
飼育放棄され人間におびえていた猫が心を開くまで:purrfect_pals/Instagram
アメリカのワシントン州で、劣悪な環境で飼育放棄されていた猫が、救助・保護された。その猫は人間に怯えて心を開こうとせず、出産した子猫たちへの愛情の示し方さえもわからない状態だった。しかし、猫は保護施設の手厚い愛情とケアのもと、更生プログラムに参加し、変化を遂げた。
その後、猫は施設のボランティアをしている家族と養子縁組を結び、永遠の家を見つけることができ、現在は幸せに暮らしているという。『Love Meow』などが伝えている。
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劣悪な環境から保護された猫シンフォニー
ワシントン州スノホミッシュ郡で、劣悪な環境の中飼育放棄されていた猫46匹が救助・保護されたのは、2016年1月のことだった。地元の非営利動物保護団体『Pasado's Safe Haven』は、子猫を含む全ての猫たちを安全な場所へ移し、複数の保護施設へ連絡した。
当時、2歳だったメス猫シンフォニーは、同時に保護された仲間の猫10匹と一緒に、同州アーリントンにある養子縁組センターを兼ね備えた動物保護施設『Purrfect Pals』に引き取られ、健康診断や治療を受けた。
避妊手術を受けていなかったために妊娠中だったシンフォニーは、上気道感染症も患っており、何よりこれまでの状況から人間に対して非常に怯え、心を開こうとはしなかった。
職員がどれだけ愛情を持って接しても、その受け止め方を知らなかったが、施設では時間をかけてシンフォニーに接していくことを決意した。
やがて、2月28日にシンフォニーは2匹の子猫を施設内で出産。しかし、内向的で殻に閉じこもったままのシンフォニーは、我が子への愛情の注ぎ方さえもあまりわからないようだった。
受刑者と過ごす更生プログラムに参加
シンフォニーにとって一番重要なのは、人間との生活に慣れさせることだ。そこで、職員はシンフォニーを受刑者と触れ合う更生プログラムに参加させることにした。
それは、特別な訓練を受けた受刑者たちが猫の世話をしながら更生を目指すもので、猫にとっても人間に慣れ、心開くいい機会となる。結果、シンフォニーは何か月にもわたる育成プログラムを受刑者と受けることで、大きく変化した。
保護施設のボランティア宅が永遠の家に
やがて、保護施設へと戻って来て養子縁組の準備が整ったシンフォニーを待ってくれていたのは、同施設でボランティアをしているカップルだった。ラリーさんとリアさんは、クリスマスまで数週間となった時期に、シンフォニーだけが引き取り手がなく残っていたことを知り、自分たちが引き取ってやりたいと思っていたのだ。
12月19日、シンフォニーを施設内で家族として迎え入れた2人は、あれほど人間に怯えていたシンフォニーが変わっていることに驚いた。
腕の中に潜り込んできて、甘えて擦り寄って来たシンフォニーに、ひとめぼれしてしまいました。ラリーの首にも手を回すかのように抱きしめる仕草をして、ラリーもそれでメロメロになってしまったようです。
シンフォニーの世話をした受刑者からの手紙を読むと、どれほどかわいがられて大切にされていたかがわかり、胸を打たれました。是非ともウチに連れて帰ってやりたいと思いました。(リアさん)
リアさんとラリーさんが、シンフォニーを受け入れた瞬間、シンフォニーもまた2人を飼い主と決めたようだ。
安全な永遠の家を手に入れたシンフォニーは、その後新しい暮らしにすっかり慣れ、先住の2匹の猫とも仲良くなった。
かつて臆病で人間に怯えていたシンフォニーは、もういない。今では愛に囲まれて幸せに暮らしている。
Purrfect PalsのFacebookでは、このシンフォニーの物語をシェアし、次のように締めくくっている。
猫の救助活動は、困難で憂鬱な状況であるケースがほとんどです。でも、シンフォニーのような物語こそ、私たちに日々やり甲斐を与えてくれている理由となっています。なお施設によると、シンフォニーが産んだ2匹の子猫たちも、それぞれやさしい家族のもとへ引き取られていったということだ。
虐待され、長い困難な道を歩んできた猫が、完璧で愛情のある真の永遠の家を見つけた瞬間こそ、私たちは保護活動に意味を見出し、喜びを感じることができるのです。
written by Scarlet / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
シンフォニー、リアさんラリーさんが幸せになれそうでなにより
シンフォニーの心を開かせるのにいちばん貢献しただろう受刑者も今後幸せになって欲しい
2. 匿名処理班
※1
受刑者のことも思いやるあなたもお幸せに。
3. 匿名係
我が家に迎えて2年になるのに最近やっと頭だけ撫でさせてくれるようになったウチノコもきっといつか心開いてくれると信じてこれからも愛情注ぐぜ。
シンフォニーっていいお名前だね。
永遠にお幸せに。
4. 匿名処理班
受刑者さんも、受刑者仲間の前では強面のワルの顔つきで、陰ではこっそりとネコを溺愛していたのに違いないね。
5. 匿名処理班
猫は愛情を知り受刑者も更生できる
まさにウィンウィン…ニャンニャンの関係って訳だね
6. 匿名処理班
HIGE・・・・・
7. 匿名処理班
受刑者「シンフォニイィィーー!!!;;」
8. 匿名処理班
じつは日本でも多頭飼い崩壊は常にどこかで起きてるんだよね。でも救済作業に米国のように篤志家からの大口の寄付があるのはまれで、ボランティアが身銭を切ってる状態。行政から支援もなし。
9. 匿名処理班
安定の髭ニキ
10. 匿名処理班
どういった理由で多頭飼育崩壊になってしまったのか…
失業による破産で
充分な世話が出来なくなってしまったなら仕方ないけど
避妊去勢手術しなかったせいで猫が増えたなら許せない
どっちにしろ早めに助けを求めた方が
猫達も飼い主もダメージ少ないし
ボランティアさん達の負担も少なくて済むぞ
11. 匿名処理班
荒んでいる一人と一匹が交流したら、お互いに心を癒すことになったなんて、とても素敵な話だよね
12. 匿名処理班
そしてまたヒゲメンだった。
13. 匿名処理班
やはりヒゲメン……!
14. 匿名処理班
※10 対人間では決して極悪人という訳ではないのですが、
精神病だったり、精神障碍だったりの方たちが起こしてしまう
ケースが多いようです。たいてい近隣の苦情を受けて、行政から
ボランティアに相談が来ます。ボランティアたちが必死の救助で
ゴミ屋敷を清掃し猫たちに里親を見つけても、一年後にはまた
元の黙阿弥という例も珍しくないです。