2023年の宇宙探査ミッション
 2022年は、アルテミス1号ミッションの始動、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の運用開始、中国の宇宙ステーション「天宮」の完成など、宇宙開発が大きく進んだ年だった。

 だが2023年も負けず劣らず、さまざまなイベントが目白押しだ。ここでは中でも特に注目したい、最高にエキサイティングな5つのミッションを見ていこう。

1. 木星氷衛星探査機「JUICE」

 2023年4月、欧州宇宙機関ESAは、木星の氷の衛星を探査するべく「JUICE(Jupiter Icy Moons Explorer)」を打ち上げる予定だ。

 JUICEは地球 > 地球 > 金星 > 地球 > 地球とフライバイし、2031年に木星軌道に到着。そこから木星の衛星「カリスト」と「エウロパ」をフライバイし、2034年に「ガニメデ」の周回軌道に入る。
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image credit:NASA
 これらの氷の衛星がひときわ興味深いのは、凍った表面の下に液体の水の海があると考えられるからだ。とりわけエウロパは、太陽系で地球外生命の存在が期待される最有力候補だ。

 JUICEには、氷の下の海を調査するための10種以上の観測機器が搭載されており、それらの開発やデータ分析には日本人の研究者も関わっている。

 JUICEの観測によって氷の下の海がマッピングされれば、いずれは潜水艇を使うといったよりSF的なミッションにもつながるかもしれない。

2. SpaceXの超重量級宇宙船「Starship」の軌道試験飛行

 12月27日の時点でまだ正式な発表はないが、SpaceX社が開発を進める超重量級宇宙船「Starship」の最初の軌道試験飛行は、2023年初頭になると期待されている。

 完成したStarshipは、地球から宇宙の目的地まで人間を運んでくれる史上最大の宇宙船になる(国際宇宙ステーションはもっと大きいが、これは宇宙で組み立てられた)。

 また、地球低軌道まで100トンの物資を持ち上げられるという点でも、もっとも強力な宇宙船だ。
 Starshipは、人間と物資を載せる宇宙船「Starship」と、ブースターである「Super Heavy」の2段で構成されている。

 Super Heavyは、Starshipを地上から65キロ上空まで上昇させると、分離して地球に帰還。その後、Starshipだけが内蔵エンジンで飛行し、軌道に到達する。

 Starshipの試験飛行ならこれまでにも何度か行われたが、システム全体での宇宙飛行は、今度の実験が初めてとなる。

 なお、初の軌道実験飛行は当初2022年9月に予定されていたが、諸事情よってこれまで延期されてきた。

3. 前澤友作氏の月旅行ミッション「dearMoon」

 実業家の前澤友作氏が構想した月旅行ミッション&アートプロジェクト、それが「dearMoon」だ。

 前澤氏本人と公募で集められたアーティストたちが、月を周回して地球に帰還する。

 打ち上げは2023年が予定されているが、本計画にはSpaceX社のStarshipが使用されるため、実際の時期は宇宙船の開発状況に左右される。

 もし成功すれば、民間主導で行われた人類初の有人月飛行となる。

 1000億円とされる資金はすべて前澤氏が提供し、参加するアーティスト8名とバックアップクルー2名は世界中からの応募者100万人の中から選出された。
 前澤氏自身はすでに民間の日本人として初めて国際宇宙ステーションに滞在した経験があるが、今回の目的地はさらに遠い。

 これまで厳しい選考を経て選ばれた宇宙飛行士しか行くことができなかった月なのだ。

 それは健康面でも技術面でも大きなリスクをともなう挑戦だが、成功すれば宇宙旅行に対するイメージを大きく変えてしまうかもしれない。

4. 小惑星探査機OSIRIS-RExが地球に帰還

 NASAの「オサイリス・レックス(OSIRIS-REx)」は、小惑星ベンヌからのサンプルリターンを目的とする探査機だ。つまりベンヌの一部を回収し、それを地球に持ち帰ることが最大の任務である。

