
2022年9月26日19時14分(日本時間9月27日8時14分)に、NASAの小惑星探査機「DART」は、小惑星「ディモルフォス」に突撃する。その衝撃で小惑星の軌道をずらすことができるのか?決死のミッションだ。
だがDARTは孤独の中、たった1人で宇宙の藻屑と消えるわけではない。この勇姿を最後まで見届ける相棒がいるのだ。
それが超小型人工衛星「LICIACube(Light Italian Cubesat for Imaging of Asteroids)」だ。
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小惑星衝突の瞬間をリアルタイムで撮影
重量14キロの超小型人工衛星「LICIACube」は、DARTにおぶさったまま打ち上げられた。それが展開されたのはつい先日、9月11日のことだ。「LICIACube」は2台の光学カメラを搭載しており、衝突の様子を地球の科学者にリアルタイムで伝える。
現在NASAの探査機「DART」は小惑星「ディモルフォス」へ向けて飛行しているが、LICIACubeはDART最後の瞬間を見届けるべく、その1000キロ後を追跡する。
直径160メートルのディモルフォスは、約800メートルの「ディディモス」を12時間かけて公転する二重小惑星(連星小惑星)だ。もしDARTがディモルフォスに命中すれば、その衝撃で公転速度が速まると予測されている。
これはディモルフォスがディディモスの前を通過したときの光のかげりを観察すればわかる。
だが、もっと詳しい衝突の影響を知るには直近で観察しなければならない。その役目を担うのがLICIACubeだ。
LICIACubeは、DARTが衝突した3分後に55キロの距離までディモルフォスに接近。およそ10分間、衝突によって生じた噴煙やクレーターなどを撮影する。
LICIACube, missione interplanetaria tutta italiana
危険な小惑星から地球を守る
いつの日か、危険な小惑星が地球めがけて飛来するかもしれない。そのとき人類が滅亡から逃れるためにも、DARTミッションは非常に重要な意味を持っている。現在、地球近傍天体は2万個以上が知られているが、そのほとんどは詳しい軌道が判明している。ところが、そうした天体そのものについては、ほとんど未解明なままだ。
天体がどのような物質できており、何かが衝突したときどのような挙動を示すのか、まるでわからないのだ。
たとえば2020年10月、NASAの探査機「オサイリス・レックス」が小惑星「ベンヌ」に着陸した。ベンヌは2199年までに地球に衝突する可能性があるとされている不吉な小惑星だ。
このとき、ベンヌ表面が想像以上に柔らかく、オサイリス・レックスが危うく飲み込まれそうになるというアクシデントが発生した。
OSIRIS-REx Touches Asteroid Bennu
柔らかい表面は衝撃を吸収してしまうので、こうした小惑星の軌道をズラすのは想像以上に難しいとの予測もある。
何もわからないのはディモルフォスについても同様だ。
特にこの小惑星は、小さすぎて、主星であるディディモスと区別して観察することが難しいと、エピファニ氏は説明する。
だからLICIACubeで衝突の様子を直接観察することが重要なのだ。

2機の探査機が協力して宇宙の秘密を解き明かす
ディモルフォスはベンヌのような「ラブルパイル天体」だと考えられている。つまり、小惑星ディディモスから割れた岩石や土が、重力でまとまって形成されたものだろうということだ。だがサイズが小さいので、まとまる力は非常に弱い。そこへDARTが命中したとき、どれほどの衝撃がくわわり、どれだけの物質が宇宙に飛散するのか、まだよくわかっていない。それを観察するのが、LICIACubeの任務だ。
DARTとLICIACubeの協力によって、地球近傍にある連星小惑星の詳細な物理特性が、史上初めて分析されることになる。その性質がわかれば、その形成や進化についてもヒントが得られるだろうとのことだ。
DARTの小惑星激突ミッションは、2022年11月24日より、以下のYoutubeチャンネルでライブ配信されるので要チェックだ。
Watch NASA’s DART Mission Launch (Double Asteroid Redirection Test) Official Broadcast/Stream
References:LICIA Cube will witness DART smash into asteroid Dimorphos in real time | Space / written by hiroching / edited by / parumo
追記(2022/09/27)
衝突成功!
日本時間、9月7日午前8時14分、探査機DARTが時速約2万3500kmの速さで、ディモルフォスに衝突したことが確認された。撮影された映像から、ディモルフォスは衝突の約1時間前は小さな点ほどの大きさだったが、衝突の数分前にはその形状やごつごつした表面が鮮明にとらえられていたことが分かる。
ディモルフォスは11時間55分かけてディディモスを公転しているが、NASAは今回の衝突によって、その周期が10分ほど短くなると予測している。Incredible, the last few images from DART as it crashed into the asteroid Dimorphos!!!!! pic.twitter.com/8j5yaoUpfV
— jack ryan 🙏 (@dctrjack) September 26, 2022
実際に周期が変わったかどうかは、今後地上の望遠鏡で確認するそうだ。
あわせて読みたいIMPACT SUCCESS! Watch from #DARTMIssion’s DRACO Camera, as the vending machine-sized spacecraft successfully collides with asteroid Dimorphos, which is the size of a football stadium and poses no threat to Earth. pic.twitter.com/7bXipPkjWD
— NASA (@NASA) September 26, 2022





コメント
1. 匿名処理班
まぁ、大丈夫だとは思うけど・・・一応スタンパー・OIL社に電話しといて。
2. 匿名処理班
ストラトスフォーが現実になるのか。
3. 匿名処理班
こんな大仕事は宇宙飛行士には無理だ。俺たち掘削作業員に任せろ。
4. 匿名処理班
この技術使ってどっかの国に小惑星落としたりできるの?
