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「地獄への入り口」マヤ文明時代の生贄の犠牲者となった少女の遺骨が宿るアクトゥン・チュニチル・ムクナル洞窟

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(著) (編集)

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 かつて南アメリカ大陸で栄えたマヤ文明の時代、神への供物として人間を供える「生贄」の習慣は当たり前のように行われていた。

 いまでもその名残を見ることができる。

 アクトゥン・チュニチル・ムクナル洞窟内部には、当時生贄となった犠牲者たちの骸骨が14体眠っている。

 中でも有名なのは、仰向けになって口をあけて寝そべっていた18歳の少女の遺骨だ。

 この少女の亡骸の脊椎の2か所が粉砕されている。彼女は発見後「クリスタル・メイデン」と名付けられ、多くの人々の注目を集めている。

洞窟の奥にある生贄部屋。そこに眠る少女の遺骨

 アクトゥン・チュニチル・ムクナル洞窟は1989年に発見された。ベリーズのサン・イグナシオから1時間ほどの場所にあるテイパー山自然保護区内に位置する。

 テイパー山自然保護区に入ってから徒歩でおよそ1時間の場所に洞窟の入り口がある。だが、その内部に行くには洞窟内に流れる水流を数キロメートルは泳がなければならない。

 そうしてやっと遺骨の眠る生贄部屋にたどり着く。

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image credit: Mike Stenhouse/Flickr

頭を殴られ生贄とされた犠牲者たち

 この洞窟では合計14体の遺骨が残されている。その年齢層は幅広く、1歳の幼児から大人にいたるまで様々だ。

 中には死亡する直前まで拘束された痕跡のついた者もいる。また幼い子供の多くには頭蓋変形の痕があった。

 死因の多くは頭部を重いもので殴られた外傷によるもので、中には頭蓋骨が完全に砕けているものがある。

 遺体の多くは方解石によりセメント状に固められてしまっているため、的確な時代を指し示す事が出来ないが、おそらく紀元前700年から900年ごろのものだろうと専門家は予測している。

Upside Down Skull with Cricket
image credit:Bernard DUPONT / Flickr

象徴的なクリスタル・メイデンの遺骨

 これらの遺骨の中でも「クリスタル・メイデン」と名付けられた少女の遺骨はひときわ注目されている。

 その理由は彼女の脊椎の二カ所が粉砕されている点にある。この粉砕はおそらく逃げまどう彼女を強く地面に叩きつけた事によってできたものだと考えられている。彼女はその状態で数千年間置き去りにされたのだ。

 ミネラル分を多く含む鍾乳洞の石灰華により、放置された少女の遺骨は石灰化が進み、クリスタルのような輝きを放つようになった。

 「クリスタル・メイデン」の名前の由来はそこからきている。

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image credit:Peter Andersen / wikimedia

魂をとどめるために洞窟内に

 生贄の対象である神が誰なのかは謎だが、おそらく雨を司るチャク神、もしくは地底の神々たちに捧げたのではないだろうかと考えられている。

 他にも「生贄ではなく、魔女狩りの一環で殺害されたのではないか」という説もある。当時、身体障碍や精神障害のあるものは「魔女」と呼ばれていた。

 つまり彼女はその一人であり、魂が洞窟内に留まるように、亡骸が捨てられた可能性があるのだそうだ。

Crystal Maiden (human sacrifice) – ATM Cave – Belize – January 2011

「地獄への入り口」アクトゥン・チュニチル・ムクナル洞窟

 アクトゥン・チュニチル・ムクナル洞窟は現地の人々に「シバルバー」と呼ばれマヤ文明の邪悪の権化である地底世界を意味する名前がつけられた。

 古くから「地獄への入り口」と恐れられていたこの洞窟の中では地割れが起き、その溝には血の川と蠍の大群が流れていると考えられていたようだ。

References:amusingplanet/ written by riki7119 / edited by parumo

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この記事へのコメント 27件

コメントを書く

  1. ドラえもんに登場する@タイムパトロール:の
    任務の一つに「こういう理不尽な死に方をした
    昔の人を歴史を変えてしまわないように注意しつつ
    救い出す」というものがある。大長編のラスボスを
    逮捕するだけが仕事じゃないんだぜ。

    • +4
    1. >>1
      藤子先生なら異邦や過去の風俗や風習を、未来人(異邦人)が理不尽や野蛮と断ずる傲慢さを揶揄するSF話も描くな

      • +18
    2. ※1
      ドラえもんとは別作品のT.Pぼんではそれが描かれてるね。
      この作品の主人公たちは「新・ドラえもん のび太の創世日記」の最後にゲスト出演してて嬉しかったなあ。

      • +1
  2. マヤとかアステカ文明の生贄が有名だけど
    最近の調査だと、年端も行かない少年少女が生贄になってた場合、多くのケースで当時としては不治の病に冒されていたって事が分かってる(結核とか)
    別に元気な子供を生贄にしてたって訳じゃないのよね

    というか、この記事のこれ生贄か?
    処理方法が雑過ぎるだろ、生贄はこんなに雑に葬らないぞ?神への供物なんだから
    他部族間抗争で一方が殲滅されて捨てられた物じゃないの?

