プラシーボ効果もそうだけど、情報の重要性わかってんならそれ利用すべきだろ。否定するものじゃないんだわ。

    この話もそこ理解したうえでどう活かすか次第だよね。

    • 評価

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