メインコンテンツにスキップ

脳と脂肪組織が直接コミュニケーションを交わしていることが判明

記事の本文にスキップ

21件のコメントを見る

(著) (編集)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
Advertisement

 ダイエットをしたことがある人は、ただ食事を減らせばいいだけの単純な話ではないことを知っているだろう。脳と脂肪の間に、カロリーだけではない何らかの深淵なつながりがあるだろうことは、想像に難くない。

 新たな研究によると、脳と脂肪組織は直接コミュニケーションを交わしながら、代謝や脂肪の燃焼をコントロールしているのだそうだ。

 これまで人体の代謝は、ホルモンなどのシグナルを利用して調節されていると考えられてきた。だがこのほど、脳は脊椎から枝分かれした「感覚ニューロン」で、脂肪に直接指令を出しているらしいことが明らかになっている。

脳は脂肪組織と直接コミュニケーションを交わしている

 今回、米スクリプス研究所のグループは、まったく新しい2種類の画像撮像法を考案し、ニューロン(神経細胞)が具体的にどのように脂肪とつながっているのか調査した。

 その1つは、脂肪組織を透明にして、その中のニューロンをのぞき見できる「HYBRiD法」。もう1つは、脂肪組織内のニューロンが人体のほかの部分とコミュニケーションする様子を調べる「ROOT法」だ。

 研究の筆頭著者ワン・ユ氏は、「この研究は、これらの新しい方法のおかげで可能になりました」と、プレスリリースで話している。

 この2つの方法で判明したのは、脊椎から脂肪組織に広がる「感覚ニューロン」の存在だ。このニューロンは、脳内の「後根神経節」という部分と直接コミュニケーションを交わしている。

 これまで脂肪組織に伸びるニューロンは、ほとんどが「交感神経」につながっていると考えられてきた。

 エネルギーが必要になった体は、ホルモンなどのシグナル伝達分子で交感神経にメッセージを送り、これをきっかけに脂肪燃焼がうながされる。

 ところが今回の発見によって、脳は脂肪についての情報を受動的に受け取るだけでなく、自ら積極的に調べていることが明らかになった。

「これが意味するところは大きいでしょう」と、研究グループのイエ・リ氏は話す。

この画像を大きなサイズで見る
新しいイメージング手法により、脳と直接通信する感覚ニューロンが脊椎から脂肪組織に分岐していることが発見された / image credit:Scripps Research

交感神経はアクセル、感覚ニューロンはブレーキの役割

 では、こうした感覚ニューロンは脳にどんなメッセージを伝えているのだろうか?

 この感覚ニューロンからの通信を遮断すると、脂肪組織の代謝が活発になることがわかっている。感覚ニューロンが黙ってしまうと、交感神経系が脂肪細胞である「白色脂肪細胞」を「褐色脂肪細胞」に作り替えるのだ。すると脂肪の燃焼がアップする。

 研究グループは、こうした2つの相反する神経シグナルによって、代謝のバランスが保たれていると推測している。

 どうやら、交感神経が脂肪燃焼をうながすのに対し、感覚ニューロンはそれを抑えるよう働いているようだ。

 イエ氏は、「ここから、脳が脂肪に送る命令は1つだけではないとわかります」と説明する。交換神経と感覚ニューロンは、それぞれ脂肪燃焼のアクセルとブレーキのように機能しているという。

Scientists discover sensory neurons that carry messages between fat tissue and the brain

新たなダイエット法の発見につながるか?

 今の時点ではっきり言えるのは、新たに発見された仕組みが脂肪組織の健康にとって非常に重要ということだけだ。新しい発見は、それにまつわる数々の疑問を浮かび上がらせるのが普通だ。

 たとえば、脂肪細胞の感覚ニューロンは、どうやって交感神経とやりとりしているのだろうか?

