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ツキノワグマの檻に住み着き、いつの間にか「ボス」になっていた猫の物語(ベトナム)

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(著)

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Instagram@littlesketchbookwalker
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 ベトナムにあるサイゴン動物園のツキノワグマのエリアでは、かつて来園者からの緊急通報があとを絶たなかった。巨大なクマたちが徘徊する柵の中に、一匹の小さな茶トラ猫が入り込んでいたからだ。

 しかし、猫にとって、そこは危険な場所ではなく、自ら選び取った住処だった。

 茶トラには珍しいメスのミカは、クマたちと時間をかけて信頼関係を築き、今や一目置かれるリーダー的な存在として君臨しているのだ。

クマのエリア内で堂々と暮らす茶トラ猫

 世界各地を旅して、スケッチブックに絵を描くアーティストのイーティンさんは、ベトナムのホーチミン市にあるサイゴン動物園を訪れた時、目を疑うような光景を目にした。

 ツキノワグマたちが暮らすエリアの中で、一匹の茶トラ猫があたりまえのようにくつろいでいたのである。

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Instagram@littlesketchbookwalker

 巨大なツキノワグマたちがいるエリア内に猫がいれば、誰だって心配になるだろう。イーティンさんも当初は猫の安全を心配したが、数分間観察を続けるうちに、この猫がまったく危険な状態にないことに気づいた。

 猫は昼寝の最中にクマの一頭に起こされてしまったのだが、その反応は恐怖に怯えるものではなく、むしろ安眠を妨害されたことを迷惑がっている様子だった。

 猫とツキノワグマはお互いに自然体で一緒に暮らしているようだ。

動物園側も認めるクマと猫の関係

 茶トラ柄のメス「ミカ」はもともと動物園の敷地内をさまよう野良猫だった。

 サイゴン動物園では現在、100匹以上の野良猫が暮らしており、スタッフが餌を与え、獣医が健康状態を見守るという手厚い保護体制が整っている。

 多くの猫の中でも、ミカが住処(テリトリー)として選んだ場所は、なんとツキノワグマたちが暮らすブースだった。

 ミカはクマのミサとミシのカップルや、親子グマのラとド、そしてレという名のクマたちと同じエリアで暮らしており、今では園内の名物となっている。

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Saigon Zoo and Botanical Gardens

 驚くべきことに、このクマのコミュニティで主導権を握っているのはミカの方だという。

  以前は、心配した来園者が何度も緊急通報ボタンを押す事態が起きていたが、動物園側が、ユニークな看板を設置したことで、来園者は事情を察するようになった。

 看板には、「ミカはクマのエリアに落ちたのではなく勤務中です」と記されている。これは、ミカをクマエリアのマネージャーに見立てた動物園側のユーモアあふれる配慮だ。

 おかげで来園者は、ミカの「仕事ぶり」を安心して見守れるようになり、彼女は一躍、園内の名物となったのである。

動物園内で出産、4匹の子の母となったミカ

 ミカの驚くべきエピソードはこれだけではない。彼女はクマのエリアを拠点に活動している間に、新しい命を宿したのだ。

 さすがに生まれたばかりの子猫たちを巨大なクマと同じ環境に置くのは危険なため、動物園側はミカを一時的に安全な事務局へと移動させた。

  そこでミニ、ミナ、ミキ、ミラという4匹の子猫を無事に出産したミカは、スタッフに見守られながら立派に子育てをやり遂げたのである。

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Saigon Zoo and Botanical Gardens

 子育てを終えた後、ミカは将来の健康を考えて避妊手術を受けた。

 術後、回復したミカはお姫様のように美しい姿で再びファンの前に姿を見せ、多くの人々を喜ばせた。

 現在は再び、スタッフがエリア内の木の上に建ててくれた専用の家を拠点にして、ツキノワグマたちが暮らすブースの監視を続けている。

 日当たりの良い特等席で悠々と過ごすミカの姿は、まさにエリアのボスそのものだ。

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Saigon Zoo and Botanical Gardens

 ミカは園の大統領に。仲間の野良猫を救うチャリティー活動

 その人気と堂々とした性格から、ネット上で大統領や会長というあだ名で呼ばれるようになったミカは、今や自分だけでなく仲間のためにその影響力を行使している。

 2025年12月7日、園内ではミカを主役にしたファンミーティングが開催された。

  このイベントで行われたミカのユニフォームシャツのオークションでは、最終価格が1000万ドン(VND)、日本円で約6万円に達した。これは主催者の予想を大きく上回る金額だった。