5. 匿名処理班
リンダキューブに空見した
6. 匿名処理班
衝突だと大量のデブリが発生して、二次的な被害につながるかもしれない。
はやぶさみたいな推進器を軟着陸させて、永続的にゆっくりと軌道を制御できないものか。
エンジンの噴射剤はイオン化できるものなら何でもいいから現地調達できるかもしれない。
※4
3次元空間でビリヤードするより難しいよ。終末誘導もできないから落下させる場所も選べないね。
7. 匿名処理班
※4
発想としては面白いけど、小惑星を利用するのは難しいだろうね
正確に誘導するにはいい感じの角度で地球に接近して来るものを待たなければならない
それよりは、もうすでに宇宙空間にあって決まった軌道を描いている物を対象にしたほうが良いだろう
例えば人工衛星みたいな
8. 匿名処理班
衝突後の詳しい様子はESAのHera探査機が2026年に接近して観測する予定
>>6
>軌道を制御
はやぶさ2のMASCOT・ミネルバ兇めり込まずに着地しているので、固定することが出来れば可能でしょう。
9. 匿名処理班
こいつ地球に向かって来てたのか!?ってビビったので検索してみたけど
すぐに衝突の危険性があるわけじゃなく、地球と近くて警戒してる星(ディディモス)の衛星を、今後の予行練習として動かしてみる…って事でいいのかな
そのデータなんかが今後に役立つと
10. 匿名処理班
※4
やってみる価値はありますぜ ! (人でなし)
11. 匿名処理班
名付けて「ハスラー作戦」( ー`дー´)キリッ
12. 匿名処理班
単純に物理法則から質量と衝突時のスピードによるんじゃ
13. 匿名処理班
※6
この小惑星の軌道上にデブリが発生してなんか困る事でもあるんか?
14. 匿名処理班
小惑星の破片から始まって
カン、カン、カン、カン、ガン、ドカン
弾き飛ばされた木星が向かってくるの。
15. 匿名処理班
※4
現代の技術力ではその予算と難易度のハードル、そして非確実性よりももっと有効な手段があると思う
16. 匿名処理班
※12
今回の場合みたいに小惑星が柔らかいと、DARTが小惑星に埋もれる可能性がある
弾性衝突じゃないから、ビリヤード玉の衝突に比べて予測が難しい
※13
本番では地球にニアミスする小惑星を狙うから、小惑星の軌道を逸らしても
破片の一部は地球周辺の人工衛星に降りかかって…
まあ、迎撃するのが十分遠方なら要らぬ心配だね
17. 匿名処理班
なんとか近寄ってきた小惑星を捕獲して、改造して宇宙船に出来ないものか
人類が他の惑星に行くには利用するしかない
18.
19. 匿名処理班
👽「他の惑星に迷惑かけんといてね」
20. 匿名処理班
そうそうあることではないが実際恐竜が隕石のせいで絶滅してるからなあ
備えておくに越したことはない
21. 匿名処理班
ある意味必然的な隕石衝突を自在に回避できるようになれば数万年単位で人類史が伸びるかもね
あらゆる生物を守ることになるからある意味環境保護活動とも言える…かも
22. 匿名処理班
ISSが退役になったら突入体として保存しとけばいいんじゃないかな。
23.
24. 匿名処理班
小惑星が
珊瑚虫のような生命体だったら
「やんのかコラ!」っつーて
地球に向かってこないか心配
25. 匿名処理班
はやぶさ2のインパクタの衝撃で「りゅうぐう」はどうだったんだか
26. 匿名処理班
ギエロン星獣とかアンノンみたいなのが地球に飛来してきたりなんかして
27. 匿名処理班
※3
I don't wanna close my eyes
I don't wanna fall asleep
'Cause I'd miss you, babe
And I don't wanna miss a thing〜♪
(エアロスミス)
28. 匿名処理班
さようなら・・NASAさん
29. 匿名処理班
>>2
ストラトスフォー、懐かしいな
30. 匿名処理班
※25
あんな小さな弾じゃ影響ないでしょ。
31. 匿名処理班
あい くっどぅ すてい あうぇいく
じゃすと とぅ ひぁー ゆー ぶりーずぃんぐ
32.
33. 匿名処理班
まあ本当に
実験だったら、、、ね苦笑
34. 匿名処理班
※33
役にも立たない。説得力もない陰謀論とか妄想論以外で実験以外になにか利点や理由があるんです?
35. 匿名処理班
※4
それ、なんて遊星爆弾?(古っ!
36. 匿名処理班
ブルース・ウィリスが100人くらい居れば月が落ちてきても大丈夫だ
37. 匿名処理班
最終目標は「地球に落ちないように回避すること」じゃなくて
「都市1つくらいに被害が出る程度の破片を狙ったところに落とすこと」だったりするんじゃないの?