メインコンテンツにスキップ

プレ・インカ時代のチムー王国の遺跡で生贄に捧げられた76体の子供の遺体を発掘

記事の本文にスキップ

36件のコメントを見る

(著) (編集)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
Advertisement

  プレ・インカ(後期中間期)時代、インカ帝国を止めるチャンスがあった最後にして最大の、チムー王国の遺跡で、76名もの子供の遺体が発掘されたそうだ。

 850年頃から1470年頃まで存在したチムー王国の「パンパ・ラ・クルス遺跡」で発見された遺体は、これで合計302体を数える。これらはチムーで子供を生贄に捧げる習慣があったことを裏付けている。

 生贄は天災時などに神々を鎮めるために行われたと考えられており、その儀式は450年間で6度は行われただろうことがわかっている。

プレ・インカ最大の王国「チムー王国」

 900~1470年頃までペルー北西岸の砂漠地帯を支配した「チムー王国」は、インカ帝国以前のアンデス文明では最大の王国だった。

 王都は「チャン・チャン」と呼ばれ、1000キロの海岸線を支配しており、当時のアンデスの人口の3分の2がこの王国で暮らしていたとされる。

 農耕文化であり、灌漑技術に優れ、山から畑・宮殿・寺院へと大規模な水路ネットワークを張り巡らし、織物や金銀銅の細工技術も優れていた。

 また最下層の農民と頂点に立つ貴族など、高度な階級社会であったことでも知られている。

 王都チャン・チャンは現在はもう住めないが、当時はチムー文化の中心地で、36平方キロの広さがあった。

 街路・壁・貯水池・ピラミッド・家屋といった建築物はアドベ(砂・わら・粘土などで作られた建材)で作られ、最盛期には数千人の人々が暮らしていたと考えられている。

 栄華を誇ったチムー王国も、1465~70年にかけてインカ帝国に征服され、滅亡することになる。しかしその政治体制や灌漑・建築技術など、さまざまなものがインカ帝国に受け継がれている。

この画像を大きなサイズで見る
パンパ・ラ・クルス遺跡で最新の発掘された76体の子供の遺体 / image credit:andina/ Huanchaco Archaeological Program

世界でも例がない子供の生贄の数

 王都チャン・チャンから南東250キロに位置するのが、「パンパ・ラ・クルス遺跡」だ。ここでは子供をはじめとする遺骨が大量に発掘されており、チムー文化には生贄を捧げる習慣があったらしいことを今に伝えている。

 たとえば2018年4月、子供140人とリャマ200頭の遺体が発見。さらに同年6月にも58人分の人骨が見つかっている。

 当時発掘を指揮した考古学者のファレン・カスティージョ氏によれば、これほどの子供の生贄は、世界的にも例がないという。

 また雨の侵食から免れた小さな足跡も見つかっている。このことから、どうやら子供たちはチャン・チャンからここまで歩かされて、生贄に捧げられたらしいことがうかがえる。

 こうした生贄は、エルニーニョ現象の豪雨で洪水が起きた時など、神々を鎮めるために行われたと考えられている。

この画像を大きなサイズで見る
今回発掘された子供の生贄の歯は完璧に残っていた / image credit:andina/ Huanchaco Archaeological Program

生贄の埋葬方法の謎

 放射性炭素年代測定の結果によると、パンパ・ラ・クルス遺跡では、450年間で少なくとも6回は子供が生贄に捧げられていたようだ。

 それらは1050年から1500年にかけて行われており、チムー文明の重要な分岐点と重なっている。

 今回発見された76体の人骨は、7月から8月にかけて発掘された。

 数の多さもさることながら、とりわけ奇妙なのが、女性の子供の遺骨5体が向かい合わせで円形に配置されていたことだ。このような配置になっている理由は今のところ謎に包まれている。

この画像を大きなサイズで見る
パンパ・ラ・クルス遺跡で最新の発掘された子供の生贄の遺体の一部。最も神秘的な墓には、5 人の子供が円形に配置されていた / image credit:andina/ Huanchaco Archaeological Program

 またもう1つ謎めいているのが、遺体がどれも足を東に、頭を西に向けて埋葬されていたことだ。この姿勢だと、背中に海(太平洋)を向け、日の出の方向に面していたことになるという。

 現代の感覚で当時の感覚を理解することはできないが、それでも大勢の子供を生贄に捧げるというのは、非常にショッキングな出来事だったと思われる。

 生贄は天災時などに神々を鎮めるために行われたと考えらているが、チムーの人々がなぜこれほどまでに子供の生贄を捧げていたのか、その真相はまだ明らかになっていない。

References:Archaeological discovery in Peru: 76 graves of sacrificed children found in Huanchaco | News | ANDINA – Peru News Agency / 76 Pre-Inca Child Sacrifices Found at Peru’s Pampa La Cruz site / written by hiroching / edited by / parumo

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 36件

コメントを書く

  1. 生贄に捧げられた子供たちの遺体、、、
    それだけだったか?奇妙な石の仮面は無かったか??