 12月13日、動物園はこの収益を使い、園内で暮らす100匹以上の野良猫たちのために大量の餌を購入したと発表している。

 ミカが稼いだお金は、自分と同じ境遇だった仲間たちの生活を支えるために役立てられたのだ。

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160年の歴史を持つサイゴン動物園が目指す共生の形

 160年以上の歴史を持つサイゴン動物園は、現在、希少種を含む約1300頭の動物を飼育している。園内には2500本以上の古木が茂り、豊かな自然が広がる憩いの場となっている。

 近年では来園者数も大幅に増加しており、ジュニア獣医ツアーや夜間探検といった体験プログラムも人気を集めている。

 巨大なクマたちのボスに昇りつめ、仲間を救うリーダーとなった猫ミカの存在もまた、この動物園が大切にしている動物たちの自然な姿を象徴する、大切な1ページとなっているのだ。

References: Pethelpful / Znews

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この記事へのコメント 32件

コメントを書く

  1. お伽話みたいな。
    みんな平和にのどかに暮らしてるのが伝わる。
    ニンゲンさん達もミカボスのために可愛いお家を作ってるとか。
    周りにいる者どもを皆いい様に従えて使いこなしてるところ。
    只者ではないお姫様ぶり👸恐るべし!

    • +37
    1. そうだよね
      クマさんにばかり注意が向きがちだけどニンゲンさん達もミカさんに尽くしてる
      シャツもいい値をつけてるし
      馬や牛に好かれる記事もあるから、たぶん他の動物のブースに行っても好かれるだろう

      • +19
  2. ミカさん、まるで天使だね
    お仕事頑張ってください

    • +15
    1. 『 熊 猫 秋田犬 』 で検索すると力関係が解る。

      • -3
    2. AI動画が出回る前から、庭に現れたクマさんを猫パンチ連打で追い払ってた動画があったよ

      • +2
  3. 野生では決して見られない光景ってところがミソだよ熊好きちゃんたち

    • +8
  4. >園内で暮らす100匹以上の野良猫たち

    いいね
    猫が住むのに適した場所だと思ってた

    • +23
  5. 去年ベトナム、サイゴン動物園に行った時、ミカちゃん見ました。心配しましたが、そういうコトだったと安心しました。

    • +28
  6. ベトナムでも猫への呼びかけが「にゃーん」なことに和んだ

    • +8
  7. 視点がおかしい

    一匹の猫よりも園内に住む100匹の猫に焦点を当てるべき

    • -4
    1. 牧場同様、ネズミ要員にいくらかはいるけどね
      100はちょっと心配

      • 評価
  8. 猫の名前がこんがらがってしまった(⁠@⁠_⁠@⁠;⁠)笑

    • +2
  9. 猫って小さいのに割と好戦的で
    熊って戦闘力あるけど臆病なんだよな

    • +3
    1. のぼりべつクマ牧場の歴代ボスの中に
      猫に襲われてたのを保護された経歴のがいる

      • +8
  10. やっぱ爪だしパンチなんだろうか
    こう、鼻をねらって

    • +4
  11. 熊は猫の事を小さな熊だと思ってて
    猫は熊の事を大きな猫だと思ってそう

    • +12
  12. 猫と熊の共生もだけど、熊の展示スペースの中に巨木の枝や根が張り巡らされてるのがすごくいい。行ってみたいところが増えたよパルモたん。

    • +3
  13. >サイゴン動物園では現在、100匹以上の野良猫が暮らしており、スタッフが餌を与え、獣医が健康状態を見守るという手厚い保護体制が整っている。

    野良猫を飼育動物と同等に大切に扱ってるのすごい。公共の動物園がここまでするってなかなかないことなんじゃないかな。

    クマたちの中でリーダー的立場になるミカさんのカリスマ性に敬服。

    • +3
  14. 子猫もクマは襲わなかったでしょうよ。
    もうちょいとこの関係を見てくれたら、子猫をクマたちがどれほど大切に扱うか見れたのに。

    一定の条件下ではこういうことは起こるよ。

    • 評価

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