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過去最大級の巨大ペンギンの新種の化石が発見される。体重なんと150kg越え

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(著) (編集)

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 ニュージーランドの海岸の岩から新種のペンギンの化石が2種発見された。そのうち1種は知られているものとしては過去最大級のペンギンで、体重は約154 kgと人間をはるかに上回る。

 このペンギンは5950万~5550万年前のものと推測されており、白亜紀末の5度目の大量絶滅の後に誕生したと思われる。

 彼らはなぜそれほどまでに巨大化したのか? その謎をヒモとけば、現在の海にはない生態系があった可能性など、進化の不思議な物語が見えてくるようだ。

 この研究は『Journal of Paleontology』(2023年2月8日付)で報告されている。

海岸の岩から巨大な新種ペンギンの化石を発見

 2種の巨大ペンギンの化石は、ニュージーランド、ノース・オタゴの海岸にあった5700万年前の石の中から発見された。

 化石は5950万~5550万年前のもの。つまりこのペンギンは、白亜紀に恐竜が絶滅してから500万~1000万年後に生きていたということだ。

 化石のレーザースキャンから作成された骨格のデジタルモデルを、現代のペンギンやウミスズメなどと比べてみると、驚愕の事実が明らかになったという。

 大きい方のペンギンのフリッパー(ペンギンの翼にあたる部分)から推測すると、その体は154キロもあったと考えられるのだ。

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発見された巨大ペンギンの切り抜きと並ぶダニエル・フィールド博士 / image credit:Bruce Museum

 よちよちと可愛らしいイメージがあるペンギンだが、過去にはやはりニュージーランドで「人間の女性並みの体重80kgのペンギン」が発見されている。

 だが新種のペンギンはそれらすら優に上回る。現生のペンギンで一番背が高く、全長1.2m、体重22~45キロあるコウテイペンギンが子供に思えてくるほどだ。

 「化石は生命の歴史を伝える証拠をもたらしてくれますが、ときに仰天するような証拠であることもあります」と、ケンブリッジ大学のダニエル・フィールド博士は話す。

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現代のコウテイペンギン photo by iStock

2種の巨大ペンギンの名前を命名

 この史上最大のペンギンは「クミマヌ・フォルディケイ(Kumimanu fordycei)」と命名された。この分野では伝説的存在であるオタゴ大学名誉教授ユアン・フォーダイス博士に敬意を表したものであるそうだ。

 新種ペンギンはもう1羽発見されており、こちらは「ペトラディプテス・ストネホウセイ(Petradyptes stonehousei)」と命名された。体重は50キロで、クミマヌよりは小さいが、それでもコウテイペンギンより大きい。

 ペトラディプテスという名の由来は、ギリシャ語の岩(petra)とダイバー(dyptes)を組み合わせたもの。海に潜る鳥が岩の中で発見されたことを示す遊び心のある名前だ。

 ストネホウセイは、コウテイペンギンの繁殖プロセスを世界で初めて観察した故バーナード・ストーンハウス博士にちなんだものだ。

 これら2種のペンギンは、ペンギンの進化の初期段階で大型化しただろうことがわかっている。

 フリッパーが細く、筋肉の付着部分が空を飛べる鳥に似ているなど、原始的な特徴が残されているからだ。つまりペンギンらしいフリッパーを身につける何百万年も前にとんでもなく大きくなったということだ。

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左から、クミマヌ・フォルディケイ、ペトラディプテス・ストネホウセイ、現代のコウテイペンギンの骨格図 / image credit:Simone Giovanardi

なぜペンギンは巨大化したのか?