 そのうち前半の部分は無事完了している。

 OSIRIS-RExは現在、最大1kgの貴重なサンプルを携えて地球への帰路を急いでいる最中だ。

 順調にいけば、9月24日にサンプル入りのカプセルを大気圏に投下し、米国ユタ州の砂漠にパラシュートで届けられることになる。
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image credit:NASA
 ちなみに、これまで小惑星のサンプルリターンに成功したのは、日本の宇宙航空研究開発機構JAXAが運用する「はやぶさ2」だけだ。

 ベンヌは0.5キロほどの菱形の小惑星で、興味深い特徴がいくつもある。

 その起源はもっと大きな小惑星で、ベンヌは太陽系誕生から1000万年のどこかの時点でが分離したと考えられている。

 そこに含まれる鉱物は、水によって変化した痕跡があり、ベンヌを産み落とした小惑星にも液体の水があっただろうことがうかがえる。

 また、金やプラチナなどの貴金属も豊富に含まれている。一方、潜在的に危険な小惑星でもあり、確率は非常に低いものの今後100年で地球に衝突する恐れがある。
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黄金の宇宙岩、ベンヌ / image credit:NASA/Goddard/University of Arizona

5. インドの民間宇宙開発

 民間の宇宙企業といえばSpaceX社が有名だが、世界ではほかにもさまざまな企業が宇宙進出を目指している。

 たとえば、2022年11月にVikram-Sロケットの打ち上げに成功したインドの「Skyroot Aerospace」社もその1つ。同社はインドの民間企業として初となる人工衛星の打ち上げを予定している。
 2023年に打ち上げが予定される同社初の人工衛星は、ほかのライバルよりも安いコストで宇宙進出を実現するという目標が掲げられている。

 その方法とは、なんと3Dプリンターで数日のうちにロケットを製造することである。首尾よく行けば、科学的なミッションをより安価に行えるようになり、研究のスピードアップが期待できる。
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photo by Pixabay
 今、宇宙分野は大きく盛り上がろうとしている。

 2023年にはさまざまな野心的な挑戦が予定されており、米ソが宇宙開発で熱い火花を散らせた1960年代や70年代の「黄金時代」のような新たな展開を迎えようとしている。

References:Five space exploration missions to look out for in 2023 / written by hiroching / edited by / parumo
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コメント

1

1. 匿名処理班

  • 2022年12月30日 20:33
  • ID:GD37qKEX0 #

月面着陸から半世紀以上たってもこの程度しかできないのか?

2

2. 匿名処理班

  • 2022年12月30日 21:20
  • ID:9R1raVsn0 #

H3ロケット初号機が1月だったような。

3

3. 匿名処理班

  • 2022年12月30日 22:09
  • ID:P1XOXqHS0 #

探査ミッションじゃないのがだいぶ混じってる

4

4. 匿名処理班

  • 2022年12月30日 23:12
  • ID:gzSA8Gbl0 #

エウロパ、ぜひ観測結果をこの目で見たいものだ
あと3Dプリンターに少し触れているけど、これで将来的に部品の制作費が平均して1/10まで抑えられるそうだ
組み立てはボルトやナット、リベット、溶接が必要で工程が多いしスペースがいる
また削り出しならこれらは省けるけど、製作工程が複雑で最初は大きな塊を鋳造するためコストがかかる
そういったことを3Dプリンターなら簡素化、軽量化、低コスト化できる

余談だが、将来3Dプリント屋さんが街に出来ると思っている
小さな部品、歯車やねじ、止め金具など壊れたものを持っていくとスキャンして複製してくれるような
リモコンの蓋、はさみの握り、洗濯機のギアなど売ってないか、あるいは丸ごと買い替えるようなものが手に入る
そんな店が出来るだろう

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5. 匿名処理班

  • 2022年12月31日 09:58
  • ID:vbczncpX0 #

はやぶさ2「俺は仲間らの世界に旅立ったが意思は未来栄光繋がるぜ」

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6. ナパチャット

  • 2022年12月31日 14:24
  • ID:P6YJQ9Ol0 #

>>1
じゃあ君がやれば良いじゃないですか?
誰も止めてませんよ

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7. 匿名処理班

  • 2022年12月31日 17:20
  • ID:0HeQ5YmF0 #

遂に発見、地球外生命

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8. 匿名処理班

  • 2022年12月31日 20:56
  • ID:MWIdU3TX0 #

「はやぶさ」も、サンプルリターンに成功しましたよ。

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