    • +21
  3. いつの時代もなぜ少女や子供を生贄にするのだ
    これをやっている奴らを生贄にするほうがよっぽど
    効果あるじゃねえの

    • +2
    1. ※3
      大人も男もなってたよ
      別に女子供に特定していた訳じゃない
      正確に言えば、神とされていた物の性別と設定されてる性格(性質)による
      人柱なんて世界各地で男女関係無く入れられてたりしたしね

      • +22
    2. ※3
      どうだろね
      女子供の価値が高かったから神様への祈りに効果があると考えられたりするんじゃないか?
      大事だったからこそ生贄にされた
      血塗られた処刑人なんぞの血を捧げたりしたら天罰下るって考えそうだけどな

      • +11
    3. ※3
      別に生け贄の話題に限った話じゃないけど、女子供だけじゃなく大人の男性も同じように生け贄になっている
      しかし、犠牲者が女子供の方がセンセーショナルなので、犠牲者が女性や子どもであることだけが強調され、男性の被害は顧みられないということが多々ある
      同じような事件で男性が犠牲になっても大して報じられないけど、女性が犠牲になると大々的に報じられるということもよくあるしね

      • +4
    4. ※3
      まあ、本当の権力者はイケニエにはなりませんよね!

      • +1
  4. 無知な時代の犠牲者に合掌。
    欧州の魔女狩りもそうだし、現代の犯罪の多くもそうだけど、
    抵抗する力が弱い女性や子供がいつも犠牲になるのが悲しい。

    • +16
  5. 骨端線なんて確認できそうにないぐらい石灰分に覆われてるけど、なぜ歳が分かった?

    • +5
  6. その点、生け贄を土人形に変えた孔明はさすがだな

    しかも饅頭の起源になるし

    • +13
  7. 紀元前900年頃って魔女狩りの概念ってあるのかな?

    • +4
  8. 当時の風習だし、しょうがないとは思うが可哀想でもある。
    ただ、今を生きる自分たちには救う術もないし、そっとしておくしかない。

    • +14
  9. 生贄は野蛮な習慣だと思うが、その社会においては重要な意味を持つ儀式なのだから独善的に西洋文化で測るべきでないというのがフィールドワークをする上での鉄則
    悪魔的というなら後年に原住民を虐殺した海賊連中こそが

    • +27
  10. 日本でゆうと岩戸隠れで有名な天安河原ですかね?
    今ではパワースポットって言ってる人がいますが…

    • +1
  11. 18歳の少女が「寝そべっていた」というのは、どことなく変な気がする。殺されて仰向けに倒れてたわけで、本人には寝そべったという意識はないと思う。重箱の隅をつつくような指摘で申し訳ないけど、何か言い換えられないものかなと思います。

    • +8
    1. ※18
      細かいけどわかるよその気持ち
      前後の動きを指定しない「横たわっていた」とかだと少しは自然かな

      • +6
  12. 生贄がそこに居るって事は、洞窟は神のおわす場所だったんだろ当時は。
    そこを「地獄への入り口」とか。ずいぶんな言いぐさだな。

    • +10
  13. マヤ文明が栄えたのは南アメリカ大陸じやなくて、中央アメリカですよ

    • 評価
  14. 17さん、確かマヤ文明の神話では、洞窟の中に地獄があったやうな。

    • 評価
  15. *21
    これだけ長文なのに、ソース無しとは。
    私はコメ3を書いた人間ではないが、他人の意見に反論するときはデータの提示が必要なのでは。

    • 評価
  16. ここに旅行で行ったことがありますが、入り口から少し泳いで入りますが、数キロもは泳がなくていいです。水が流れているので、足首ぐらいだったり急に深くなったりする部分もありましたが…。
    細く狭い場所も通ったり、登ったりでかなり奥にありますし、途中かなり広くひらけた場所の奥に残されていましたので、生贄としてわざわざ運び込んだのではと思われます。
    土器等も石灰化して残されていましたし…。
    頭蓋変形のある幼児は水頭症で、当時では生贄になるまでは神の子と大事にされていたとの現地のガイドさんの話です。どこまでが本当かは定かではないですが…。

    • +9
  17. 生贄に捧げよ、と(神託を受けて)言った司祭が自ら生贄になるべき
    常に犠牲になるのは他者なのだ、ほんま宗教はもう
    自爆テロもやで、自分でやれと

    • -3
    1. ※29
      汝救済を求めるならば。
      だからつまり対価であり信頼の証なんだよ
      嫌だね、でも今でもそれは全く変わらない
      いのちが失われなければ変わらない、そうだよね? 我々も今までにたくさん見て来たはずだ

      • 評価

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