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地球外生命体の探し方。大気中のメタンに注目

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(著) (編集)

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 昨年NASAは待望の「ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)」を打ち上げた。それは宇宙の深遠なる数々の秘密を解明するための新兵器だ。

 ブラックホールの深淵を覗き、ビッグバン理論の正しさを確かめ、史上初の地球外生命のサインを見つけるために作られたものなのだ。

 ではどうやって地球外生命体を探すのか?

 『PNAS』(2022年3月30日付)に掲載された最新論文によると、JWSTが探すべきものは「メタン」だという。それでは詳しく説明しよう。

生命の存在を示す証拠としてのメタン

 単純にメタンを探すといっても、簡単なことではない。なぜなら、天文学者といえど、2つの大きなミスを犯す恐れがあるからだ。

 1つは、偽の証拠を本物と勘違いすること。もう1つは、本物の生命の証拠を見逃してしまうことだ。

 カリフォルニア大学サンタクルーズ校のジョシュア・クリサンセン=トットン氏は声明の中で、「こうしたメタンに関する間違いを避けるためのガイドラインを作りたいと思いました」と説明する。

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image credit:NASA.

なぜメタンなのか?

 そもそもなぜメタンを探すべきなのか? 酸素ではダメなのだろうか?

 生命が存在するであろう指標のことを「バイオシグネチャー(生命存在指標)」という。JWSTでバイオシグネチャーを探そうというのなら、惑星大気の光を分析すればいい。

 分子や元素が反射する光の波長はそれぞれ独特なので、それを調べることで大気の成分を知ることができる。

 もしそこに生命がいなければ生成されないものが含まれていれば、おそらく生命がいるだろうと推測することができる。

 これがバイオシグネチャーだ。実は酸素は優れたバイオシグネチャーとなるが、それを検出することはかなり難しい。

 「酸素は最高のバイオシグネチャーとされますが、JWSTでは検出が難しいでしょう」と、カリフォルニア大学サンタクルーズ校研究の主執筆者ギー・トンプソン氏は説明する。

 一方、メタンの場合、そこまで検出が難しくない。それでいて(少なくとも地球上の)生命に必須なものなので、生命の存在を示す格好のサインとなる。

 「岩石惑星で大量のメタンが検出されれば、膨大な発生源がなければ説明できません」と、クリサンセン=トットン氏は話す。

 地球上では、生命活動によって大量のメタンが発生する。メタンはかなり簡単に代謝できるので、初期の地球でも同様だったろう。

 つまり人体を含めた地球上の生物学的プロセスについて言えば、メタンは頻繁かつ簡単に放出されるのだ。

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image credit:c 2022 Elena Hartley

そのメタンは本物?

 ここから推測すると、どこかの岩石惑星で大量のメタンが見つかれば、それは地球と同様に生命によって作り出されたものである可能性が高い。

 ただし先ほど述べたように「偽陽性」の可能性、つまりバイオシグネチャーでないものがバイオシグネチャーと勘違いされる恐れはある。

 「1種類の分子だけで、答えが出るわけではありません」と、クリサンセン=トットン氏。メタンはあくまでパズルの1ピースでしかなく、それが本当に生物に由来するものであるか断定するには、惑星の化学を検証しなければならない。

 たとえば、地球の生物は間違いなくメタンを生成するが、非生物に由来するメタンもある。火山・海嶺・熱水噴出孔がそれで、小惑星の衝突によってメタンが生成されることだってある。

 だからもしJWSTによって、「ハビタブルゾーン(生命居住可能領域)」にある岩石惑星でメタンが検出されたとしたら、慌てることなくそれが非生物由来のメタンでないか検証しなくてはならない。

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image credit:NASA / AMES / JPL-CALTECH

本物のバイオシグネチャーを見分けるためのルール

 そこでクリサンセン=トットン氏らは、生物由来メタンと非生物由来メタンの違いを分析し、両者を区別するざっくりとしたルールを考案した。ルールは3つ。

・大気にメタンだけでなく大量の二酸化炭素が含まれていること

・一酸化炭素よりもメタンのほうが多いこと

・水が極端に多くないこと

 これらすべてを満たしているなら、偽陽性ではないと考えられる。

 逆に言えば、どれかが当てはまっていないのならば、火山のような非生物学的なプロセスによって発生したメタンである可能性を否定できないということだ。

 太陽系外惑星で生命を発見するという夢物語のような目標を達成しようというのなら、今後このルールに沿った研究が必要になると、クリサンセン=トッテン氏は考えている。

 今回の研究は、メタンがバイオシグネチャーであると誤認されるもっとも明白なケースに焦点を当てたものだ。

 「太陽系の外にある岩石惑星の大気は、おそらく私たちを驚かせるでしょう。ですが、その解釈は慎重に行わねばなりません」

References:Methane could be the first detectable indication of life beyond Earth / written by hiroching / edited by / parumo

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この記事へのコメント 13件

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  1. 屁~こきましたね、屁~こきましたね、屁~こきましたね・・・あ・な・た~♪♪

    • 評価
  2. >>1

    水が多すぎるとタンパク質が作られる反応が上手くいかなくなるらしい

    • +2
    1. >>4
      生命っつったって炭素系じゃなきゃいけないわけじゃないっしょ?
      なんで地球と同じ仕組みの生命を探そうとしてるん?

      • 評価
  3. メタンの有無だけで生命がいるとかは
    荒唐無稽では?
    ならタイタン星人がいるはず
    でもいない。
    夢はあるんだけどね
    生命由来じゃないメタンは
    山ほどあるよ

    • -1
    1. ※5
      生命由来かどうかを見極めるためのルール作りの記事なんだけど

      ※6
      人類はその炭素系の生物しか実例を知らない。
      ある現象に対して、炭素系以外の生命によるものだと検証できる術が無いんだ。

      • +2
  4. 生命の定義が限定的な仮説だね
    飽く迄も地球モデルの惑星を捜す方法って事だ

    • 評価
  5. 今やかなりの天体まで目が向けれる様になった現代においてもまだ
    宇宙人どころか宇宙由来の生命体一つ見つけられないって事は
    ひょっとすると水やタンパク等物質以外に何か、有機物を命に代える
    何かが必要であり、その物質は地球人が考えてる以上に貴重なもので
    つまり地球以外に命は生まれてない可能性もあるのでは・・?

    • -1
    1. >>9
      現代でも観測出来る天体は太陽系内惑星か恒星だけで、生命存在の可能性の高い太陽系外惑星はほぼ観測出来ていない

      • 評価
      1. ※11
        ハビタブルゾーンにある地球型系外惑星は見つかっている。

        • +1
    2. ※9
      そんなものがあったら、とっくの昔に地球生物の中から見つかってるだろ
      現在はまだ観測バイアス(見つけやすいものしか見つかっていない)が働いているだけだが、※12のように徐々に宇宙生物が存在する可能性を持つ証拠が集まりつつある

      • +1
  6. 我々は、知っているモノしか目に入らない。

    • 評価

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