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マンモスを現世に蘇らせる計画が本格化。アジアゾウとマンモスの雑種「マンモファント」の誕生間近

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(著) (編集)

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アジアゾウの保全と北極圏の環境保護にもつながる

 マンモスが絶滅してから1万年、ついに彼らをシベリアの永久凍土に復活させる計画が本格的に始動したようだ。マンモスの復元は研究者にとっての夢とロマンである。

 マンモスの復活については10年以上前から議論が交わされ復元する計画が進められていた。しかし、つい先日、それを実行するための追加資金が確保されたのだ。

 15億円相当の資金は、米国のスタートアップ「Colossal Biosciences」社、起業家のベン・ラム氏、ハーバード大学医学大学院の遺伝学者ジョージ・チャーチ教授によって集められた。

 アジアゾウの胚からマンモスに似た雑種「マンモファント」を誕生させ、最終的にはかつてマンモスが北極圏で占めていた生態的地位につけることが目標であるそうだ。

まずはハイブリッド種「マンモファント」を誕生させる

 計画でまず目標とされているのは、ゾウとマンモスの雑種「マンモファント」を誕生させることだ。

 そのために、アジアゾウの皮膚から細胞を採取し、遺伝子編集技術によってマンモスのDNAを持つ「幹細胞」を作り出す。

 びっしりとした毛や脂肪の層といった寒さに耐えるための遺伝子は、永久凍土から発掘されたマンモスの遺伝子を調べることで特定する。

 こうしてできた胚を、代理母(あるいは人工子宮)に移植。順調にいけば、6年後には最初のマンモファントの子供が誕生するという。

 チャーチ教授によると、マンモファントは姿も行動もマンモスらしいものになるという。

 同教授が目指すのは、機能的にマンモスとよく似ており、マイナス40度の厳しい寒さに耐え、かつてマンモスがやっていたように木を倒すことができる個体だ。

 このプロジェクトには他にも目的がある。絶滅の危機に瀕しているアジアゾウに、マンモスの特性を持たせることで、広大な北極圏で生きられる力を与え、そこで繁栄させることだ。

 しかも、これが同時に、温暖化の抑制にもつながると期待されている。

 今から4000年前、マンモスが絶滅すると、それまで草原だったところに低木が生え始めた。だがマンモスが復活すれば、低木を踏みつけたり、糞を落として草に栄養を与えるために、以前の草原が回復すると予測される。

 これが永久凍土の融解を防ぐ。草原はツンドラよりも光を多く反射するからだ。光が多く反射されれば、それだけ地面が冷たく保たれる。だから永久凍土も解けにくくなるのだ。

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photo by Pixabay

マンモスの復活に対する反対意見

 一方で、こうした試みに反対する科学者もいる。

 ロンドン自然史博物館の古生物学者ビクトリア・ヘリッジ博士は、「個人的には、マンモスで北極圏をジオエンジニアリング(るという考えは正当化できないと思います」と語る。

 もし彼らの力を借りて、北極圏の生態系を改善するのなら、数十万頭も必要になる。だがマンモファントは1頭が生まれるまでに22か月を要し、大人になるには30年もかかるのだ。

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 これほどの規模の計画を実行するのは簡単なことではない。

 またシェフィールド大学の植物・生態学者ガレス・フェニックス教授は、「意図しない有害な結果を避けるために、責任をもって対策を講じなければいけません」と話す。

 たとえば北極圏の森林におおわれた地域は、木やコケがあることで永久凍土の融解が防がれているのだという。それをマンモスによって踏みつけられてしまうのは、望ましいことではないのだそうだ。

References:Firm raises $15m to bring back woolly mammoth from extinction | Extinct wildlife | The Guardian / Startup Colossal Biosciences Wants To Bring Woolly Mammoths Back From Extinction – It Might Not Be Such a Bad Idea / written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 48件

コメントを書く

    1. ※1
      それはマンモーニだ!いいか、二度と間違えるな!

