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中国で共産党員の忠誠心を判定するAIを開発。表情や脳波から「思想教育」の程度を読み取る

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(著) (編集)

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 AIを利用した監視が進む中国で、共産党への忠誠心を判定するAI(人工知能)システムが開発されというニュースが伝えられた。

 中国共産党は中華人民共和国を統治している執政政党だ。

 AIは合肥総合国家科学センターで開発されたもので、対象者の表情や脳波から共産党の「思想教育」がどの程度浸透しているのか判断するのだという。

中国共産党の思想・政治教育への染まり具合を判定

 タイムズ北京支局のディディ・タン氏によると、情報の出所は7月1日にネットで公開された、ある記事だというが、すぐに削除されたらしい。

 その記事によると、「共産党員が思想・政治教育がどの程度浸透しているのか判定できる。また、思想・政治教育についてのデータをもたらし、改善や拡充を図ることもできる」と解説されていたという。

 このAIの目的は、「共産党に感謝し、党の話に耳を傾け、党に従う」という「共産党員の自信と決意」を深めさせることだそうだ。

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Photo by John Cameron on Unsplash

 中国共産党は1921年に結成され、1949年政権を樹立した。党員数は8944万7000人(2016年現在)。5年に1度開催される全国代表大会(党大会)がもっとも権威があり省代表と、国務院、人民解放軍などの国家機関や大衆団体などの党代表、計2000~3000人によって構成される。

 合肥総合国家科学センターは、43名の共産党員(開発チームのメンバーでもある)に、AIを試すよう推奨していたという。

 既に削除されてしまったその映像には、画面の前に座り、共産党の政策や業績について読む研究者の姿が映っていたという。このとき、監視カメラで表情が観察されていたと推測されている。

 だが、この間脳波までがスキャンされていたのか、あるいは中国国内に数百万人いる共産党員全員をどうやって監視するつもりなのかなど、詳しいことは不明だ。

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人民の監視を強める中国

 なお中国では、脳波スキャンによる監視の前例がすでにある。2018年、サウスチャイナ・モーニング・ポスト誌は、杭州市にある工場で作業員を監視する脳スキャン技術について報じている。

 それはヘルメットで感情を読み取り、うつ・不安・怒りといった感情をAIが検出するというシステムだった。

 中国共産党は、党への忠誠心を高めるために思想・政治教育が不可欠とみなしているらしく、すでに「学習強国」という党員向けの教化アプリも存在する。

 学習強国は、ポイントを利用した教化促進システムを採用しており、習近平の感動的な名台詞や演説などの映像を視聴したり、共産党の英雄についてのクイズに回答したりすると、ポイントが貯まる。ポイントは、お菓子やタブレットといったギフトと交換できるので、さらに学習したくなるという仕掛けだ。

 さらに中国政府は、顔認証技術を使った防犯カメラ、スマホから個人情報を入手できるアプリ、信用できない住人を割り出す社会評価システムなど、ハイテクを使った監視システムの導入も進めている。

 また最近、97%以上の精度で犯罪を告発する「AI検察官」も発表されている。

 2015年から2020年にかけて起きた1万7000件の事例で訓練されたこのAIシステムは、上海で一般的な8つの犯罪(挑発、カード詐欺、賭博、危険運転、盗難、詐欺、傷害、公務執行妨害)を特定し、告発することができるという。

References:China claims to have developed an AI that can read the minds of Communist Party members to determine how receptive they are to ‘thought education’ in since-deleted article / written by hiroching / edited by / parumo

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この記事へのコメント 36件

コメントを書く

  1. すごい、21 世紀も 21 年も経ってるのにあそこだけ 1984 の世界なんだな。

    • +23
  2. 中国らしい内容に呆れながら読んでたけど、記事の最後の部分は感心した

    挑発が犯罪に含まれてる!?

    最近は挑発的な態度とる人が多いし、日本でも取り入れたらいいのに

    • -10
  3. SFでありがちなディストピアを実現するとは、事実は小説より奇なり。ネットじゃお約束みたいになってる「天安門事件」なんてワードを思い浮かべただけで危ないかもしれないなあ。

    • +14
  4. シビュラシステムだ!
    やっぱり色相が濁ると青くなってくのかな?

    • +6
  5. 共産党に思想教育されたアメリカ留学中の女がTV出てたけど言っている事に引いて司会者も苦笑いしてたわ

    • +5
  6. SFヲタクが泣いて喜びそうな(それでいてけっして自分が住みたいとは言わない)ディストピアぶりだな。

    • +9
  7. 汚職が酷いんだろうなあ
    だからAIも利用して思想教育を行うと

    • +6
  8. こうでもしないともうヤバい状態なのかもね
    国外に聞こえてこないだけで案外反政府的な動きが有るのかも

    • +10
  9. AI検査にかけたら、幹部、主要党員、治安関係、みんな「忠誠心が薄い」と見なされて誰もいなくなったりして。

    • +14
  10. 白でも黒にして粛清しそうな気がする

    • +7
    1. ※20
      そこだよな
      監視社会の本質は、真実そのままが監視されて告発されることじゃなくて、
      システムが判定したという口実の下に権力者に都合の悪い人間を誰でも粛清できるようになるというところ

      記事が一瞬公開されて削除されたというのもわざとやってることで、
      システムを国内に周知させて粛清の下地作りをする意図があるんじゃないだろうか

      • +2
  11. 権力者にとっては夢のような装置だけど、国民にとってはまさにディストピアだな。

    • +2
  12. この内容を高らかに発表してしまう感じが、受け入れられないな。
    完全にAI監視(本来、人間がAIを監視しないといけないんだが)を良い事、するべきことだと考えているとなると厄介だな。

    • 評価
  13. 泣いてはいけない。泣くのは今の生活を嫌がっているからだ。

    笑ってはいけない。笑うのは昔の生活を懐かしんでいるからだ

    • +5
  14. ディストピアチャイナははたから見てると空想が実現したみたいでワクワクするわ
    これでもう少し遠くの国ならなあ…

    • +2
  15. びっぐぶらさー いず うぉっちんぐ ゆー

    • +1
  16. 列をなせ。汝、従順のマシン。享受せよ。さあ、思慮は今罪と知るべし。

                             bigbrother/平沢進

    • 評価
  17. きっと北の黒電話も露のプー助も
    「ウチもこれやろっと♫」とか思ってる‥‥

    • +1
  18. あーあ
    こういったものを作るってことは、国民を制御出来てないよーって言ってるようなものなのに……
    北風と太陽、だよ
    何事も。

    • +3
  19. 従業員のヤル気を測るとか眠気を測るとか言う謎装置を導入してる西側と大差ないだろ

    • 評価
      1. >>40
        権力者の尺度をAIという警察に委任するというところは変わらんだろ
        東側は粛清だ怖いとか喚くが
        西側でAI警察に無職化させられればそれは粛清と同じだろうが違うか?

        • 評価
  20. 一番忠誠心がないのが”主席”だったというオチになったりしてな。

    • +2
  21. 国民監視システムの唯一の欠点が、共産党が運営してるってところなんだよな。一番信用しちゃいけない奴らが全てを握ってるという…でも自分たちが信用ならないと分かってるからこそ監視してるのかもね。

    • -1
  22. ジャッキー・チェンが「中国人に民主主義なんてものが必要なのか?いらないだろ」と皮肉言うくらいのお国だから

    • 評価
  23. 日本のカルト政治家答弁にも、判定器が必要じゃなかろうか…。

    • 評価

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