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AI監視カメラから姿を隠す「透明コート」を開発

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(著) (編集)

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 デジタル大国となった中国では、最先端のAIが搭載された監視カメラが街のいたるところに設置されている。コロナ禍においては、AI搭載のスマートグラスを着用した警備員が、道行く人の体温をチェックしていたほどだ。

 もはやプライバシーがないといった状態だが、そんな中、武漢大学の大学院らは、AIを搭載した監視カメラを回避する革新的な「透明コート」を開発した。

AI監視カメラから身を隠す「透明コート」

 そのコートは私たちの人間の目からは普通に見える。だがAI(人工知能)を搭載した防犯カメラの目には、着ている人が見えなくなってしまうという不思議な光学迷彩効果を発揮する。

 アルゴリズムによってデザインされた特殊迷彩パターンは、可視光カメラから姿を隠すうえで効果的だ。

 だがそれだけではない。コートに内蔵された熱デバイスのおかげで、赤外線カメラの目すら欺くことができる。

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アルゴリズムがデザインした特殊な迷彩パターンで、可視光カメラを回避 / image credit:WEI HUI

着用するとAIカメラの検出精度が半減

 武漢大学の大学院生たちが開発したこの「InvisDefenseコート」は、中国の通信機器大手「ファーウェイ」が支援するサイバーセキュリティ革新コンテスト「Huawei Cup」で最優秀賞を受賞。今後500元(約9800円)で販売される予定であるという。

 その迷彩効果は確かなもので、大学キャンパスの防犯カメラで試してみたところ、歩行者の検出精度が57%低下したとのこと。

 InvisDefenseコートのコアアルゴリズムを担当したウェイ・フイ氏によると、開発で難しかったのは、カメラと人間の目への見え方のバランスを取ることだったそうだ。

 「カメラの視覚を無効化でき、それでいて一番目立たないデザインにするためにアルゴリズムを使用せねばなりませんでした」

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InvisDefenseコートは熱デバイスを利用して、赤外線カメラの目も欺く/ image credit:WEI HUI

大量の防犯カメラで監視される中国人

 中国は、防犯監視カメラを使った最先端監視システムで悪名が高い。たとえばViceによると、2019年、世界で最も監視されている10都市のうち、8都市は中国だったという。

 また新疆ウイグル自治区で”疑わしい”イスラム教徒を見つけ出したり、子どもたちに深夜のゲームをさせないためにも、AIの認識技術が利用されている。

 一方、こうした政策への反発は限定的だ。2020年、来園者に無断でその顔の生体データを集めたとして、杭州市の動物園を訴えたとある法学の教授が勝訴。顔認識技術の使用に異議を唱えて勝訴した、中国初の事例となった。

 InvisDefenseコートの開発チームも、中国人のプライバシーを懸念している。

 「AI技術を利用した監視カメラは、あちこちにあります。私たちの暮らしに浸透しているのです」「私たちのプライバシーは、機械の目にさらされています」とウェイ氏は話す。

 「悪質な検出に対抗し、ある状況下で人々のプライバシーと安全を守るために、この製品を開発しました」

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開発の狙いはプライバシーを守るためでなくAI技術を強化するため?

 だが彼らの真の目的は、政府による監視システムを覆すことではないようだ。むしろその強化が本当の狙いであるという。

InvisDefenseコートを検知できないということは、監視カメラに欠陥があるということです

私たちは抜け穴を見つけて、既存のカメラ技術の開発を刺激するためにこのプロジェクトに取り組んでいます

 開発チームは今後、人間だけでなく、ただのモノや走行中の車などをAIカメラから隠す方法や、リモートセンシング・人工衛星・航空機といった他の種類のカメラの目を欺く方法を探る予定であるとのことだ。

References:啥?武大学生团队研发出“隐身衣” / Chinese Students Invent Coat That Makes People Invisible to AI Security Cameras / written by hiroching / edited by / parumo

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この記事へのコメント 13件

コメントを書く

  1. 中国も人権意識高まってきたんだな。と思ったら逆だった。

    • +7
    1. ※1
      俺も。「こんなの当局が許さんだろ…大丈夫か?」と思ったら最後のセンテンスでひっくり返された。

      • +3
  2. 自国強化は良いとしてコートを他国に持ち込まれたら結構笑えない事になるなコレ

    • +1
    1. ※4
      「ある状況下」ってむしろそれがメインなんじゃないの?

      • +1
  3. 軍事利用なんだろうな。一番お金になるし。
    でも中国産はもう一息詰めが甘かったりするのが愛嬌か?

    • 評価
  4. 疑わしい奴に売り付けて!
    当局にはその攻略法を売り付ける!
    Win-Winだな!!

    • +1
  5. ウォッチドッグスとかサイバーパンク2077みたいなゲーム上の物だと思っていたが、実際に存在するのか。

    • 評価
  6. 中国の大学なの?こんなの開発して国に処されないのか?
    と思ったら逆だったわ そりゃそうだよね

    • 評価
  7. 真意は分からないが、建前としてはこの上無いね

    • 評価
  8. いまいちだな。
    これじゃ犯罪促進プログラムだ。
    開発の余地が多すぎる・・・

    • 評価

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