
image credit:i.am.tiger.the.cat/Instagram
普段から猫が好きで、近所の野良猫たちの世話をしていた女性が、ある日見慣れない野良猫と出会った。 その猫は人間との間に辛い過去があったのか、野良暮らしでやさぐれてしまったのか、顔を見ると威嚇の声をあげ、近付こうとすると逃げてしまう。 人間に対して不信感を抱き、怯えているのは明らかだった。その猫に特別な気持ちを抱いた女性は、猫の信用を得るために根気強く愛情を示し続けた。
Angry stray cat goes viral after woman documents their unlikely friendship | GMA
人間を怖がり、不信感をもっていた野良猫との出会い
イギリス・サウスヨークシャー州シェフィールドに住むアナスタシア・サトクリフさんは、住んでいるアパートではペットが飼えないという事情があり、窓越しから近所に住む飼い猫や野良猫たちの世話をしながら交流を図って来た。ある日、これまで見たことがない新参の猫がアパートの庭に姿を現した。
その猫は、これまでの友好的な野良猫たちとは異なり、アナスタシアさんを見ると威嚇の声をあげ、餌を与えようと近づくと怯えて逃げ去った。
何度かそんな猫の姿を目にしたアナスタシアさんは、きっとその猫は過去に誰かに捨てられたか、ひどい扱いをされたのだろうと考えた。
それでも、その猫のことが気になって仕方がなかった。人間を信用していないその姿はまるで自分のようだと、特別に惹かれるものがあったのだ。
アナスタシアさんは、なかなか心を開こうとしない猫にタイガーと名付け、愛情をもって根気強く接し続けた。
やがて、猫は威嚇の声をあげたままではあったが、餌を貰う時には窓越しに近付いてくるようになり、与えた餌を食べ、窓際で眠るようにもなった。
行き場のないタイガー、少しずつ心を開き始める
餌を貰いにやってくる他の猫たちは、別の居場所や寝床があるのか、アナスタシアさんのアパートの庭に居続けることはなかったが、タイガーは他に行くところもなかったようだ。いつも庭の辺りをうろついていたという。アナスタシアさんは、少しずつ心を開こうとしてくれているタイガーのために、素敵な猫小屋をDIYで作り、庭に置いた。
果たして、タイガーがそれを使ってくれるかどうか不安だったが、ある日、タイガーが小屋の中に入っているのを見て、アナスタシアさんは歓喜の声をあげた。
タイガーは気に入ってくれたようでその小屋にしっぽりと収まってくれたのだ。
撫でさせてくれるまでになったのに、予想もしない突然の別れ
アナスタシアさんのタイガーへの思いを、タイガーは理解したのだろう。やがてアナスタシアさんに「撫でていいよ」と言うように、窓際に後ろ脚2本で立ち、頭を突き出して来るようになった。 この時、タイガーと自分の間に絆が生まれたことをアナスタシアさんは悟った。ところがそんな矢先、思いもかけない事態が発生した。
タイガーが動物慈善団体に引き取られることになったのだ。普段から野良猫として徘徊していたタイガーに餌を与えていた別の住民が、同団体に保護を求めたようだ。
それを知ったアナスタシアさんは、檻の中でストレスと怯えがマックスになったタイガーを見て、激しく心を痛めた。 いずれは養子縁組させる予定でタイガーを引き取るという団体スタッフの言葉を受け、「それでタイガーにいい家が見つかるなら」と納得して別れを決意したアナスタシアさん。
それでもやはり、「もう2度とタイガーと会えないかもしれない」という悲しみの方が大きく、涙が止まることはなかった。
やはりタイガーは以前人間に飼われていたようだ
しかしその後、団体スタッフがアナスタシアさんにタイガーの様子をこまめに連絡してくれていたことから、タイガーは去勢手術を受けていたことが判明。マイクロチップは埋め込まれていなかったが、スタッフへの態度から過去に飼い主がいた可能性が高いということだった。
タイガーに里親が決まったことを知ったアナスタシアさんは、コロナのロックダウンが緩和後、その里親宅を訪問することが許可された。
アナスタシアさんを見たタイガーは、捕獲のトラウマからか初めて会った時のようにアナスタシアさんに再び威嚇の声をあげた。 せっかく育んでいたタイガーとの関係が、また振り出しに戻ったような気がしたアナスタシアさんは、「このままきっとタイガーとは離れ離れになってしまうんだろうな」と悲しみと不安で心の中が一杯になった。
やはりどうしてもタイガーを諦めたくないという強い気持ちが芽生えた。
