image credit:The Nation Thailand/Twitter
コロナ対策で入国規制が敷かれたタイ・バンコクでは、観光客が激減し、タクシー会社が大打撃を受けている。顧客を失ったことで地方からの運転手が故郷へ戻り、利用価値がなくなったタクシーは屋外駐車場でまるで墓場のように大量に放置された状態になっていた。
そこで最近、あるタクシー会社では、車の屋根やボンネットに菜園を作り、野菜を栽培しているという。収穫した野菜は、少なくとも運転手や従業員らの生活の助けになっているようだ。
‘Graveyard of taxi cabs’ – a testimony to economic fallout from Covid-19 | The Nation Thailand
コロナ禍で需要が激減、タクシーの墓場ができる
タイのバンコクには、稼働停止状態で野外駐車場に止まったままの車がずらりと並ぶ「タクシーの墓場」が存在する。コロナ禍によって入国規制が敷かれたため、タクシー業界はその煽りをまさに受けた状態だという。
主要顧客となる国外からの観光客を失い、いつ回復できるかもわからない待機状態を強いられたタクシー業界は、地方からの出稼ぎで来ていた多くの運転手が仕事を辞めて故郷に戻ってしまったことで、2重の打撃を受けた。
運転手と顧客を失ったバンコクの2社のタクシー会社のタクシー約2500台が、まさに手持無沙汰状態で駐車場を埋めているというわけだ。
そこで、稼ぐ手段を失った残っているタクシー運転手と従業員たちのためにタクシー会社が思い付いたのが、タクシーをミニ菜園として活用することだった。
The “taxi graveyard” at the Boworn Taxi Cooperative in Bangkok has been turned into a vegetable garden, staff members planting veg on the vehicles’ roofs.
— The Nation Thailand (@Thenationth) September 15, 2021
Read more: https://t.co/uNLSQibqsF pic.twitter.com/3CqDgGy03a
タクシーの屋根やボンネットを利用して野菜栽培
カラフルなタクシーの屋根やボンネットに黒いビニールのゴミ袋を敷き、竹製の枠を設置して作られたミニ菜園では、ナスやトマト、キュウリやズッキーニ、インゲン豆、唐辛子、バジルなど複数の野菜が栽培されている。また、古いタイヤは重ねて真ん中に水を入れ池として利用。その中で食用ガエルを養殖しているという。
現在、コロナ禍の影響を受けた2社のタクシー稼働率はわずか17%だそうで、この菜園で取れる野菜は、稼ぎを失った運転手や従業員の生活の助けになっているとタクシー会社は話している。Idle taxis used to grow food for out-of-work drivers in Thailand https://t.co/jOzGmQYBf1
— BBC News (World) (@BBCWorld) September 17, 2021
タクシーは、長い間放置されていたから既に修理が効かないほど破損してしまっています。エンジンも壊れているし、タイヤも潰れている。菜園で残った野菜は地元の市場で売ることも望んでいるタクシー会社だが、決して野菜栽培がサイドビジネスとして成功しているというわけではない。
だから、屋根やボンネットで野菜を栽培してもどうということはありません。これ以上の損害にはならないし、これらのタクシーはタクシーとしての利用価値がもうないのです。
何千台も放置されたままとなっている多くの車両には、まだ多額のローンが残っており、巨額の債務を抱えているからだ。
同社は、窮地に陥っている現状を政府に訴え、支援を求めているという。
written by Scarlet / edited by parumo
あわせて読みたい
廃墟化したパリの地下駐車場をキノコ栽培農場に。都市部での農業開発へ向けた新たなる試み(フランス)
注目される人工光による室内農作物栽培。コスト削減の為の光の当て方が研究される(米研究)
家の中で簡単に90種類の野菜や果物を育てることができるプランターが販売決定
これが宇宙野菜だ!国際宇宙ステーションで栽培した野菜「アウトレッジャス」を試食する飛行士たち
食べたい?いけそう?使用済みの紙おむつからキノコを栽培する方法が考案される(メキシコ研究)※画像閲覧注意
コメント
1. 匿名処理班
切なさとたくましさを感じる
世界的に大変だけど一日も早くコロナが終結して少しでも元の生活に戻せるようになるといいね
2. 匿名処理班
タクシーの上で栽培する意味が全くないし
サビや浸水の原因になりそうだし
鉄屑として売った方がまだ金になりそう
3. 匿名処理班
こんな事したら車が駄目になるだろ
4. 匿名処理班
※3
本文ぐらい読めや
5. 匿名処理班
素朴な疑問だけど、車を2年放置しただけでそんなにダメージなるの?
6. 匿名処理班
他にもタクシー会社あるらしいけど、バンコクのタクシーといったら、たしかにピンクと白&緑と黄色のイメージ
7. 匿名処理班
2年かぁ
あっと言う間の様で矢っ張り長いよな
直撃食らってる業界はもう長い事瀕死状態なんだね
8. 匿名処理班
※3
承知の上らしい
>タクシーは、長い間放置されていたから既に修理が効かないほど破損してしまっています。エンジンも壊れているし、タイヤも潰れている。
だから、屋根やボンネットで野菜を栽培してもどうということはありません。これ以上の損害にはならないし、これらのタクシーはタクシーとしての利用価値がもうないのです。
9. 匿名処理班
※5
機械って動かさないとダメになるんですよ。少しでも動かしていれば油も回って寿命が伸びるけど、例えばシャフトが錆びついたり保護の樹脂が劣化したりすると、固まって動かなくなる。あちこちそうなっちゃうと、再度使おうとしてもメンテが膨大になる。
なので蒸気機関車など旧式の機械の動態保存は、ものすごい手間をかけて手入れをしています。
10. 匿名処理班
せめて屋上緑化で未来に希望をタクシたのですね。
11. 匿名処理班
せっかく車体を使うなら、屋根とかじゃなく
特性を活かして車内で熱帯植物でも…と思ったが、
熱帯にしても温度が高すぎるのと、日光が不足するのか?
12. 匿名処理班
車体の上に竹の囲いをした程度の薄く敷かれた土で野菜が育つもんなのか
もっと根を張りやすいように深くないと(地層が厚くないと)ダメなのかと思ってた
13. 匿名処理班
前に何かで見た、タイだかベトナムだか、あのあたりの国でのインタビューを思い出した。
街中でお店やってるおっちゃんが、コロナで客が減ってるみたいなことを言ってたんだけど、同時に「仕事がなくなったら村に戻って畑を耕すよ」みたいなことを言っていて。
ああ、これが人の強さだなあ、と感心したのを思い出した。
食うものがあればとりあえずはなんとかなるもんな。
かくありたい。
14.