 ブルース博物館のダニエル・クセプカ博士によると、ペンギンが巨大化したのは、水中での暮らしに都合が良かったからと考えられるのだそう。

 体が大きければ、それだけ大きなエサを食べることができる。そして何より冷たい水の中で体温を保ちやすい。

 最古のペンギンがニュージーランドから世界各地へと広がれたのは、45キロの壁を突破できたからとも考えられるそうだ。

 マッセー大学のダニエル・トーマス博士は、より大きな視点から興味深い絵図を思い描いている。

 たとえば現代の海に生きている大型の温血動物は、かなり深くまで潜ることができる。

 このことから、クミマヌが生きていた時代には現代にはない海の生態系があり、彼らは深く潜ることで現生ペンギンはありつけないエサを食べていたのでは? と推測できるのだ。

 ではなぜ今のペンギンはずっと小さくなってしまったのか? その理由はじつはよくわかっていない。

 いずれにせよ、5700万年前のニュージーランドの砂浜に巨大なペンギンがたたずむ姿は、さぞやSNS映えしたことだろう。

 フィールド博士は、「今後もさらに化石が見つかり、この驚くべき初期のペンギンの生態にもっと光が当たればいいと思います」と述べている。

References:New Species Discovered: The Largest Penguin That Ever Lived / Paleontology powerhouse honoured by former students, Home, Otago Bulletin Board, University of Otago, New Zealand / written by hiroching / edited by / parumo

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この記事へのコメント 18件

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  1. 複数体発見されたのかな?
    そうじゃなくて1体だけだとなると、人間で言うところの巨人症みたいに何らかの異常で偶々大きく育った可能性も考えられる気がする。

    • -7
    1. >>1
      化石になる(なれる)確率と、その化石が数千万年残る確率はともに凄い奇跡的な確率なんだ
      その奇跡の中に奇跡的に異常に巨大化した骨が残る奇跡の確率って胸躍るけど、現実的に考えたらまずないかな…

      • +2
    2. >>1
      一体でも信頼度が高いと認可される

      • 評価
  2. いわゆる、ジャイアントペンギンだっけ?

    • +1
  3. 翼竜が飛ぶのやめて泳ぎだしたか
    首長竜が首縮めてペンギンになったのかな

    • -4
    1. >>4
      カツオドリのように海に飛び込む翼竜が、更なる大型翼竜に狙われるのを避ける為に、飛ぶのを諦めたのかもね。

      カツオドリもペンギンに良く似た見た目だし

      • -2
  4. 恐鳥類(ガストルニスなど)もこの時期なので、恐竜が占めてた大型捕食動物のニッチを鳥類が埋めようとしてた。あと比較的温暖期だったのもあるんじゃないかな>大型化

    • +1
  5. ペンギンが大型化したのはジーランディアに天敵となる哺乳類がいなかったのとこの大陸が沈む過程でできた広大な浅海域が良い餌場になったからかな。大型海竜のいた時代に大型化したヘスペロルニスは何でなんだか。

    • 評価
    1. >>8
      敵のいる環境でも大型化は普通に起きるのでは。
      ゾウガメのように敵が居ない環境で大型化する場合もあるけど
      ゾウのように大型化が身を守る役に立つ場合もあるし。
      ニッチの近い強力なライバルがいる場合は新参者は不利かもだけど。

      • +1
  6. クミマヌって口に出すとめちゃくちゃ言いづらいな

    • +4
  7. 人間とほぼ同じ体重………勝てるだろうか。

    • 評価
  8. 1トンくらいだろうと期待したんですがねぇ

    • 評価
  9. つまり、体重100kgを超えるような俺のようなデブは貴重ってことか!
    いやぁ照れるなぁ
    唐揚げ弁当もう一個買ってきて人類史に貢献するわ
    大盛りでな!

    • -2
  10. 鳥って陸海空制覇してんじゃん
    最強の生物なんじゃないか?
    ダチョウなんて病気に罹らない上にケガもすぐ治るらしいじゃん
    地球の覇者だろ

    • 評価
  11. ミナミゾウアザラシのニッチをペンギンが占めていたと考えれば「なぜ大きいのか?」って疑問は無くなる

    「なぜ今のペンギンは小さいのか?」って疑問だが巨大化しないと体温が維持できなかったとするなら現生のペンギン種よりも原始的な構造の羽毛で見た目は全く違ってた可能性もある

    むしろ巨大化して頂点捕食者に近づく程環境の変化による飢餓への耐性が下がる事が弱点になって絶滅したとも推測できる

    • 評価
  12. 巨大化したのも興味があるけど、ペンギンがいつから膝を曲げて歩きだしたのかも気になる。

    • 評価

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