      • 評価
  1. どっちの言い分が真実なのか知らないけど、
    やっぱり科学の力を用いて滅んだ生態系を蘇らせようとするのはあまり賛同できないな。
    考え方が古いのかもしれないけど。

    • +16
    1. >>2
      人間が環境改善のつもりで生態系の外から動植物連れ込んで悪化させた例はめっちゃあるしな
      人為的に交配させた動物の利用は普通にあるし今も恩恵を受けてはいるけど家畜とかじゃなくて野に放つとなるとリスクの方が気になる

      • +6
  2. 色々議論はあるんだろうけどシンプルにワクワクするね

    • +4
  3. ナマケモノ「俺の古代バージョンもよろしく」
    鳥    「俺の古代バージョンもよろしく」
    カメ   「俺の古代バージョンもよろしく」
    クジラ  「俺の陸バージョンもよろしく」

    • +1
  4. ドードーみたいな他の今まで人間が滅ぼした動物も甦らせてほしいが
    甦らせたところで保護できるとも限らないしなぁ…

    • +5
    1. ※6
      エサとなる動植物もセットで滅びていた場合
      エサのない世界によみがえらせて飢え死にさせるだけになる。

      • +2
  5. はじめ人間ギャートルズに出てくる向こう側が透けて見えるうっすーいマンモス肉が食べられるのか

    • +1
  6. 見てみたいけどゲノム編集の品種改良でしかないような

    • +6
  7. 気温上がってる時に復活させられたら一寸可哀想な気もする

    • +5
  8. 頑張ってくれ。
    施設から出さなきゃいい。
    ましてサーカスなんて…アメリカはこのケースが多い。

    • 評価
  9. マンモス見てもたぶん動物園で象見たときと同程度の感動しかなさそう

    • +1
  10. 近代で人間が滅ばした種類ならともかくマンモスはなぁ。幸せに暮らせなさそう。

    • +5
  11. 何の動物だったか覚えてないけど、遺伝子データやら細胞サンプルやらが完全に残ってていつでも復活可能だけど、当時の住環境や餌になる生物自体がまるごと絶滅済みで今の生態系に組み込めない上、見世物にして金取る以外人間にとってほぼ寄与がないから復活させない、みたいな話があった気がする。こいつはどうなんだろうな。

    • +7
  12. 「低木を踏みつけたり、糞を落として草に栄養を与える」それ人間がやったらダメなんですか?
    賛同してもらう為の後付けな理由に聞こえるわ

    • +9
  13. 1万年も前に滅びた生物が、今の生態系にうまくハマる(環境に有用)とは思えないけどな…
    昔活躍したヒーローでももはや時代遅れで煙たがられるみたいな感じというか

    • +3
  14. 現代によみがえったマンモファントが脱走!!
    街は大パニック!!
    『メガシャークvsマンモファント』お楽しみに!!

    • +3
  15. 今更何を言っているのだろう?

    マンモスのDNA採取はすでに各国で何度も実験され、非常に良いと考えられるサンプルでもDNAの断片化は必ず発生するから、マンモスの完全なDNAを取得するとが不可能ということが20年前に実験結果で結論が出ている。

    スタートアップでの金儲けにマンモスが使われているとしか思えない。
    情報弱者がこういうのに引っかかるんだろうなあ

    • +1
  16. 議論が錯綜しているけど、①温暖化対策云々と②生態系への影響に分けて考える必要があります
    ①温暖化対策については、猫も杓子も気候変動に絡めないと予算が取得し難いという風潮が欧米にあります
    どう考えても気候変動とは関係のなさそうなテーマでもとにかく絡めるのです
    マンモスを増やして北極圏の植生や土壌を変更するのは現実的ではないでしょう

    ②生態系への影響という意味では、ほぼ無意味です
    生物学や発生学の実験という趣旨であれば意味はありますが、かつてマンモスが確保していたニッチはすでに他の動物に奪われていますので、ここで復活させても混乱するだけです

    • +5
  17. マンモス復活はさて置きアフリカゾウを遺伝子操作するのは断固反対
    その手間隙と金で今生きてる彼らを保護するべきだよ

    • +4
      1. ※31
        ドテチンって、ホモサピエンスではないですよね。
        こどものころ見た時は人類というか兄弟だと思ってましたが、言葉を話さないから別の種(アウストラロピテクスとか)だったのかなと、大人になって思いつきました。