アナスタシアさんは直ぐに行動に移した。アパート側と粘り強く交渉した結果、ペットを飼っていいという承諾を得ることができたのだ。
家族としてタイガーを迎え入れることが叶う
里親宅からタイガーを引き取り、ついに家族として迎え入れることが可能になったアナスタシアさんは、感極まって涙した。 彼女のTikTokでの動画投稿は、多くのユーザーに注目を集め、海外のメディアでも取り上げられることになった。そのインタビューの中で、アナスタシアさんはこのように話している。
タイガーは、信頼を得るためには根気強さが必要だということを、私に教えてくれました。どれだけタイガーが人に怯えて威嚇し、不信感を抱いていても、アナスタシアさんは決して諦めず、ゆっくりと時間をかけ、タイガーの心が開くのを待った。
ベストを尽くせば、きっとその成果はいい形で現れます。それは、努力する価値があると言えるものです。
その努力は決して無駄ではなかった。今、タイガーはアナスタシアさんという最高の飼い主と永遠の家を手に入れ、元気で幸せに暮らしている。
アナスタシアさんがシェアしているTikTokやインスタグラムアカウント『i.am.tiger.the.cat』からは、そんなタイガーの日常が閲覧できる。
written by Scarlet / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
顔つきが全然違う
末永く幸せに暮らすんだよ
2. 匿名処理班
( `ー´)ノ→(*´ω`*)
3. 匿名処理班
信用を積むは永遠、崩すは刹那
4. 匿名処理班
広いお庭があるんだろうな〜〜と思って読んでいたら、アパート住み、ということはアパートの窓からエサをばらまいていたのか…??
結果的にはいい話に落ち着いたけど、日本で同じことやったら隣人からクレームきそう。
5. 匿名処理班
写真なら怒ってるようにも見えるけど動画だと助けを求めて来ているようにも見える
なんなら不器用に甘えてるようにも見える
本当に警戒心が強いとこんなに近づいてこないし
6. 匿名処理班
ちゃんと責任とって良い人だ
アメショっぽくて可愛いこだね
7. 匿名処理班
おおお。お腹モミモミさせてくれとるやないけ。
8. 匿名処理班
ん? 威嚇ではなく、「(強い)要求鳴き」だよーー
環境厳しい故の厳しい顔つきで。口を横いっぱいに広げる鳴き方
人に触られるのがイヤで、近づくと威嚇シャーするけど
エサを強く要求してる。ねだることでもらえると信じてる
怖がりなのに、心を寄せて来てると思う (ΦωΦ)♥
うちも似たようなメスと関わり、ペット可に引っ越した
ついでにもう一匹、過酷な地域の野良ッコを連れて
先の子は1天寿。後の子は元気。(さらに保健所からもう一匹)
大変だけど、私の人生を大きく幸せにしてくれました
思い入れが深いです。愛情の実感が大きいです。
NNNの (wwwも) 益々の活躍を応援し期待します!!
9. 匿名処理班
窓の外にいるころからそれなりに甘ったれで、とっくの昔に俺の人間と選ばれていた? 顔の距離チカが嫌なくらいで基本的に穏やかな彼。カーの使いどころが甘え/びびりのごっちゃになっているような印象ですがこのタイプは不器用可愛い。
会いに行った動画の「おまえどこにいたんだよおせえよいや近えよ」って雰囲気がいい。
有志寄贈の小動物用組み立てハウス掃除しやすそう。
Outdoor Wooden Cat Shelter Cat House Rabbit Hutch Habitat
10. 匿名処理班
このペットハウス可愛くて良いね
高床式かつ屋根がフルオープンで機能性も二重丸だし
11. 匿名処理班
強ければ それでいいんだ〜 力さえあればいいんだ〜♪
ひねくれて 星をにらんだぼくなのさ〜 ♪
12. 匿名処理班
虎だ!虎だ! おまえは虎になるのだ
13. 匿名処理班
人を睨み付けて威嚇の声をあげる姿も、ワイはけっこう嫌いじゃないで。
これぞ獣という感じで。
あまり人に媚びず、このままでいて欲しい気もする。
14. 匿名処理班
もしかして赤髪が怖かったとか…
15. 匿名処理班
ペットOKにしてくれた大家さんもいい人!
16. 匿名処理班
ハッピーエンドでよかった。
…よかったんだけど、間に挟まっちゃった里親さんが気の毒に思えてしまうから、里親さんにも、いい縁あれかし。
17. 匿名処理班
※8
ですよね〜。顔が怖いから威嚇と勘違いしやすけど・・
18. 匿名処理班
※17
ですよね〜。怖いくらい必死なんですよね〜(ΦωΦ)キラーン