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ギザの大ピラミッドが4600年間、大地震に耐えられた謎が判明

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Image by Istock SHANE P WHITE
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 ギザの大ピラミッドは4600年間、幾度もの大地震をほぼ無傷でくぐり抜けてきた。古代の建造物でこれほどの強度を保てた理由は長年の謎だった。

 地震の揺れは、地盤と建物が1秒間に揺れる回数が一致したとき最も増幅されて建物を壊しやすくなる。

 エジプトと日本の研究チームがピラミッドの内部から周囲の地盤まで37カ所で振動を計測したところ、大ピラミッドと周囲の地盤ではこの回数が大きくずれており、それが地震のエネルギーをピラミッドに伝わりにくくしていたことが判明した。

 さらに王の間の真上に設けられた特殊な空間が、伝わってきた振動をさらに弱める二重の構造として機能していたことも明らかになった。

 地震学も建築工学もなかった時代に、古代エジプト人が積み重ねた経験と知恵が、耐震に優れた建造物を生み出していたのだ。

 この研究成果は『Scientific Reports』誌(2026年5月21日付)に掲載された。

参考文献:

4600年間、大ピラミッドが保たれてきた理由

 エジプトの首都カイロ近郊のギザには、クフ王、カフラー王、メンカウラー王のために造られた三大ピラミッドがある。

 ギザの大ピラミッドはその中で最大のもので、クフ王のために造られた巨大な墓だ。

 高さ約147m、約230万個の石灰岩と花崗岩のブロックを積み上げたピラミッドは、完成からおよそ4600年が経った今も、ほぼ原形をとどめて立ち続けている。

 その間、ピラミッドは何度も大地震に見舞われた。

 1847年にはカイロ南方約70kmを震源とするマグニチュード6.8の地震が起き、周辺では人が死に、家屋が倒壊した。

 1992年にはマグニチュード5.8の地震がカイロ一帯を直撃し、500人以上が命を落とした。

 それでもピラミッド本体の損傷は、外壁の石が数個落ちた程度にとどまった。なぜこれほどまでに頑丈なのか、長い間、科学的な答えは出ていなかった。

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ギザの三大ピラミッドの配置図 Image credit:ElGabry et al., Sci. Rep. , 2026

ピラミッド内部と周囲37カ所で振動を計測

 エジプト国立天文地球物理学研究所の地震学者、モハメド・エルガブリー博士をはじめ、日本のエジプト考古学の第一人者、吉村作治氏を含む研究チームはピラミッドの内部と周囲の地盤の合計37カ所に精密な振動センサーを設置し、海の波や気候変動、人の動きといった日常的な微細な振動を記録した。

 計測場所は王の間、女王の間、地下玄室、外壁の石、周辺の地盤など、ピラミッドのあらゆる部位に及んだ。

 観光客が立ち入れないほど狭い、王の間の真上にある重量軽減の間にも、機器を慎重に押し込んで計測を行った。

 地震が建物に与えるダメージの大きさは、地盤と建物が1秒間に揺れる回数が一致するかどうかで大きく変わる。

 回数が一致すると「共振」が起き、揺れがどんどん増幅されて建物は壊れやすくなる。

 逆にずれが大きくなるほど共振が起きにくく、地震の揺れが建物に伝わりにくくなる。

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王の間の真上にある重量軽減の間で計測する研究者 Image credit:ElGabry et al., Sci. Rep. , 2026

ピラミッドと地盤の揺れる回数は大きくずれていた

 1秒間に揺れる回数を固有振動数といい、Hz(ヘルツ)という単位で表す。

 計測の結果、ピラミッドのほぼ全体で固有振動数は2.0〜2.6Hz、平均約2.3Hzで均一だった。

 一方、周囲の地盤は約0.6Hzと、ピラミッドの約4分の1しかなかった。

 地震が起きると、揺れは地盤を通じて建物へ伝わろうとする。

 しかしピラミッドと地盤の揺れる回数がこれほど大きくずれているため共振が起きにくく、地盤の揺れがピラミッドにうまく伝わらない。

 研究チームは、ピラミッドと地盤の揺れる回数の大きなずれが、4600年にわたる耐震性の根本的な理由の一つだと結論づけた。

 またピラミッドが石灰岩の岩盤の上に直接建てられていること、建物の重さの大半が地面近くに集中していて重心が低いこと、四方が対称の形をしていることも、揺れに対する強さを支えている。

 これらの設計要素が組み合わさることで、地震の力が構造物全体に均等に分散され、一カ所に集中して亀裂が入るリスクが大幅に減る。

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ギザの大ピラミッドの内部構造 ElGabry et al., Sci. Rep. , 2026