 脂肪細胞の感覚ニューロンと脳とで交わされるメッセージの内容も気になる。

 ほかにも、後根神経節が司る代謝機能が部位によって異なるのか、こうしたメッセージを調節することで肥満や代謝性疾患の治療につながるのかといった疑問もある。

 こうしたメカニズムが解明されれば、脳から脂肪に直接命令を出して脂肪燃焼アップなんてダイエット法も考案されるかもしれない。

 この研究は、『Nature』(2022年8月31日付)に掲載された。

References:Researchers discover new way fat cells talk directly with the brain / written by hiroching / edited by / parumo

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 21件

コメントを書く

  1. 太ってる人と痩せてる人で思考パターンも変わる

    • +3
  2. つまり脂肪を付けるとコミュ力がアップするということだな!ちょっと二郎行ってくる!

    • -3
  3. 何かのテレビで出てたけど、褐色脂肪細胞の塊みたいなひとがマイナス何十って冷凍庫で平気で半袖短パンで活動してたな。
    超高代謝で暑がりなだけで寒暖の感覚がおかしいわけじゃないから、ハッカ風呂入れられて相当堪えてたw曰く初めて寒さを知ったとかw
    そういう代謝アクセル全開な体質の原因はこれなのかしら。

    • +4
  4. 体脂肪32%男だけどなんか女々しいのはそのせいなのかな。体絞るか。

    • 評価
  5. ……きこえますか…脂肪よ…今…あなたの…心に…直接… 呼びかけています…減りなさい…せめて2/3になるのです…

    • +34
  6. 太っていることが醜いこととみなされたのは近代に入ってから。
    中世では太っていることは財力の象徴であり、貴族は腹の大きさを競い合っていた。
    お抱えの科学者に「太るための薬」を開発させていた貴族もいたそうだ。
    男塾という文献に書いてあった。

    • +6
  7. 動物は飢餓との戦いをずっとしてきたから手に入れた脂肪はできるだけ手放したくないわな

    • +17
  8. 飽食の時代だから悪役の様に言われてるけど生命活動に不可欠なのは今だって変わってないもんね
    過酷な環境下じゃないと実感出来ないのが脂肪の有難味

    • +10
    1. ※9
      病気で食べられなくなったりすると
      ある程度以上のの脂肪があればそこそこ持ちこたえられるけど
      ガリガリだと一気に衰弱するもんな

      とはいえ、巨デブレベルになると
      着替えの補助とか看病する側が大変になるから
      脂肪をつけるにも限度ってものはあるだろうけども

      • +5
  9. 最新のダイエットは脳に電極を埋め込んで脂肪燃焼脳波を強制的に出させる方法になるっ…てコト!?

    • +6
  10. ダイエット法の発見につながってからおしえてほしかった…

    • +3
  11. マッチョ系の人たちは筋肉と会話するとか言うが、ポッチャリ系も脂肪と会話しているということか。

    • +12
  12. 脂肪細胞「脳さん、ラーメンは野菜も入ってるから実質カロリー0ですよ!」

    • +3
    1. >>13
      フリーザの声で再生されてしまった

      • 評価
  13. 女は皮下脂肪が付きやすく
    男は内臓脂肪が付きやすい

    • +1
  14. 後根神経節(DRG)は背骨の背中側の神経の出入り口「後根」にある神経細胞の塊のことです。
    “脳内の「後根神経節」という部分” という表記はミスリードですので、修正されてはいかがでしょうか?

    • +1
  15. 仕組みがわかってきた!って喜べないで「具体的な方法わかってから教えろ」とか怠惰な思考してるから太るんだよ。
    新しい情報から自分で関連情報調べて仮説立てて試してみればいいのに。
    自分の体のことなんだからさ。

    • 評価
  16. もっと進めてくれれば脂肪燃焼を効果的に進められる…
    はよ

    • +1
  17. 脂肪組織を腸に次ぐ第三の脳として活用できる可能性がある・・・?

    • 評価

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

サイエンス&テクノロジー

サイエンス&テクノロジーについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

人類

人類についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。