    • +1
    1. >>2
      骨はコラーゲンにカルシウムが付着して固まった物だからねぇ
      忘れがちだけどカルシウムって金属だから中々無くならないのよ

      • +9
    2. >>2
      土壌のpHによる。
      日本は酸性が強くて遺跡から人骨が出土するのは稀。

      • +10
      1. >>23
        貝塚の周りは貝殻から滲み出たアルカリで土壌が中和されて骨が残ってる確率が高い

        • +2
    1. ※3
      ちゃうちゃう
      五穀豊穣や国の安定、神の子として留学などの意味あった
      それに今風に言うと特別な上級国民が神の子対象であり
      ボンビーは使わない
      アニメ風に言うとどこかの異世界で生きてると思ってるのかも

      • +8
      1. >>11
        ボンビー使ったら、単純に労働力無くなるからじゃない?

        • -2
  2. 哀しい事だけど 間引きしなければ食べていけない時代だったのかも・・(´・ω・`) 農耕盛んだったけど 今と違って粒が少ない作物だったしね・・

    • -4
    1. ※5
      過去の発掘の記事をググったら、子供140人のやつは
      同位体分析の結果、地元の子だけではなく
      国中のいろんな地域や民族から来た子の混成らしい。

      少なくとも、その土地の中で養いきれなくてあぶれた子を
      間引きして減らすのが目的だったわけではなく、
      わざわざ遠隔地から連れてきた子らもいろいろ取り混ぜて
      生贄にしているっぽい。

      • +10
  3. 遺骨が発掘されたことを理由に生贄と断定するのはおかしい

    最低でも年に一人は生贄にするだろうに、期間600年でたった76体しかないなんて

    • -10
  4. まぁどちらかというと、若い子の生け贄が
    欲しい。一般的な、子達達なのだろうか……?

    • -2
  5. 貴重だからこそ生贄として捧げるという価値観と、人口が多くて子供を失っても痛手ではない、という条件が重なったのだろうか

    • +7
  6. 家族の地位が上がるとか見返りがあったのかも

    • 評価
  7. 昔は日本にも生贄の風習あったもんな
    卑弥呼の死と共に100人以上が生きたまま一緒に埋葬されたし
    水害が起きた時や大きな建築物が出来たら、神への捧げものとして村の娘を…とかね
    こういう風習が廃れて良かった

    • +10
  8. あの地域の人の残虐性は異常だよ、今のメキシコギャングの人の殺め方を見れば一目瞭然でしょ。
    教わってああなんじゃないよね、遺伝子なのか気候風土なのかわからないけどね。

    • -13
    1. >>13
      当時生け贄を捧げられ味をしめた神々が今なお求め続けている

      • -4
    2. >>13
      確かにメキシコギャングは残虐だけど、歴史的には圧倒的に中国がナンバーワンだよ。
      メキシコの残虐行為は原始的だったり、死後に遺体損壊とかしてるけど、中国は苦痛を与えながらも医療を駆使して出来るだけ生きながらえさせて苦しませようという発想。

      • -4
    3. >>13

      メキシコとペルーって数千キロ離れてるし風土もかなり違う。
      ざっくり適当にしか言えないくせに失礼。

      • +6
    4. >>13
      中南米人はラテン系とメソアメリカの悪魔合体だからね。
      5chで元警察官がスレで中南米人とは絶対に敵対するなって言ってたのは…

      • 評価
  9. 南米での生贄は神への使いだから、儀式前にはいい物食べさせてもらったり、アルコールや薬物で酩酊状態にされたりしているのが分かっている
    それでも悲しいのには変わりないけれど

    • +7
  10. なぜ子供が生贄にされるかというと、まず飢饉があるなら口減らしの裏目的があるのと
    神に捧げるものなので人間にとって「とても大切なもの」を捧げるから神様が願いをかなえてくれるはずだという理屈があるからそのへんの酔っぱらったおっさんではダメなんだそうだ

    • +6
  11. 現代の感覚で当時の感覚を理解することはできないが、それでも大勢の子供を生贄に捧げるというのは、非常にショッキングな出来事だったと思われる。

    神に捧げるものはどうでもいいものじゃなくて、非常に大切で良いもので、かけがえのないものである必要があったという説もある。というかそうであって欲しい。

    • +8
  12. 300人も犠牲にしておいて、生贄に何の効果も無いということすら学べなかったのか?

    • +2
  13. 神への信仰が非常に高く、尚且つ子供に価値が有った証拠でもある
    払う代償が高いほど神事を成功させるって普通なるから安易に批判は出来ないね
    記事にも有る通り当時の価値基準が重要だと思う

    • +6
  14. こういうことは現代の感覚で当時の様子を考えてはいけないね。
    恐らくこういうのは「神聖な儀式」だったはずなんだ。
    日本だと自然災害が余りに酷いから文字通りの「生け贄」になることが多かっただろうけど

    • +6
  15. 環境異変はいつかは収束するので当時の人々にとっては効果はあった
    孔明が饅頭を作るまで濾水の民は上古から氾濫の度に首を投げた
    良くも悪くも原始人の正直純朴さが残っていたんだろう

    • +6
  16. ワムウが殺さないからカーズが殺したんだと思う

    • -3
  17. 意味ないのに、よくある話だよね。ただ、やる地域は限られてるかな?

    • -2
    1. ※32
      生贄なんて世界的にみれば別に珍しい話ではない

      • +3
  18. 言いづらいけど石仮面はアステカの方だよ…

    • 評価

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

知る

知るについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

歴史・文化

歴史・文化についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。