王の間は守られていた

 さらに興味深いことが振動の増幅パターンから明らかになった。

 地盤に近い場所では振動の増幅はほぼゼロだが、高さが上がるにつれて振動は徐々に強まっていく。

 地上約43mに位置する王の間では、基礎部分と比べて揺れの強さが約4倍に達する。

 この振動がさらに上へ伝わると構造全体が崩壊するリスクがあるが、王の間の真上にある「重量軽減の間」がそれを防いでいたのだ。

 重量軽減の間とは、王の間の天井に何千トンもの石の重みが直接かからないよう、天井の低い狭い空間を5層に重ねた構造だ。

 上からの圧力を逃がすために造られたこの空間が、地震の振動も吸収し、約4倍に達した揺れを約3倍にまで抑えていることが今回初めて数値で示された。

 石の重みと地震の振動、その両方を上へ逃がす二重の盾として機能していたのだ。

 一方、岩盤を直接掘り込んで造られた地下玄室では、振動の増幅がほぼゼロだった。

 石灰岩の岩盤と一体化しているため、地震のエネルギーがそのまま地盤に逃げていくためだとみられる。

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ギザの大ピラミッド Image by Istock Islam Moawad

偶然の産物か、古代のテクノロジーか?

 では古代エジプトの建設者たちは、耐震効果を意図して設計したのだろうか。

 研究チームは慎重な立場をとる。

 地震波や共振という概念が存在しなかった時代に、意図的な耐震設計を行ったという証拠はなく、地球物理学的な計測だけでその主張を裏付けることはできないと論文は明記している。

 研究チームは、古代エジプトの建設者たちが何世代にもわたる試行錯誤の中で、壊れない構造を知恵と経験によって築き上げたのではないかと考えている。

 岩盤の上に広い基礎を据え、重心を低く保ち、左右対称に積み上げるという手法は、地震を意識せずとも崩れにくい形として自然に選ばれていった可能性が高い。

 クフ王の墓は完成後3800年間、世界一高い建物の座を守り続けた。

 頑丈さの秘密は高さではなく、重心を低く保つ形状と、地盤との揺れる回数のずれという、本質的な設計の積み重ねにあったのかもしれない。

 あるいは未来のテクノロジーがどこかから伝わったというのであれば話は別かもしれないが。

References: Architectural and geotechnical aspects affecting earthquake resilience for the antique Egyptian Khufu pyramid

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この記事へのコメント 9件

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  1. 世界の七不思議のうち
    ギザの大ピラミッド・・・現存
    バビロンの空中庭園・・・詳細不明
    オリンピアのゼウス像・・・詳細不明
    アルテミス神殿・・・キリスト教徒が破壊
    マウソロス霊廟・・・地震で倒壊
    ロドス島の巨像・・・地震で倒壊
    アレクサンドリアの大灯台・・・地震で倒壊
    石造建築物でも壁の構造を石の自重に頼ってるものはどうしても地震に弱い

    • +1
  2. 不思議だよね。何万トンの石を積み上げたら、部屋の耐震強度保てないから空間なんて作ったら、空間ごと潰れると思うんだが。

    • 評価
  3. 共鳴というか共振、最近F1で大いに話題になった
    電子レンジも水分子の共振を使って温めてますね

    • 評価
    1. 震度3〜5強だから確かに高くはないな

      • -2
  4. 当時の建設者たちは、本格的なピラミッドを作る前に、様々な形の小さいサンプルを作るなどして、どれが揺れに強いかを調べたのだろうか?
    とにかく、まったくの偶然ではないとは思う。

    • +3
  5. ぜひ、次の原発に
    古い原発動かして騒がれるなら
    新しく作ったほうが良かったのに
    コロナ以降、世界危機続きで機を逃した日本
    どのみち電力は足りなくなるので作るしかないから
    できるだけしっかりしたものを

    • 評価
  6. ピラミッドは通信と発電装置
    古代に地球に不時着した宇宙人が故郷と通信し乗り物にエネルギーを充填するためにピラミッドを建てた
    王の墓というのは後から人間が内部を掘って利用しただけ
    なぜ墓なのか、それは蜃気楼
    砂漠に現れる蜃気楼を人々は黄泉の国と考えた
    蜃気楼のピラミッドは上下逆さまになる
    人が掘った内部構造は逆さまの状態
    蜃気楼発生時に死者の王が棺から蘇り、舟を漕ぎ、通路を上がって黄泉の国へ旅に出る

    • 評価

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