        で、このマンモス復活はバベルの塔とそのあとのたくさんの言語に分かれた話を思い起こします。神の怒りに触れてカンブリア爆発のようにたくさんの種が生まれるんじゃないかとかね。それが人間にとって都合悪く害がある種ばかりが生まれるとかね。そんなこと起こるわけないと思いますが、思いついちゃったのよね~w

        • 評価
        1. ※34
          人類と共存していたのはホモ・エレクトスですね。
          アウストラロピテクスはもっと古く、約200万年前に絶滅した種です。

          • 評価
  18. 生態系に及ぼす影響うんぬんの賛否はあれど、
    ここをきっかけにニホンオオカミの復活に
    繋がってほしいと思う自分がいる。
    DNA採取自体がまず難題だけど。

    • 評価
    1. >>23
      ニホンオオカミは何処かに剥製があったような…剥製からでもDNA取れるのかな?

      • 評価
  19. 一度使われた宇宙時間は二度と取り戻せないんだ・・・

    • +1
  20. 今の環境で自然界に離しても
    すぐに死んじゃう気がする

    • +1
  21. 後半からの科学者の言っていることがまとも
    16 も言っているように何らかの大義名分を無理やりくっつけている

    スタートアップ「Colossal Biosciences」社
    結局は金

    • +4
  22. こういう話って昔からあるけど実現しないのは
    研究者のおまんまのタネだからと思うようになってきたわ
    無茶苦茶な事をぶちあげて寄付金つのる

    • -1
  23. 日本オオカミ復活待望論があるけど復活させたら
    今ブームのキャンプと登山とハイキングと山菜取りは
    絶対に不可能になるからね。山のふもとの地域では
    ジョギング・徒歩移動・集団登校とかも危ないかも。
    犬以上の嗅覚で熊の3倍の速さで複数で追いかけてきて
    絶対に噛みついてくる病原菌持ちの猛獣だよ。都合よく
    シカとシシだけ減らしてくれる賢いノラ犬じゃないんだよ。

    • -2
  24. 今のアラスカやシベリアにはマンモスの個体群を維持できる植物資源はないから放ったところで南下して穀倉地帯をめちゃめちゃにする未来しか見えない

    • +2
  25. 象さんは食べようとは思わないのに、マンモスとなると俄然食べてみたくなるのは
    やっぱりギャートルズの影響か?

    • +2
    1. ※30
      皮膚からくるイメージがありそう
      象の皮膚は見た目硬そうだけどマンモスは柔らかそうというか
      あとゲームだと象よりマンモス型のモンスターのが多い(戦う系のゲームに文化的アイコニックなリアル動物を敵にするとその国からクレームくるから)んだけど、そのマンモス倒したら肉が手に入るからそういうのもあるかも

      • +1
  26. 1匹だけならまぁ現世の脅威にはならないだろう…おそらく…

    • +1
  27. 種として定着してくには
    何匹ぐらい必要になるんだろうね

    • 評価
  28. 氷河期が来た時のの資源として増やそう

    • 評価
  29. この話ねえ・・・
    遺伝関係の学会では本当にやるらしいよ、って噂はずーっとあったけど進展がなくて眉唾だったんだよね。お金の問題だったのか。
    細胞核を入れ替えて99%マンモスな個体を産ませることは可能とかなんとか言ってたはずだが、路線変更したのかしら。

    • +1
  30. 散々やりたい放題してきた人間が今更自然に反するとか言い出しても説得力ないわ。

    • 評価
  31. 近畿大学のやってるやつとは別のプロジェクトなのか

    • 評価
  32. リアルマンモス見てみたいけれど、現在の温暖化を促進する温室効果ガスのほとんどは、南半球の自然物の羊や牛だという事実がある。マンモスが出す炭酸ガスで温暖化したという研究結果がある以上、温暖化対策に使うのは慎重にした方がよいのではと思う。

    • 評価
  33. 北極圏で暮らせるアジアゾウってもうアジアゾウじゃないだろ

    • 評価
  34. 500年でどんどん情報失われていく遺伝子で?

    マンモスっていつ生きてたの?

    凍土からでたからって都合よく残ってないよ?遺伝子だのDNAだのって。

    • 評価

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