メインコンテンツにスキップ

1000年以上前のトレパネーション(穿頭術)用外科手術道具がペルーの遺跡で発見される

記事の本文にスキップ

10件のコメントを見る

(著) (編集)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
Advertisement

 中南米ペルーの遺跡の墓から、ぞっとするような古代の外科手術道具が発見された。ナイフや針、トゥミという医療用あるいは生贄儀式用の鋭利な金属ツールなどだ。

 これらの道具は1000年以上前に使用されていた。古代ペルー人は頭蓋に穴をあける穿頭術に長けていたことがよく知られており、実際に成功率も高かったという。

ペルーの遺跡の墓で発見された副葬品

 ペルー北部、ランバイエケにあるワカ・ラスベンタナス遺跡の神殿の発掘が行われた。ここは紀元900~1050年の中期シカン時代の遺跡だ。

 シカン文化は、ペルー北部沿岸で750年~1350年頃のプレ・インカ時代に栄えた文化だ。シカン人たちは、紀元750~1375年にかけて、現在のペルー北岸に定住していた。

 医師の遺体があぐらをかいて座った姿勢で安置されていた墓の中からは、さまざまな副葬品が見つかった。

 手術道具のほかにも、羽飾りをつけた目の黄金マスク、大きな青銅の胸当て、金銅の鉢などがあり、この人物の地位の高さがうかがえる。

この画像を大きなサイズで見る
ペルー、ランバイエケで発見された外科医の精巧な墓 / image credit:ANDINA

穿頭術用の古代外科手術道具

もっとも興味深いのは、キリ、針、ナイフのセットで、片側が鋭い刃、もう片側が切ることのできない峰になっているものもあり、大きさもさまざま、木の取っ手がついているものもありました

 シカン国立博物館長のカルロス・エレラ氏はこう語る。

 墓から出土したナイフ類は全部で50ほどで、片刃のものもあった。ほとんどは、高純度のヒ素を含む青銅合金でできていて、木の取っ手がついているものもある。

 半月型の刃をもつ儀式用のナイフ「トゥミ」も見つかっている。トゥミのそばには、外科手術用の道具にちなんだシンボルがついた金属製の「プランシェット」(ウィジャ盤のようなもの)があった。

 プランシェットのそばには、大人と子供の前頭骨がふたつ見つかっていて、骨には穿孔術を使って意図的に穴があけられた跡があった。

 エレラ氏によると、見つかったこれらの道具は、穿頭術(トレパネーション)に使われたものと思われ、埋葬されているこの外科医が、頭蓋穿孔の専門家であることを示しているという。

この画像を大きなサイズで見る
image credit:Museum of Sican
この画像を大きなサイズで見る
image credit:Museum of Sican

古代ペルーでは高度な頭蓋手術技術を持っていた

 こうした道具が多数発見されたことは、古代ペルーでは昔から高度なテクニックをもつ外科医によって、頭蓋手術が頻繁に行われていたことを示している。

 きれいに穴があけられた頭蓋の中には、周辺が治癒した痕跡があるものもあり、頭蓋を削ったり、切ったり、穴をあけたりする穿頭手術が行われていた明らかな証拠といえる。

 2018年の研究から、古代ペルーでは穿頭手術が非常に巧妙に行われていて、インカ帝国時代のこの手術の成功率は、アメリカの南北戦争時代の成功率よりも、およそ2倍も高かったことが明らかになった。

 南北戦争は、インカ時代より3世紀以上も後に起こったことで、こうした手術の訓練や教育、外科道具そのものも格段に進歩していたはずなのにだ。

麻酔は行われていたのか?

 こうした手術の間、麻酔が使われたのかどうかは、ほとんどわかっていない。

古代ペルーの人たちが、どのように感染症を防いでいたのかは不明ですが、非常にうまいこと処置していたようです。

どのような麻酔法を使ったのかはわかりませんが、手術は頻繁に行われていたはずなので、コカの葉など、なんらかの麻酔を使っていたはずです

 理学療法士で、リハビリ臨床教授のデヴィッド・S・クシュナー医師は言う。

ほかにも発酵飲料のような麻酔薬のようなものがあったのかもしれません。文字による記録がありませんので、はっきりとはわかりませんが

 おもしろいことに、最近、外科医の墓から未知の木の樹皮の断片が発見された。

 シロヤナギの樹皮から鎮静効果のある茶を作ることがあるため、麻酔や抗炎症剤として薬用に使われたものではないかと専門家は考えている。

 さらに研究を進めれば、古代ペルー人が外科手術の際に麻酔をどのように扱っていたかがわかるかもしれない。

References:Peru: Archaeologists find remains of person who served as surgeon in Sican Culture | News | ANDINA – Peru News Agency / Horrifying Surgical Kit Found in 1,000-Year-Old Surgeon Tomb in Peru | Ancient Origins / written by konohazuku / edited by / parumo

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 10件

コメントを書く

  1. 地球一周をインドネシアの島々ではマゼランがやる以前から
    やってたとかいわれたし、古代日本でも南米ほか世界と外交を
    結んでたとかいわれてるし、現在以上に進んでも不思議じゃない
    たぶん現在では失われた技術を持っており、宇宙圏外との外交も
    のろし一つでやってたなんて言われても信じてしまう

    • +4
  2. 昔の医者って神様みたいな存在だったんだろうな。

    • +7
  3. 穿頭手術は穴として記録が残りやすいってだけで、実際は他の手術もいろいろしてたんだろうね
    医術の発展の流れとしていきなり頭蓋骨からは行かないでしょ流石に

    • +17
  4. 手術跡っつても
    病気や怪我の治療じゃなさそう
    なんの為に頭に穴に開けたんだろう…

    • +2
  5. 文明や技術というものは直線的に進歩していくものではなく、地域や時代によって行きつ戻りつ、前後して進んでいくものなのですよね。
    例えば、ヨーロッパにおいて、古代ローマにおける建築技術をしのぐようになるのは、ようやく近代になってからのことですし。
    医療に関して言えば、ヨーロッパでは18世紀末頃まで、瀉血などというオソロシイことをやっていて、犠牲者が続出していたわけだし。(鬱血を解消するなど、瀉血が有効な場合も一部ありますが)

    • +4
  6. 「友達でいいから」って歌の歌詞にあった気がする

    • 評価
  7. 精神的な異常以外にも犯罪含む色んなことが脳の病の所為と思われていた可能性も有りそう
    手術結果の積み重ねで「此処を切ると大人しくなる」くらいの知識は有ったかもね

    • 評価
  8. 穿頭手術って何度も記事が出ているが意味が分からない

    頭に穴をあけて何をどうしようっていうんだ?
    塞ぐこともできず、穴が開いたままじゃねーか

    • 評価
    1. ※8
      現代では穴後では塞ぐけど、脳内出血の治療で血腫になる前に頭に穴開けて血を外に出すのはあるな。

      • +4
    2. ※8
      急性硬膜下血腫の治療です

      当時の武器は剣のような鋭利な武器はないか非常に少なく、多くは投石や石のハンマーによるものでした
      必然的に争いが起これば、負傷者には頭部に強い打撃が加わったことによる、骨折や硬膜下血腫によるケガが多かったはずです
      それらの負傷に対処するために穿頭手術が発達した模様です

      • 評価

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

知る

知るについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

歴史・文化

歴史・文化についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。