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ガラガラヘビは仲間と一緒だとストレスが軽減し不安が和らぐとする研究結果

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(著) (編集)

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 不安な状況に陥った場合、心許せる家族や友人がそばにいると、心強くなり、少しは安心感が得られるはずだ。こうした「社会的緩衝(かんしょう)」と呼ばれる現象は、哺乳類や鳥類といった社会性の高い動物ではよく知られている。

 ではヘビはどうだろう?

 今回、ロマ・リンダ大学などの研究チームが猛毒で恐れられている「ガラガラヘビ」で試してみたところ、意外にも彼らも仲間と一緒だと安心することがわかったという。

 『Frontiers in Ethology』(2023年7月6日付)で報告されたこの結果は、爬虫類にも社会的緩衝があることを示した最初の証拠かもしれないそうだ。

仲間がいると安心する社会的緩衝

 人間はもちろん、他の動物もストレスを感じるとホルモンを分泌し、肉体的な行動から神経系・免疫系にいたるまで、ストレスに対応するための反応を示す。

 ところが、そんな不安やストレスにさらされている状況であっても仲間がそばにいたり、スキンシップをとることで、ストレス反応が和らぐことがある。

 例えば映画で超絶怖いシーンがあった時、隣に友達がいてくれたり、手を握ってくれたら、少しは安心するだろう。

 こうしたストレスの軽減作用のことを「社会的緩衝(social buffering)」という。

 あまり知られていないが、ヘビにも複雑な社会性がある。ならばヘビも、仲間と一緒にいると安心するのだろうか? 今回の研究ではこれが実際に調べられている。

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特別な装置でガラガラヘビの心拍数を計測する研究チーム / Credit: Chlesea Martin

ガラガラヘビにストレスを与え社会的緩衝作用を確かめる実験

 ストレスを感じさせるというちょっと気の毒な実験に協力してくれたのは、野生で捕獲された25匹の「南太平洋ガラガラヘビ(Crotalus helleri)」だ。

 アメリカ南西部とメキシコ北部の乾燥地帯に生息するこのガラガラヘビは、体長60-120cmほど。非常に猛毒で、ヘモトキシンという溶血作用がある毒が血液や組織を破壊する。

 まず、これらのガラガラヘビをバケツに入れる。ただしこれは社会的緩衝を確かめる実験なので、バケツには「1匹のみ」「仲間とペア」「ロープと一緒」のいずれかで入れられる。

 ヘビがこの状況に慣れてきた頃を見計らい、バケツをプラスチックのパイプで叩いてストレスを与える。

 このときの心拍数やガラガラと威嚇音を鳴らす行動を観察する。一番変化が少なく、回復が速かったのは(=あまり不安にならず、すぐに安心した)のは、どの状況のヘビだったろうか?

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比較のために、このガラガラヘビはロープと一緒にバケツに入れられた / Credit: Chlesea Martin

ストレスを受けたガラガラヘビも仲間がそばにいると安心する

 その結果、一番安心していたのは仲間と一緒にバケツに入れられたヘビだった。どうやら野生のガラガラヘビにも社会的緩衝があるようなのだ。

 だが、ちょっと意外なこともわかっている。それは低地と高地に住むヘビや、オスとメスとで、特に違いが見られなかったことだ。

 じつは高地で暮らすガラガラヘビは、低地のものに比べて、集団で冬眠することが多い。またメスも子供を産むときは仲間と集まり、しばらくは子供と一緒に暮らす習性がある。

 そのため高地のガラガラヘビやメスは、社会性が高く、社会的緩衝の作用も大きいのではと推測されていたのだ。ところが、今回の実験ではこの予想は見事に裏切られた。

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危険とされるガラガラヘビもと一緒にいることを好む

 ロマ・リンダ大学博士課程の学生チェルシー・マーティン氏は、今回の結果について、ヘビの社会的行動パターンを理解するヒントになるとともに、ガラガラヘビのイメージアップにつながるかもと期待する。

 「危険なガラガラヘビはみんなから嫌われがちですが、この発見はそうした状況を変えてくれるかもしれませんね」

 ガラガラヘビも仲間と一緒にいると安心するという、なんだか親しみがわく研究結果だ。

ただし研究結果に弱点も

 だが、この研究にはいくつかの弱点もある。

 たとえば、一緒にバケツに入れられたヘビのペアは、かなり狭い場所にいた。

 そのため、そばにはいるが、体はお互いに触れていないようなときにも安心するのかどうかはわからない。

 また、ヘビ同士の普段からの仲の良さが、社会的緩衝にどう影響するのかも不明だ。こうしたことは今後の課題であるそうだ。

References:Frontiers | Social security: can rattlesnakes reduce acute stress through social buffering? / Stressed rattlesnakes found to calm down in the company of a nearby ‘friend’ / written by hiroching / edited by / parumo

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この記事へのコメント 14件

コメントを書く

  1. 蛇の道はヘビと言うではないか これ、女房!(^^)!

    • -1
  2. 大勢と一緒にいると不安が増す、社会不適合者の私、ヘビを見習う事になる。

    • +4
  3. エレベーターに二人きりでもちょっと気まずいのに知らん奴と密着は照れちゃうな

    • +1
  4. ガラガラヘビに初めて親近感を持ったかもしれない

    • +3
  5. 亀は良く沢山集まって甲羅干ししてるな。

    • +5
  6. 群れる必要が有る生き物なら自然と備わる性質なのでは

    • -1
  7. 一緒にいる仲間に対して、
    やさしい言葉で近づいて
    気づかないそのうちに
    誰でもコン!コン!コン!

    • 評価
  8. 狭いバケツに2匹だとストレスになりそうなのに違うのか
    相手は猛毒を持つわけだし
    ガラガラ蛇がガラガラ蛇を噛むことはないのかな?

    • +4
  9. 映像で岩の隙間に集まって暑さをしのいでる(逆に暑くないと思ったり)映像を見るにアレが落ち着くのか・・・

    • +1
  10. 蛇ですら社会性を持ってるのに、わしはなんなんや

    • 評価

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