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廃墟化したパリの地下駐車場をキノコ栽培農場に。都市部での農業開発へ向けた新たなる試み(フランス)

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pixabay
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 フランスの首都パリ中心部には、今はもう使われなくなった地下駐車場が多数存在している。その巨大なスペースを再利用する試みとして行われているのが、キノコなどの農作物の栽培だ。

 2017年に、初めてパリ18区の未使用の地下駐車場を有機ファームに大改造したフランスの新興企業は、現在もスペースを活かした新たな農業開発とより良い環境への取り組みに邁進中だ。

Why Paris is turning car parks into mushroom farms

パリで問題となっている廃墟化した地下駐車場

 1960年代と70年代、パリでは多くの地下駐車場が建設された。特に18区ではアパート300戸が入っている建物群の地下には、4階分、面積にして約9000㎡に及ぶ巨大な駐車場が広がっている。

 当時、市はアパート1棟ごとに2つの駐車場を義務付けしており、居住者の多くも車を所有していたため、地下駐車場は収容スペースとしては最適だった。

 ところが、近年のパリは人口密度が高くなるにつれて車の所有数は減少。複数のスタートアップ企業が、環境のために車を使用しなくてもいいようにと、街に電動自転車や電動キックボードを導入して交通の便宜を図る取り組みがなされているからだ。

 すると、地下には空っぽの駐車場が残される。これまで廃墟化したこのスペースを利用していたのは、ドラッグ密売人もしくは売春婦たちだった。

地下駐車場を農作物の栽培に利用する試み

 そこで2017年、フランスのスタートアップ企業『Cycloponics』が、パリの地方自治体の許可を得て地下駐車場を大改造した。

 光を必要としない作物を栽培するための地下農場「La Caverne(ラ・カヴェルヌ)」をスタートさせたのだ。

 La Caverneは、巨大な地下駐車場でマッシュルームやしいたけ、まいたけなどの複数の有機きのこの他、エンダイブやLEDの光源で育つケールやスプラウトなどを栽培している。

 実は、パリで地下きのこ栽培はCycloponics社が初めてではない。1800年初頭でも行われていたが、19世紀の終わりにパリのメトロの開発で停止されたそうだ。

 それ以降も、地下きのこ栽培はあったが、最後となったのは50年位以上前のことで、今回Cycloponics社がそれを復活させた形となった。

 現在、“より環境にやさしい都市のためのゼロカーボンデリバリー”と呼ばれる地域流通用の食品生産の継続を目指して、同社はLa Caverneで収穫された新鮮な作物を近所の店に売ることで、運搬の手間や交通による汚染をカット。

 またLa Caverne創設者は、スペースの1部を地元NGOにリースし、地元コミュニティにも取れたての野菜を提供しているという。

 大都市の新たな農業開発への推進と、より良い環境への取り組みを実践するため、広大な地下駐車場を再利用し、地元だけでなく環境にも大きな利益をもたらしているLa Caverne。今後は、フランス全土で同様のビジネスを展開する計画を立てていくということだ。

written by Scarlet / edited by parumo

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この記事へのコメント 22件

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  1. それも確かにいい試みだけど、移民・ホームレスのための居住空間とかにもならないのかね?
    地下に押し込めるのは逆に人権侵害なのかな…、でも観光地なのにテントを目撃するのは由々しい問題でもあるし

    • -6
    1. ※1
      たぶん、地上に住んでいる人は自分の足元にスラムを作ることを誰も同意しないと思う

      • +7
    2. ※1
      見たくないから地下へやればって臭い物に蓋する発想だし、目が届かなくなって管理できなくなって状況悪化するとしか思えない

      • 評価
  2. 大元の駐車場は割とシャレにならん都市計画の大失敗だが、日本人にとっての米レベルでキノコ大好きなお国柄だから、
    地産地消の獲れたてキノコが都市部で食えるって思えば、悪くないのかもね。

    • +22
  3. 最近は巣篭り需要で菌床椎茸がめっちゃ流行ったらしいな
    でもあれって大量に取れるから、干し椎茸にするとか、事前に保存方法を考えないとな

    • +8
  4. 流石に首都地下を使うのは無駄使いだなぁ
    首都パリという立地条件ならもっと金になる使い道あろうに
    キノコはパリでなくて出来るでしょ

    • -6
    1. ※4
      消費地で栽培するから物流コストが少ない
      売春婦や売人を排除できる
      使ってない空間の管理費用を無くせる

      ただキノコ栽培する以外のメリットも多い

      • +5
  5. これは日本の過疎化した地方でも応用が出来そうな栽培方法だな、廃棄された地下施設なら元がある程度整備された場所だしエレベーターやスロープが設置されてれば高齢の方や身体的なハンデを抱えた方も仕事が出来る
    地下施設は温度、湿度の管理や害虫対策も地上施設に比べればやりやすいだろうし、強力な薬品類を使わなければ万が一地震などで施設が崩壊しても環境への被害は最小限に留まるし

    • +10
  6. 確かパリの地下ってスッカスカなんだよな
    古い下水道とかローマ時代の石切場とかたくさんあってわけわからんらしい
    オペラ座の怪人が地下に住んでるって設定もそこからきたとか
    もう随分前だけど、秘密の映画館が見つかったってニュースもあった
    調べたら2004年だったよ!歳をとるわけだ!

    • +14
  7. 菌類の繁殖力はハンパないからな。排水管がキノコ王国になってしまい、イタリア人の配管工が大変な目にあわされるぞ。

    • +9
    1. ※8
      そのイタリア人、緑色の弟居ない?

      • +5
    2. ※8
      知り合いのお姫様がよく誘拐されるんですね分かります。

      • +3
  8. めちゃくちゃ臭くなって危険レベルの大気汚染引き起こしそう

    • -7
  9. うちの実家でもね、入院中の俺の部屋で母親がシイタケの栽培してましてね。
    退院して帰ったら部屋の真ん中に置かれた栽培キットからシイタケが生えてたんすよ…

    • +7
  10. カタコンベでキノコ栽培・・・うっ、頭が

    • +3
  11. 椎茸や舞茸って海外でも食されてるんですね。
    勉強になります。

    • +1
  12. チコリもやっとんのか……
    ウチんとこは菌床でシイタケ栽培してるで

    • +1
  13. 維持は大変だろうけど、場所は無駄にならないと思うけどな

    • 評価

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